安心してかかれる精神医療の実現を「精神科病院訪問報告書」の発行

安心してかかれる精神医療の実現を「精神科病院訪問報告書」の発行

支援総額

2,386,500

目標金額 2,000,000円

支援者
181人
募集終了日
2020年11月30日

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プロジェクト本文

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目標達成のお礼とネクストゴールについて

 

皆様のあたたかいご支援により、目標金額を達成することができました。みなさまのご支援で精神科病院訪問報告書「扉よひらけ8」の発行がかないます!応援メッセージにたくさんのパワーをいただきました。本当にありがとうございました。

 

そしてこのプロジェクトは2020年11月30日(月)午後11時までとなります。残りの期間においての次の目標は、当センター設立35周年を迎えるにあたり、350万円を目指しさらなる挑戦をします!

 

次の目標
病院訪問報告書「扉よひらけ8」発行の次の目標は、「人権」を知るためのリーフレットを今、入院されている方のお手元に届けることです。(発行部数は28万枚を目標とします。)

 

「人権」をわかりやすく
「人権ってむずかしそう」と言われることがあります。でも、本当は誰にとっても身近で大切なものです。「人権」を知り、つかっていくための一歩となる、だれにとってもわかりやすいリーフレットを作成し、病院の中に届けたいと思っています。さらなる一歩にご支援をお願いいたします。

 

2020年11月6日追記

大阪精神医療人権センター

 

 

 

 

「本当に、オーバーではなくて、私が最初に入った病院は、まるっきり家畜扱いでした」

    

若いころから入院の経験がある精神障害当事者の女性はそう語りました。

大阪精神医療人権センターは、1985年に当事者・家族・医療福祉従事者・弁護士・市民により設立しました。電話・投書による相談からスタートし、精神科病院と福祉事務所職員とが関係する収賄事件について、実地審査や患者の退院につなぐ活動へと広がりました。その後、自治省に申し入れを行い、精神障害者を締め出す差別条項の撤廃を求める活動などを行う中、1993年に大和川病院(1997年廃院)で入院中の方が虐待されて亡くなる事件が起きます。私たちは面会、電話相談、病院や行政との交渉、訴訟等を行いました。

 



それから、27年…「家畜扱い」だった精神科病院は変わったでしょうか…残念ながらいまだに死亡事件や虐待事件などの報道が後をたちません。たしかに建物は新しくなり、スタッフの専門性は高くなりました。しかし、その志や情熱も鍵のかかった扉の向こうにあって私たちは確かめることができません。「閉鎖性」「密室性」は精神科病院のかかえる数々の問題をより複雑にしています。

 

全ての病院や医療機関で、このような状況が生じているわけではありませんが 、構造的にどこでも起こりえる可能性があります。

 


私たちは、大阪府下の精神病院を訪問し、ありのままを報告書としてまとめ情報公開する「精神医療オンブズマン活動」を2003年にスタートし、2009年からは療養環境サポーター制度として現在まで継続しています。訪問病院が1巡し、新たに8冊目の報告書を発行したいと思い、このプロジェクトを企画しました。

 

 

 

日本の精神科病院の現状と課題


日本の精神科病院の現状は、2019年の調査によると、27万832人の入院者のうち、約半数の12万9千人が「強制入院」です。また、自ら決めた入院であっても一日中鍵がかかった「閉鎖病棟」に入院しているケースが少なくありません。法律では自発的な入院は原則開放病棟に入院するようになっているにもかかわらずです。

 

任意入院であっても終日閉鎖

 

 

これほどまでに大勢の方が、強制入院を強いられているのは、おおきく3つの理由があります

 

  1. 法律で定められた強制入院や行動制限の要件が曖昧で、現場では緩やかに解釈されています。
  2. 医療保護入院や身体拘束・隔離は、たった1名の精神保健指定医が判断しています。
  3. 精神医療審査会によるチェックがほとんど機能していません。…入院届や定期病状報告で入院継続不要と判断された割合はほぼ0%です。

