イラクー村の中学校校舎、ついに完成しました!
皆さまこんにちは。IVY事務局の小笠原です。
昨年11月4日から開始しました「校舎でまた学べるように。イラク、空爆で壊れた村の中学校を再建したい!」では、温かいご支援をいただき本当にありがとうございました。
102人ものみなさまからのご寄付により、イラクのT村の中学校校舎を無事再建することができました!改めて感謝申し上げます。
プロジェクトのおさらい
この度実施したプロジェクトについて、もう一度ご紹介させてください。
今回再建した中学校校舎は、イラク北部、ニナワ県にある人口7,000人ほどの小さな村、T村です。イスラム教でも少数派の人たちが暮らしています。
2014年の8月まで、村には、平屋の家が立ち並び、道路脇に目をやるとアヒルやニワトリも歩いているような、そんなのどかな場所でした。
(2014年8月以前のトプサワ村の街並み)
しかし、2014年8月から2017年8月までの3年間、ISがこの村に侵入してきたため、村の人たちは、着の身着のままで村から逃れました。
その後、7000人の村の人たちは散りじりになり、同じニナワ県やドホーク県の国内避難民キャンプに避難した家族もいれば、クルド自治区の中心都市エルビルに部屋を借りたり、親戚の家に身を寄せたりしながら、しかし、いつか村に帰れる日を信じて待ち続けました。
3年後、、、村の人たちはようやく戻ってくることはできたのですが、、、建ったばかりだった中学校の校舎は、ISの軍事拠点となり、教室の壁は壊され、床下にはトンネルが掘られ、机や椅子はすべて持ち去られ、荒れ放題になっていました。さらにISからの奪還作戦の時には、空爆が行われたため、北側の教室棟が全壊していました。
「村に帰れば以前の暮らしに戻れる、学校へ通える」 そう思っていたつらい避難生活をがまんしてきた子どもたちの希望は、校舎とともに砕かれてしまったのです。
気落ちする子どもたちの姿を見て、心配した親御さんたちは、子どもたちを少しでも元気づけようと、中学校再開のために立ち上がりました。瓦礫を片付け、村中で寄付を募り、集まったお金で4教室だけ補修して、中学校の再開にこぎつけたのです。
しかし、村の子どもたち全員が通うには4教室では足りません。教室が足らないので、中学校は男子だけの学校になり、女の子は通うことができなくなりました。
そこで、その現状を知ったIVYは、T村中学校再建に2020年春から乗り出しました。
資金は、日本の外務省からの助成金でした。いただいた助成金で空爆による倒壊をまぬがれた教室棟は直すことができたのですが、助成金だけでは、空爆で倒壊してしまった北側の教室棟の再建資金はカバーすることができませんでした。そこで、みなさまから寄付を募るために、クラウドファンディングを行うことになったのです。
生まれ変わった校舎
現在、イラクは日本と同じで夏休みですが、子どもたちは、新学期から、今回新しく建った校舎で勉強できることを心待ちにしてくれています。
生徒さんたちの声をご紹介します。
シャハドさん(15歳)
中学校は、ISが来る2014年8月前まで、女子も通える中学校でした。しかし、戻ってきて2年目の年に開校した中学校は、教室がまだ4つしかなかったので、男子しか入学の許可がされませんでした。
IVYが壊れていた教室を直してくれたので、去年からは教室の数が増え、私たち女子も通えるようになりました。今は、午前は女子、午後は男子が使っています。
でも、私は、学校にまだ瓦礫が残っていたり、建物に崩れた場所があったので、怖くて、またISが襲ってきそうで、学校にいても落ち着かなかったです。
今は、そうした怖い記憶を思い出させるものがすべてなくなって、新しい校舎も元どおりになって、安心して学校に来ています。
遠い日本から、私たちを応援してくださって、本当にありがとうございます。
【収支報告】
皆さまからご支援いただいた資金は、校舎再建工事費費用として使用させていただきました。
収入の部 |
単位:円 |
計 |
備考 |
Readyfor寄附金 |
2,105,000 |
|
|
助成金 |
7,459,464 |
9,564,464 |
※外務省 |
|
|
|
|
支出の部 |
|
|
|
校舎建設費 |
8,937,175 |
|
|
追加工事費 |
265,800 |
|
|
Readyfor手数料 |
324,170 |
|
|
広告費 |
5,000 |
|
|
印刷費 |
30,000 |
|
|
通信費 |
31,542 |
|
|
旅費 |
175 |
9,593,862 |
|
|
|
||
収支差額 |
|
-29,398 |
※自己資金 |
【リターンの発送について】
お礼のメール、クラウドファンディング報告書は、8月下旬を目途にお送りさせていただきます。
5万円のご寄付をお寄せいただいた皆様は、ご希望される方のみ報告書にお名前を記載させていただいております。
10万円以上のご寄付をお寄せいただいた皆様には、学校の銘板にお名前を掲示させていただきます。
イラクには、病院や学校、道路、水道、電気等のインフラがもとどおりになっていないため、避難先から帰れない子どもたちがまだ多く残されています。
その子どもたちが一日も早く、ふるさとに戻れるよう、また教育を身に付け、ひとりひとりが夢を実現できるように、自分の希望する進路へ進めるように、これからも私たちにできる支援を続けてまいります。引き続きご支援、応援をどうぞよろしくお願いいたします。