プロジェクト概要

皆さん!お願いがあります。

 

初めまして。私は言語学が専門で、1983年からトンガ王国でニウアフォッオウ語の研究を始め、その後、ずっとこの言葉を中心に西ポリネシアの言葉の調査を行い、また、たくさんのお話(昔話、伝説、思い出話 など)を記録してきました。その間には、たいへん大勢のニウアフォッオウ島の人たちのお世話になったので、今、恩返しのつもりでニウアフォッオウ語の復興事業 に携わっています。


ニウアフォッオウ語の復興事業の一環として宮沢賢治著「よだかの星」をニウアフォッオウ語に翻訳しました。また、トンガ語版も作りました。ニウアフォッオウ語版は約600人のニウアフォッオウ島の住民に家族単位で、トンガ語版はトンガ王国にある約120の小学校に児童数に合わせて1部〜数部を無料で配布したいと考えています。

 

しかし、本にして届けるための経費が不足しています。ご協力お願い致します。

 

まっ青な海で海水浴

 

 

ニウアフォッオウ島はどんな島?・・・ニウアフォッオウ語は急に話されなくなってしまいました。どうしてでしょう?

 

ニウアフォッオウ島はトンガ王国の最北端にある離れ小島ですが、1946年に火山が噴火したため、住民が全て首都のあるトンガタプ島に疎開しました。しかし、地元住民との関係がたちまち険悪になってしまったため、ニウアフォッオウ島の人たちはたいへん辛い体験をすることになりました。その時に、自分たちの異なる言語・行動様式を手に取って侮辱・揶揄されたので、ニウアフォッオウ島の人たちは自尊心を大きく傷つけられ、それと同時に伝統的な言語も急速に衰えてしまいました。その後、多くのニウアフォッオウ島出身者は、トンガタプ島の近くにあるエウア島に移住し、自分たちの村を建てて、今に至るまでそこで暮らしています。1958年からはニウアフォッオウ島への帰島も許されるようになり、一部の人たちは故郷に帰りました。

 

ニウアフォッオウ島は絶海の孤島ですが、海岸が岩場になっているため、船を停泊させることが難しく、1900年代の初めには通りかかる船が持ってきた郵便物は、ブリキ缶に入れて海に落としてもらい、それを島の人が泳いでいって回収してくるということが行われました。このため、ニウアフォッオウ島は「ブリキ缶の島 (Tin Can Island)」として切手収集家の間で世界的に有名になったことがあります。これを記念してトンガ政府は今でも特別にニウアフォッオウ島の切手を発行しています。ニウアフォッオウ島には、今日でも独特な風俗・習慣がある上、トンガの他の島々には見られない鳥や植物が生息しています。特に、マラウという鳥は近似種はオーストラリアやインドネシアにもいるものの、全く同じ鳥はニウアフォッオウ島にしかいません。

 

ニウアフォッオウ島の人たちは、今でもほとんど自給自足の生活をしています。水道はなく、最近になって持ち込まれたソーラー・パネルやガソリンで動く発電機で作る電気を除けば、基本的には、電気もありません。けれども、それだけに素晴らしい夜空です。・・・天の川が本当に川のように見えます。

 

たび重なる火山の噴火のため、すっかり溶岩に覆われた島の西部

 

 

とうとうニウアフォッオウ語の復興事業が始まりました。

 

ニウアフォッオウ島出身の酋長さんは、長いこと、自分たちの伝統の衰退を嘆いていましたが、2013年になってようやくトンガの文部省がニウアフォッオウ語を学校教育に取り入れてニウアフォッオウ語の復興事業を開始する決定をしました。2014年に復興事業が始まる直前に、残念ながら酋長さんは亡くなってしまいましたが、復興事業は無事に開始され、今も継続されています。

 

ニウアフォッオウ語の復興のために、現在、さまざまな教材ならびに教員用手引きともなる文法書の作成が行われています。教材の多くは伝統的な内容のものですが、ニウアフォッオウ語を魅力ある言葉にするためには、新鮮な内容の読み物も用意しなければなりません。

 

そこで、多くのトンガ人にとって憧れの国である日本の文学作品を翻訳することにしました。また、トンガには JICA のボランティアをはじめとして日本人が常に数十人住んでいて、日本はトンガ人にとって最も親しみのある国のひとつですが、日本文化に触れることができる機会は十分とは言えないので、トンガ語版も作ることにしました。

 

本格的なニウアフォッオウ語を知っていた最後の老人(左)

 

 

宮沢賢治の「よだかの星」を翻訳して絵本に・・・新鮮な内容の日本のお話を記念出版。

 

トンガの小学校では教科書を使うことはほとんどなく、プリントを配布して授業をするのが普通ですが、「よだかの星」は親しみやすくするためにも、また、ニウアフォッオウ語の復興事業を記念するためにも、日本人画家が表情豊かに、そして、綺麗な色合いで描いた挿絵の入った絵本にして出版する予定です。トンガ語版は南太平洋大学の学生に手伝ってもらって翻訳した共訳で、ニウアフォッオウ語版も数人の人たちに読んでもらって洗練した表現にしてあります。ニウアフォッオウ語版は、ニウアフォッオウ語の復興事業が始まる直前に亡くなった酋長さんのお孫さん(十代の女の子)に捧げたいと思っています。

 

