【第11弾】蘇る六代目の舞台、小津安二郎『鏡獅子』を次世代へ。

支援総額

4,494,000

目標金額 4,000,000円

支援者
290人
募集終了日
2022年10月26日

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2022年09月16日 16:51

(株)IMAGICAエンタテインメントメディアサービスでの選定作業

お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。

 

プロジェクト開始10日目となりましたが、おかげさまでただいま41%のご支援を頂いております!この週末も告知やご連絡を頑張りますので、引き続きプロジェクトへの応援を宜しくお願いいたします!

 

なお、この週末から来週にかけて、台風14号の各地への接近・上陸が予想されておりますので、皆様どうかお気を付け下さいませ。

 

 

さて、4Kデジタル修復を目指す『鏡獅子』ですが、プロジェクトを開始するにあたり、まずフィルムの状態調査と選定の作業を行いました。

 

当館には『鏡獅子』のタイトルの付いた映画フィルムが9組遺されています。この9組のフィルムはオリジナル原版ではなく、全て複製されたフィルムであり、フィルムの劣化についてもそれぞれ異なる状態でした。


デジタル化作業を始めるにあたっては、どのフィルムがよりデジタル化の素材として相応しいのか、9組すべてのフィルムの映像を確認した上で、今回のデジタル修復に携わる関係者立ち合いのもと選定する作業が必要となります。「デジタル化に適したフィルム」というのは、もちろん傷や劣化が少ない方が理想でありますが、フィルムは複製を重ねるごとに情報量が少なくなってしまうので、よりオリジナルに近く、情報量が多い事が重要だそうです。

 

また、フィルムの状態を確認する事も重要です。スキャンをするフィルムの状態によっては、複数のフィルムを素材として、映像や音声の欠損部分を補うなどの必要も出てきます。スキャンするフィルムの状態を確認し、素材を決定する事で、プロジェクトに必要な費用の見積もりを作って頂く事が出来ます。

 

そこで、プロジェクト開始前に、株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービスさんの品川プロダクションセンターで行われた、フィルムの状態と内容の確認及びフィルムの選定という重要な作業を見学させて頂きましたので、ご報告致します!

 

株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービスさんの沿革と業務については、2022年09月07日の新着情報で社員の方にご寄稿頂いておりますので、こちらもぜひご覧ください!

 

▼【新着情報】(株)IMAGICAエンタテインメントメディアサービスさんについてはこちら
https://readyfor.jp/projects/ootanitoshokan11/announcements/231001

 

こちらが品川プロダクションセンターです。

 

フィルムを扱う作業にはゴミやほこりは大敵ということで、ご案内頂いたフィルムの確認作業を行う部屋の入口には、粘着マットが敷かれ、靴底についたゴミを持ち込まないようにしてありました。また、入室の際は、スリッパに履き替えます。

 

従来、フィルムに写った映像の内容を映写機に掛けない方法で確認するには、CTMやSTEENBECKという大型の機材が使用されていました。これらの機材は持ち運びが不可能なため、設置場所にフィルムを運び込む必要があったそうです。またモーターでフィルムを巻き取るため、劣化したフィルムはテンションが掛かることで切れてしまう危険性もあり、ローラーにスプロケット(フィルムのパーフォレーション(穴)をかけるための歯車)が付いているため、穴に切れ目や破損が見受けられるフィルムは、破損の危険が高まり、使用出来ないそうです。

品川プロダクションセンターにあるCTM

 

CTMのローラー

 

そこで、今回大活躍したのが、フィルムの映像をその場で簡単にプレビューできる株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービスさん開発の簡易テレシネ機「tetele(テテレ)」です!

