お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。

本日11日より開館いたしました!午前中から多くの利用者の方にご来館いただきまして、スタッフ一同嬉しく思っております。


さて、1-2月の閲覧室展示は、本年2月に生誕100年を迎える女優、山田五十鈴の資料を展示します。

 

「ベルさん」の愛称で親しまれた山田五十鈴は、映画と演劇の両方の分野で、長きにわたって活躍した大女優です。大正6[1917]年2月5日に大阪で生まれ、父は新派女形の山田九州男(やまだくすお)です。昭和5[1930]年日活太秦撮影所に13歳で入社し、『剣を越えて』で大河内傅次郎の相手役としてデビュー。昭和10[1935]年、溝口健二監督の名作『浪華悲歌』『祇園の姉妹』でヒロインを演じ、以来その美貌と演技力で、戦前戦後を通して多くの名監督の作品に出演します。一方で、昭和10[1935]年8月に東京劇場の「新派精鋭男女優合同出演」に特別加入として参加して初舞台を踏み、長谷川一夫と旗揚げした「新演伎座」の公演に出演します。

[左]初舞台のプログラム(昭和10[1935]年8月東京劇場)

[右]長谷川一夫との「新演伎座」の戦後の公演(昭和21[1946]年10月有楽座)

 

昭和35[1960]年以降は舞台での活躍が増え、初代水谷八重子、杉村春子と共に演劇界で「女優の三絶」と呼ばれるようになり、昭和62[1987]年にはファン投票により舞台の代表作「山田五十鈴十種」が選定されました。平成5[1993]年文化功労者に選出、平成12[2000]年文化勲章を受章。平成24[2012]年7月9日没、95歳でした。

 

この大女優・山田五十鈴の資料を、当館ならではの所蔵資料を駆使して演劇と映画の両方から選び、多彩な展示を行っています。また、当館はご本人より寄贈されたスクラップブック73冊を所蔵しております。主に出演した作品毎に整理されており、スチール写真や記事等が貼り込まれています。ご本人の息遣いが伝わってくるような、貴重な資料です。こちらのスクラップブックからは黒澤明監督の『蜘蛛巣城』(昭和32[1957]年)の撮影風景を撮った写真のページを開いて展示しております。

 

ここで、ふたつの資料をご紹介します。

左の写真は『新宿帝都座』の無料プログラムで、右側のページに、山田五十鈴がヒロインの宮を演じた映画『金色夜叉』(昭和8[1933]年日活太奏)のあらすじや配役、場面写真などが載っています。戦前の二枚目俳優・鈴木傳明演じる貫一に、山田五十鈴の宮が蹴られているお馴染みの場面がありますね(こちらの資料は閲覧室展示では表紙を展示しております)。

右の写真は、当館が所蔵する、明治36[1903]年6月の東京座での新派合同演劇『金色夜叉』の番付です(こちらの資料は展示しておりませんが《松竹大谷図書館所蔵・芝居番付検索閲覧システム》でご覧いただけます)。

番付を拡大してみますと、後ろから3番目に「鴫澤娘宮子 山田九州男」と、山田五十鈴の父、新派女形の山田九州男の名があるのがわかります。

 

つまり、山田五十鈴と父の山田九州男は、親子でそれぞれ『金色夜叉』のヒロインを演じているのです。驚きですね!女優の娘と女形の父親ならはでのエピソードですね。

 

今回の展示期間は、3月1日までとなっております。お近くにいらした折には、是非お立ち寄り下さい。

 

松竹大谷図書館の開館日はこちらのカレンダーでご確認下さい。

http://www.shochiku.co.jp/shochiku-otani-toshokan/pdf/16_17calendar.pdf

新着情報一覧へ