日本を代表する詩人・童話作家である宮沢賢治が書いた「よだかの星」は、よだかが他の鳥たちから「みにくい!みにくい!」と言われて虐められ、辛い思いをしながらも、やさしい心を失うことなく、やがて、星になろうと決心して夜空に飛び立ち、何度も失敗して地面に落ちるものの、最後には、力を振り絞って飛び続け、夢を果たして星になり、そして、今でも夜空に輝いているという内容の話ですが、国際的にも高く評価されている作品です。2014年、ニウアフォッオウ語の詩の朗誦大会が開かれた時に、あるトンガ人の先生が日本の本が翻訳されたことを話題にすると、そこに集まっていた人たちは、皆、心をうきうきさせていました。

 

ニウアフォッオウ島の疎開が行われてから70年の歳月が経ち、当時のことを憶えている人は少なくなってしまいました。トンガ人との関係はかなり改善しましたが、ニウアフォッオウ語は瀕死の状態です。現在では、ニウアフォッオウ人は、普通、トンガ語を話していて、ただ訛りがあるだけです。家庭ではそれにいくつかのニウアフォッオウ語の単語を混ぜて話す人もいます。もし、ニウアフォッオウ語を復活させるなら、今が最後のチャンスになるでしょう。ニウアフォッオウ語の復興事業はまだ始まったばかりで、学校で教えるための準備を行っている段階です。ニウアフォッオウ語をよく知り、疎開した頃の苦労を憶えているお年寄りは数人になってしまいました。この人たちに1日でも早く「よだかの星」を手にとってもらいたいと願っています。

 

身振り手振りをつけて詩を朗誦(2014年・南太平洋大学で開かれた
ニウアフォッオウ語の詩の朗誦大会にて)

 

 

「よだかの星」・・・南の島の上にも輝いてくれるかな?

 

少数派グループの独自の言葉が習えるようにしたり、公共の場で使えるようにしたりすることは、その少数派グループの人たちも含めて全ての人が対等な立場で交流し、仲よく暮らしていけるための環境を築くことを目標にしています。その根底にある考え方は、言葉の違いによってできあがる様々なグループばかりでなく、他の違いによってもできあがる様々なグループの人たちが気持ちよく共生していくためには欠かせないもので、どの地域のどのような社会 ー したがって、私たちすべて ー にとって重要な意義を持っています。宮沢賢治が書いた「よだかの星」は、全ての人が幸せに暮らしていけるような世の中を作るには私たちはどうしたら良いか、また、変わってほしいと思ってもなかなか変わってはくれない世の中で私たちはどのような志を抱いて生きていったら良いかということについてたくさんのことを教えてくれます。このプロジェクトをとおして出版しようとしているニウアフォッオウ語版とトンガ語版がそのような教えをひとりでも多くの人に届けてくれることを希望しています。

 

おそるおそるニウアフォッオウ語でお話し(2014年・南太平洋大学で開かれた
ニウアフォッオウ語の詞の朗誦大会にて)

 

ニウアフォッオウ語の復興事業はまだ始まったばかりです。しかし、前途多難。ご協力して下されば幸せです。

 

ニウアフォッオウ島について

 

ニウアフォッオウ島は首都ヌクッアロファのあるトンガタプ島から北に向かって約620km離れたところに位置します。島の直径は約8km、真ん中のカルデラ湖の直径は4km以上あります。現在の人口は約600人です。

 

 

 

リターンについて

 

写真にある郵便切手・絵葉書・民芸品はサンプルです。お送りするものとは同じではありません。

 

郵便切手はなるべくニウアフォッオウ島のものをお送りするつもりですが、十分な枚数を調達することができない場合は、トンガ王国のものにかえさせて頂きます。複数枚をお送りすることができ、また、ニウアフォッオウ島の郵便切手が足りる場合は、両方のものを混ぜるように致します。

 

民芸品は寄せて下さった寄付金の10%~15%程度の値段のものをお送りする予定です。しかし、募金の目標金額は「よだかの星」の出版に必要な経費の見積もりに基づいて算出したものにすぎないので、場合によっては、リターンに費やすことができる予算が減ってしまうかもしれません。その際は、それに合わせて、お送りする民芸品の値段についても調節させて頂きます。また、トンガの民芸品は手作りですので、同じ額の寄付金を寄せて下さった場合でも、おふたかた以上に全く同じものをお送りすることはできません。

 

10万円以上をお寄せ下さった場合は、ご希望によってお名前(個人名・団体名等)をあとがきにお載せし、ニウアフォッオウ語版のあとがきとタイトルページをコピーしてお送り致します。これをご希望される方は、お載せすべきお名前を日本語の文字とともにローマ字でお伝え下さい。団体名等で、部分的にニウアフォッオウ語・トンガ語に翻訳した方が良いと思われる個所がある場合は、お載せする前に連絡させて頂きます。

 

・ お礼メール

A17c9aaa61e80a1bf71d0d850af4e5baa9800bbd

 

・郵便切手・絵葉書
※画像はイメージです

A17c9aaa61e80a1bf71d0d850af4e5baa9800bbd

 

・民芸品
※画像はイメージです

A17c9aaa61e80a1bf71d0d850af4e5baa9800bbd

 

 

・ご希望によってお名前を翻訳本のあとがきにお載せ致します

A17c9aaa61e80a1bf71d0d850af4e5baa9800bbd