簡易テレシネ機「tetele(テテレ)」

 

簡易テレシネ機「tetele(テテレ)」

 

簡易テレシネ機「tetele(テテレ)」のガイドローラー

 

この「テテレ」は、フィルムの状態を確認しながら、劣化状態に合わせて手作業でフィルムを巻き取るため、モーターでの巻き取りに比べ、フィルムに掛かる負荷が少なくてすむそうです。折り畳み式の巻き取り機付きなので持ち運びが出来るため、フィルムが収蔵されている場所に持ち込む事が出来、収蔵場所で大量にフィルムの状態を確認する事が可能となったそうです。また、ローラーにスプロケット(歯車)が付いていないため、穴が破損しているフィルムにも使用することが出来、また、ローラーのパーツを変える事で、35mm,16mm,9.5mm,8mmフィルムに対応できるそうです。

 

回したフィルムはセンサー検知でコマ毎にデジタル撮影され、その場でディスプレイで確認する事ができます。またコマ毎に撮影された静止画のフレームレートを設定し、動画に変換することが出来るので、手回しの速度ではなく正しい速度の動画として確認することが可能だそうです。さらにネガフィルムもポジ像に反転させて再生ができるので、何が写っているか分かりにくいネガフィルムの確認にも適しているとのことでした。

 

こうしたご説明を伺って、興奮の中、まず一番有力候補であった35㎜のフィルムを見せて頂きました。

 

ロール全体にが焼き込まれている縦キズ

 

フィルムのコンディションはとても良好で、スムーズに映像が流れていきます。1973年頃に複製されたと推定され、その段階で複製元のフィルムについていたキズなどがそのまま受け継がれており、特に映像の右側に大きなキズが走っているのが特徴です。放送などに提供していた素材のフィルムだったため、見慣れた映像という感想を持ちました。

 

つづいて2番目に見せていただいたフィルムは、見るからに劣化が進んでいました。

 

 

9組の中では一番古く、1959年頃に製造されたと推定される35㎜フィルムで、親フィルムの傷を受け継いだ劣化、映写の時に付いたキズや汚れ、映写をスムーズにするためフィルムに塗られた油など、様々な原因でフィルムが劣化している事を説明して頂きました。また、残念ながらビネガーシンドロームによる劣化が進んでしまい、表面には白い結晶が付着し、カーリングと呼ばれるフィルムの変形とワカメのような歪みが発生しており、酢酸臭もしています。映像も最初に見せて頂いた1973年製フィルムに比べて、画像がゆらゆらと揺れるように歪んで見えます。

 

しかし、フィルムの劣化状態にもかかわらず、写っていたのは、最初の1973年製フィルムに比べて、着物の柄や檜舞台の板など細かい部分がより鮮明な映像でした。画面も明るく陰影がはっきりしている印象で、映像を損なうようなキズも少なく、テテレで簡易に再生している映像を見るだけでも、1973年製フィルムより写っている情報が多い事が分かります。キズや汚れはデジタル化の際、ある程度補正は出来ますが、複製を重ねることによりオリジナルから失われていった情報を補うことはできないため、映像に情報が多く含まれている事はとても重要です。心配なカーリングによる映像の歪みも本番のスキャニングの時は、もっと軽減されるでしょうとの事でした。

 

 

比較の為、他に16㎜フィルムも見せて頂きましたが、35㎜フィルムから16㎜フィルムに焼く際に縮小されるため、この段階ですでに画面が一部分切れるなどフィルムに写る範囲が少なくなり得られる情報が減っている事、その反面、フィルムについているキズなどは、デジタル化を行うと、今度は引き延ばして拡大されてしまう形となり、映像に与える影響が大きい事など、35㎜と比較しデジタル化には向かない点をご説明頂きました。

 

音声については、フィルムに一緒に焼き付けられている方式がデンシティとエリアという二種類があり、デンシティは濃淡で、エリアは領域で音声を記録する事を簡単に説明して頂きました。今回、テテレでは音声が確認出来ないため、音声の再現については、検討しながら作業を進めて頂く事になりました。

 