10万6千人は1年以内に退院します。そのうち7割は家庭へ帰ります。入院が長くなるほどに家庭へ帰ることは難しくなり、割合が増えるは「死亡退院」です。そもそも、長期入院になるほどに、退院することが難しくなります。長い入院は人生の時間を奪い、幸福を追求する権利を奪います。10年以上入院している方は5万人も存在するのです。
 

退院後転帰


退院ができない理由は、入院中の方の理由かと言えば、そうではありません。病院スタッフ、地域の支援者、家族、行政…かかわる人たちの諦めによるもの、帰る家がない、地域が受け入れない…あるいはご自身が入院生活を続けるための物語を作り上げていて、それは長い入院生活をサバイバルするための「生きるすべ」なのかもしれません。

 

「よくなったから退院するんじゃない。退院したからよくなったんだ!」

    
精神科病院で生活する方が、本人にとっては安心なのでは…病院の生活は安全でケアも行き届き、ましてや高齢になって退院してもひとり暮らしは苦労の連続…果たしてそうでしょうか。病院での生活は、決して快適なものではありません。不自由でプライバシーはなく、管理されて、忖度して…暴力は後をたちません。預金からお金を盗られることも、性的虐待を受けることも珍しくありません。

 

それでも、一日中鍵のかかった病棟の中では助けを呼ぶことはたいへんむずかしく、電話をかけるテレホンカードも手元にありません。

 

 

 

なぜ、クラウドファンディングをやるのか


精神科病院のかかえる数々の問題の中でも「閉鎖性」「密室性」は、偏見や差別を助長し、問題をより複雑にし、社会からの「隔絶」をいっそう深刻にしています。これは精神科病院で働くスタッフの問題ではなく、病院の構造や治療に対する文化を変えることが解消につながります。

精神科の内部がもっと情報公開されたら、入院している人への暴力や人権侵害に歯止めをかけることになる!精神科病院のありのままを第三者がレポートすることで入院中の方にも、病院を探している人も、「安心してかかれる精神医療」を自分で決めることができます。

 


私たちは大阪府下の精神科病院を訪問し、一冊の報告書にまとめました。この報告書を大阪だけではないたくさんの人に届けたいと思い、このプロジェクトを企画しました。精神科病院の「閉鎖性」「密室性」に大きな風穴を開け、精神科病院の構造そのものに変化を起こす風を入れたい。全ては人間として当たり前の権利のために。


皆様からのご支援で、病院訪問報告書「大阪精神科病院ありのまま『扉よ開け⑧』」を1500部印刷します。A4サイズ250ページ程度になる予定です。ご支援して頂いた方だけではなく、ご指定の場所へもお届けします。

 

「扉よひらけ」は、おおむね5年ごとに最新版が発行されます。大阪府内には約60カ所の精神科病院があり、1巡するのが5年です。毎月1カ所の病院を訪問、レポートにまとめて病院、地域、行政、当事者団体も参加する検討会を行い、報告書として発行します。

 


本年度は新型コロナウイルスの影響により、面会活動/訪問活動は中止となりました。会費・寄付が減少する半面、全国より精神科に入院中の方からの電話相談増加しました。入院中の方への相談活動の重要性を強く感じ、クラウドファンディングも活用して、相談活動を全国に広げるための財政基盤を固める必要があります。ピンチをチャンスに。私たちの合言葉は「できない100の理由ではなく、できるひとつの方法論」です。

 

このプロジェクトは、報告書の発行だけが目的ではなく、全国に「人権センター」を設立するための出会いを届けることも目指します。

 

 

私たちが今後目指していること

 

私たちの活動は、入院中の方に「権利があることを伝える」ことです。それは大阪の私たちだけでは限られた方にしか実現できません。この活動を多くの地域に広げることができれば、日本中の精神科病院で長く生活している人が、街で暮らすことへの希望を取り戻すことができます。事実、大阪での活動では、退院につながった、または退院に向けて病院スタッフの関わりが再開しています。

