プロジェクト概要

 

小学校5年生のときのことです。

 

卒業生の方の寄付で、当時(昭和30年代)としては珍しい、

とても立派な図書室が校門のわきに建てられました。

確か確か寝そべって本を読めるように畳敷だったと記憶しています。

図書室で過ごす時間は楽しくて、本がますます大好きになりました。

 

ある日、お友達の家に行ったとき、

お友達のお母さんから破れた本を治すことを教えてもらいました。

 

でも残念なことにそれは、破れた箇所をセロテープでつなぐ、という作業でした。

小学生で何も知らなかった私は、

「とてもいいことをしているんだ」

そう思いながら、せっせとセロテープを貼りました。

 

でもそれは、かえって本を傷めている行為だったのです。

 

 

本のページで破れたところにセロテープやガムテープを貼るという行為にも「傷んだ本を治そう」という優しい気持ちはあるのです。

 

でも残念なことに正しく修理する方法を知らないので、つい、てっとり早く、手近なものを使いがち。

 

「治そう」と思って施した処置がかえって本を傷めているって、とても悲しいことですね。

 

本の寿命を守るために必要なのは、ほんのちょっとの修理の知識。

そのことを、たくさんの人に知っていただきたいのです。

 

 

書物の歴史は人類の歴史。
大切に次の世代に伝えていけるよう、本の寿命を守りたい。

 

はじめまして。NPO法人書物研究会を運営し、本を治す活動をしている板倉正子です。私はこれまで、アメリカでの図書館の視察や、スイスの本の修理学校での学びを経て、帰国後、本の修理教室などを運営してまいりました。

 

活動を通して、図書館などにある蔵書の修理に頭を悩ませている方々に、たくさん出会いました。


本の傷みが心の痛みに繋がっている方が、たくさんいらっしゃることを知った私は、今までの本を修理する研究をまとめ、その技術を『図書の修理とらの巻』という技法書として本にしたい。そう思い、2017年にこちらのプロジェクトにて、『図書の修理とらの巻』の製作資金を募集させていただきました。

 

最終的に、111人の方より1,022,000円のご支援を賜ることができました。

 

たくさんの方々にご支援いただき、出版が叶い、現在4刷目となっています。


嬉しいことに、2018年の図書館総合展では、1万点以上ある書籍の中で売上7位、「図書館にも役立つ本」というカテゴリーでは売上1位となりました。


今回、「もう少し詳しい本を」という皆さんのご要望にこたえ、『続図書の修理とらの巻』を上梓するはこびとなりました。

 

前回のクラウドファンディングで応援してくださったみなさんをはじめとして、

私の教室の講座生さん、

図書館で働いでいる方、

本屋さんで働いている方、

読書メーターで暖かいコメントの応援を書いてくださったみなさん、

多くの本を愛する方々、

 

また、製本の仕組みをよく知らずに壊れやすい本を作ってしまっている出版社さんなど、(まだまだたくさんあります)

 

本に関わる機会の多い少ないに関わらず、たくさんの方々にこの本を手に取っていただき、正しい本の修理の知識を少しでも深めていただけたら。そう思っています。
 

 

 

「ああ、本って直せるんだ!」
そんな言葉を、もっと聞きたくて。

 

前回出版の、『図書の修理とらの巻』では、図書修理の概略的なお話が中心でした。「本を治す」ことへのイメージ作り、といったところです。

 

前回ご支援いただいた方々から、こんなお言葉を頂戴いたしました。

製本に関する本は多くあれど、修理に関する本は無かったので、このプロジェクトはとても画期的です。製本を学ぶ事は、本の修理にも有効だとは思いますが、私の様に本を自分の手で作る事より、本を直す事に興味がある人は多いと思います。

 

こういった本を待ってました。届くのが楽しみです。

本の修理にご興味がおありの方に、たくさん出会うことができました。

 

書物の修理教室で出会った生徒さんたち以外に、全国にいらっしゃる、本を大切に扱いたいと思われている方々と巡り会えたことは、前回のプロジェクトの経験で、一番の財産である様に感じております。

 

また、前回の挑戦から修理講座に参加してくださった方や、まったく図書館には関連なく、ITのお仕事をされている方々から「ああ、本って直せるんだ!」という感想をいただきました。