今回事前の調査では、最初に見たコンディションの良い1973年製フィルムを素材にする話でまとまりかけていたのですが、実際に映像を確認した結果、二番目に見たカーリング状態の1959年製フィルムの映像が、想像以上に綺麗であったため、今回のデジタル化はこの1959年製フィルムを基本素材とする事になりました。やはりフィルムは実際に再生して確認しなければ、内容や状態がわからないということが、今回の作業に立ち会わせていただいて、とてもよくわかりました。

 

これまで劣化により見た目の状態が悪いフィルムは映像も劣化していると思い込んでいましたが、テテレでの確認作業は、この考えを覆す事となりました。デジタル化に適さないと思われたカーリング状態のフィルムには、これまで見た事のない明るい『鏡獅子』の映像が残っているようでした。この1959年製フィルムから、どんなデジタル映像が遺せるのか、今からとても楽しみにしています。

 

ぜひ、この映像を皆さんと共有出来るように、これからもプロジェクト成立を目指して頑張ってまいります!

 

どうぞ応援を宜しくお願い致します!

リターン

3,000+システム利用料


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活動報告+サンクスメール+HPにお名前掲載

■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2023年4月末に送信予定)

支援者
57人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

5,000+システム利用料


松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー『鏡獅子』完成台本表紙デザイン

松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー『鏡獅子』完成台本表紙デザイン

3,000円のリターンコース内容に加え、
■松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー
当プロジェクト限定!
当館所蔵『鏡獅子』完成台本(昭和25年編集版)表紙デザイン

支援者
93人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

10,000+システム利用料


オリジナル文庫本カバー+台本カバーにお名入れ

オリジナル文庫本カバー+台本カバーにお名入れ

5,000円のリターンコース内容に加え、
■台本カバーに支援者様のお名前をお入れします
【歌舞伎・新派台本】【映画台本】【寅さん台本】の3つの作品リストより、ご希望の1作品の「台本番号」と「タイトル」を応援コメントかメッセージでお知らせください。

※作品リストはプロジェクト本文「リターンについて」の台本カバーの説明部分にリンクがございます。
※今すぐ決まらない方は、プロジェクト達成後にもご希望をお伺いいたします。

支援者
54人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

10,000+システム利用料


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【1万円 全力応援コース】

こちらのコースは、いただくご支援のほとんどをプロジェクトの実行費として使わせていただきます。

■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2023年4月末に送信予定)

支援者
30人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

30,000+システム利用料


『鏡獅子』フィルムしおり

『鏡獅子』フィルムしおり

10,000円のリターンコース内容に加え、
■ 『鏡獅子』フィルムしおり
デジタル原版から名場面9コマを選び、ネガを起して、本物のフィルムを使ったプロジェクトオリジナルのフィルムしおりを作りお贈りします。

※ デザインは全て同じです。画像はイメージです。

支援者
26人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

50,000+システム利用料


『鏡獅子』4Kデジタル版初号試写会にご招待又は松竹大谷図書館ガイダンスにご招待

『鏡獅子』4Kデジタル版初号試写会にご招待又は松竹大谷図書館ガイダンスにご招待

30,000円のリターンコース内容に加え、
■『鏡獅子』4Kデジタル版初号試写会にご招待
2022年12月 2日(金)15:30開始 無字幕版
2022年12月15日(木)19:00開始 日本語字幕版
2022年12月20日(火)10:30開始 英語字幕版
の3回を予定(各回25名程)
ご支援時の質問でご希望の回をお選び下さい(先着順)

※試写会に参加できない方には予約制で、松竹大谷図書館ガイダンス(『鏡獅子』講座付き)への参加券をお送りします。有効期限:2023年1月~7月の平日(開館日及び整理休館中)
※新型コロナウイルス感染症の状況によっては、ご案内の範囲や期間を変更させて頂く場合がございます。
※詳細はプロジェクト本文「リターンについて」をご確認ください。

支援者
24人
在庫数
50
発送完了予定月
2023年4月

50,000+システム利用料


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【5万円 全力応援コース】

こちらのコースは、いただくご支援のほとんどをプロジェクトの実行費として使わせていただきます。

■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2023年4月末に送信予定)

支援者
8人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

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