 

その始まりは「あなたには、退院する権利がある」と伝えることや、電話相談で受けた「面会に来てほしい」という一言です。

 


また、入院中の方だけでなく、病院スタッフもまた権利を侵害されながら仕事をしていることについて、私たちの活動に参加しながら気が付いて行くこともあります。


この活動を行っているのは、現在大阪だけですが、全国で必要とされているものです。「扉よひらけ⑧」を受け取ってもらうことで、私たちを知ってもらうことが第一歩。もう一歩進んで参加してもらう、さらに踏み出していろんな地域に人権センターを設立していただくために共に伴走できるよう、私たちの活動を継続していきたいと思います。


自分のことを自分で決める権利は、誰もが普通にもつ基本的人権です。そのためには情報が必要です。

 

 


本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するリターンの条件詳細については、リンク先(https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix)の「リターンに関するご留意事項」をご確認ください。

 

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プロフィール

精神医療および社会生活における精神障害者の人権を擁護する活動を行い、精神障害者に対する社会の理解を促進し、障害の有無にかかわらず、人間が安心して暮らせる社会に一歩でも前進させるべく貢献することを目的としています。

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リターン

2,000


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「扉よひらけ⑧」電子版1冊

・「扉よひらけ⑧」 電子版1冊

支援者
22人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年12月

2,500


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「扉よひらけ⑧」 紙媒体1冊

・「扉よひらけ⑧」紙媒体1冊(通常版)

支援者
61人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年12月

10,000


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拡げよう支援の輪

・お礼のメール
・活動報告
・「扉よひらけ⑧」紙媒体2冊
・センターの特設ページにご支援者のお名前を掲載(ご希望の方のみ)
・完成報告会(オンライン)へのご参加 1名

※完成報告会では、訪問先病院の「積極的な取り組み」や「扉よひらけ⑧」には載せきれなかった活動参加者の思いや裏話をお伝えします。
※完成報告会は、2021年1月に開催予定です。

支援者
79人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年12月

50,000


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ゴールドスポンサーコース

・お礼のメール
・活動報告
・「扉よひらけ⑧」紙媒体5冊
・センターの特設ページにご支援者のお名前とメッセージ200文字まで掲載
・完成報告会(オンライン)へのご参加 3名まで

※特設ページに掲載するお名前およびメッセージについては、別途ご連絡差し上げます。
※完成報告会では、訪問先病院の「積極的な取り組み」や「扉よひらけ⑧」には載せきれなかった活動参加者の思いや裏話をお伝えします。
※完成報告会は、2021年1月に開催予定です。

支援者
13人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年12月

100,000


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プラチナスポンサーコース

・お礼のメール
・活動報告
・「扉よひらけ⑧」紙媒体10冊
・完成報告会(オンライン)へのご参加 5名まで
・センターの特設ページにご支援者のお名前とメッセージ200文字まで掲載
・当センターメンバーが当センターの活動への思いをインタビューさせていただきます。思いをおきかせください。希望に応じて広報媒体で紹介させていただきます。

※特設ページに掲載するお名前およびメッセージについては、別途ご連絡差し上げます。
※完成報告会では、訪問先病院の「積極的な取り組み」や「扉よひらけ⑧」には載せきれなかった活動参加者の思いや裏話をお伝えします。
※完成報告会は、2021年1月に開催予定です。
※インタビュー期間:2020年12月〜2021年11月
※インタビュー方法、日程は別途ご相談させていただきます。
※ご支援者の元へ出張する場合は、交通費は別途ご負担いただきます。

支援者
6人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年12月

プロフィール

精神医療および社会生活における精神障害者の人権を擁護する活動を行い、精神障害者に対する社会の理解を促進し、障害の有無にかかわらず、人間が安心して暮らせる社会に一歩でも前進させるべく貢献することを目的としています。

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