崩れた『前蔵（まえぐら）』から少しずつ。　　　2月29日

毎日毎日、たくさんの方々から頂いているご支援に心より感謝を申し上げます。
本当にありがとうございます。

また、心温まる励ましのメッセージは一つ一つ拝見させていただいています。
個別にお返事を返し出来るまで今しばらくお時間ください。
心苦しい限りですが、どうかご容赦ください。

先回ご報告させて頂きました美山きときとき隊の方々が中心となり
がれきの撤去と、崩れた家屋の中から生活用品や器達を救出しております。

今まで中に入ることが出来なかった前蔵にもようやく手が入るようになりました。

とはいっても、つぶれた屋根の隙間から少しずつなのですが。
流石に堅牢な輪島の漆器も、上から落ちてきた屋根や梁などの相当な重量には耐えられずに
破損しているものも多く、壊れた器などを見る度に心が痛みます。

それでも、私どもも今まで見たことの無かった大崎家の歴史を綴った書簡や
先代や先々代の時代に作られたものも数多く出てきました。

無傷で救出できた漆器は何も劣化することなく、ほこりを払っただけでも美しい艶を保っていて
保管する条件さえ整っていれば本当に長持ちするものだと実感しております。

ここのところ冬の輪島特有のお天気が続いておりまして
連日冷たい雨や雪が降っております。

屋根が飛んでしまった後蔵の土壁は、水分を含んで外側へ膨らんでしまいました。
中に入れるのはまだ時間がかかりそうです。

大崎四郎・悦子　2月29日