 

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しかし、さて、実際に修理に取り組むとなれば、まだ少しハードルの高い部分もあります。

 

例えば、本を修理するときに欠かせない「接着剤」。

 

一口に「接着剤」と言ってもどれがいいのか、どのような濃さがいいのか、またどのような紙が適切なのか、実際は難しいですね。

また「うまくいくかどうかわからない」不安もありますよね。

 

そんな方たちに「よし、やってみよう!」と勇気を持ってもらえるような内容にしたいと思いました。

 

そこで、綴じや見返し等、本の全般的な構造について、もう少し深くお知らせし、きっちりとした知識を持ったうえで、図書修理に取り組んでいただけるよう、続編を出版することにしました。

 

 

大切に、丁寧に修理された本が、
健やかで在り続けるように。

 

傷んだ本を治すには、単に技術的な知識だけでは間に合いません。

 

本の構造はどのようになっているのか、開閉のスムーズさはどのようなメカニズムなのか、全体像を知ることで、適切な修理方法が生まれます。

物理的な機能を無視して単に貼りつけても、またすぐに破れてしまいます。それではせっかく治しても悲しいですよね。

 

前回は図書修理を概論的に説明しており、全体を包括した内容となっています。

 

本の中身を、少しだけご紹介。

 

今回は、本の構造を分析し、

「綴じ方の種類」

「表紙形態の種類」

「見返しの構造の種類」

「表紙と中身の結合の種類」

等々、少し専門的に細部を説明しています。

 

また、それに加えて、実際の修理例をA~Zまで画像を使ってお見せしています。本の傷みのケースは様々ですが、修理のモデルケースから応用し、その本に適合した処置を生み出していただけると思います。

 

大切に丁寧に修理した本が、健やかにあり続けるように、一番求められる修理方法を探求する必要があります。
 

 

 

子どものときに出会った本と、
長いお付き合いをしていける社会を目指して。

 

最近、悲しい出来事がありました。

出版の世界では経済的制約により、製本が軽んじられていることを改めて知ったのです。

 

中には本作りに心を傾けて、手間のかかる良い製本をしようと頑張っておられる製本屋さんもありますが、その方のお話では、出版社の方々が製本の構造に全く関心がなく、手間のかかる製本を評価してくださらないのだそうです。

 

理にかなったしっかりした製本と、必要な作業を割愛した製本では本の耐久性が全く違います。

特に絵本などは、子どもたちが読み、長く大切に大人になっても持ち続ける本です。

 

よい中身だけでなく、よい製本をして世に送り出していただきたいものです。

この点は心から願っています。

 

遠方の方には講座にお越いただくのも難しいですし、また私たちが出かけていくのもなかなか容易ではありません。今はインターネットという便利な装置もあるのですが、やはり手元に置いてゆっくりと、何回でも読み返せる書物は心強い味方であると、私は思います。

 

 

 

リターンのご紹介

 

リターンは、心を込め喜んでいただけるようにアイデアを練りました。お店では買うことのできないステーショリー、通常手に入らない未綴じ本キット部品付き、体験受講など、今回の記念としていただけると確信しています。

 

 

ここでしか手に入らないような、

お楽しみリターンをご用意。

 

10000円:お楽しみコース
ご支援くださった方々に、「よかった!」と思っていただけるような品を作りました。私たちの製本技術を生かして、一つひとつデザインを考えながら制作しています。

■和紙のインデックスノート

表紙には和風の裂を配し、手撚りした木綿糸に骨製のコハゼを付けています。

■奈良麻象嵌ノートカバー

どこでも入手可能なA6版ノート用の差し替えカバーです。美しい柄の麻布を一つずつ嵌め込んでいます。
 


製本や修理に興味のある方に、

少しだけ体験していただける内容も。


10000円:自分で学びましょうコース 
前回好評だった未綴じ本のキットに、詳細なテキストや材料、部品を付けておひとりで制作できるように準備しました。おうちで楽しみながらゆっくり作っていただけます。

20000円:一緒に学びましょうコース 
本部の講座日に体験参加していただけます。ついでに奈良の町も楽しんでいただきたいです。参加は一回のみですが、2019年9月から2020年7月までの間の第一日曜、ご参加の月はご都合に合わせて選んでいただけます。

 

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