対話の場から、自分らしく生きるオトナのセナカを増やしたい！

★★ オトナノセナカ から感謝をこめてX'masプレゼント★★

まさに制作途中冊子から、５つのものがたりのうち、１つを贈ります。

たいせつな人に、読んであげて下さい。年長さん以降なら、お子さんにも、ぜひ。

もちろん、１人でゆっくりよむのもおすすめです。

２０１１年のクリスマスに生まれてから、ずっと大切にしているお話です。
　　

 

      　　　　　  きみの１番ほしいもの

 

これは、　ちょっぴり　へそまがりの　サンタクロースのおはなしです。

そのサンタクロースのおじいさんの名前は　サンタロー。

ことしも　クリスマスが　近づいて　来ました。

「よし！　下の世界に　行って来るとしよう！」

まっくらやみの中、そりを　走らせ

　サンタローは　人間たちの　住む　町まで　おりていきました。

１２月。

サンタクロースは毎年、　

こっそりとほしがっているものを　調べに　行くのです。

サンタローは　自分の　たんとうの　地域へ　向かいました。

そして、　手づくりの　カードをとり出しました。

カードには　こんなことが書いてあります。

 

『ハッピーメリークリスマス！きみの　ほんとうに　ほしいものは　なにかな？
なぜそれが　ほしいのか、　りゆうも教えておくれ。　　

サンタクロースのサンタローより。』

 

カードを　まくらのとなりに　そっと　おいて回ると、
そりを　走らせ　暗い空の　上へと　帰って行くのでした。

 

 

それから　何日かたった　ある日の夜。サンタローは、　

「そろそろ　いいじゃろう」

と、そりを走らせ人間たちの　ところへ　向かいました。

 

はじめの　おうちには　おとこの子が　眠って　いました。

カードには　ちょっぴり　らんぼうな字で　ほしいものが書かれていました。

『ほしいもの：新しいゲーム
りゆう：ゲームがだいすきです。ぜんぶクリアしてしまい、

つまらないので　新しいゲームをください』
 

つぎの　おうちには　おんなの子が　眠って　いました。

カードには　かわいらしい　字　で　ほしいもの　が　書かれていました。

『ほしいもの：１００点のテスト。
りゆう：お絵かきばかりしていて、ママはいつも怒ります。
テストで　もっといい点をとってねって言うからです。』

 

つぎのおうちには　お姉さんが　眠って　いました。
やさしい　字でほしいものが書いてありました。

『ほしいもの：きれいな　顔。
りゆう：じぶんの顔が　きらい。もっときれいになって、楽しくくらしたい』

 

つぎのおうちには　お父さんが　眠って　いました。
力づよい　字で　ほしいものが　書いてありました。

 

『ほしいもの：仕事をする時間。
りゆう：毎日　とっても　いそがしい。
たくさんの　仕事を　まかされているから、もっと時間がほしい』

カードに書かれた文字を　読み終わると　サンタローは　ニヤっと　笑い
そりを　走らせ　帰って行きました。

へそまがりの　サンタロー。
クリスマスの日までに、願いどおりのプレゼント　を　用意するのでしょうか？
 

 

 

１２月は　あっという間に　すぎていきました。　

つめたい風が　ふき、　吐く　息は　白くなり
町は　色とりどりの　イルミネーションで　いっぱいになりました。
いよいよ　今日は　クリスマスです！

 

「おいサンタロー！プレゼントはちゃんとそろえたか？」

サンタクロースのなかまに聞かれます。
すると　サンタロー　自信まんまんに答えました。

「あたりまえじゃ！ちゃんと　願いどおりの　ものを　用意しているさ」

 

夜　おそく。　しーんと　みんなが　ねしずまったころ。
サンタクロースたちはいっせいにそりを走らせ、それぞれの　家へと　向かいます。

サンタローはそーっとまどから部屋に入り、１人１人にプレゼントを　おくります。

そして　きまってこう　言いました。

「ハッピーメリークリスマス!」

 

 

じつは…
サンタロー、　カードにかいてあったとおりのプレゼントは　１つも　用意していませんでした。
さて、どうなってしまうのでしょうか？
 

 

 

クリスマスからしばらくたった１２月の終わり。

サンタローは　様子を見に　コソコソと　出かけて行きました。

 

はじめに聞こえてきたのは、テレビゲームをほしがった　おとこの子の　笑い声でした。

「いっくぞー！」

たくさんの　ともだちに　かこまれて　楽しそうに　サッカーを　しています。

「ふぉ・ふぉ・ふぉ！！
あのおとこの子に　おくったものは　サッカーボールじゃ。
じゃが、ほんとうのおくりものは　「ともだち」　じゃ。
たくさん　動いて　たくさん　笑う。こどもは　あそびがなにより　大事じゃ！」
　

つぎに　聞こえてきたのは
　１００点の　テストをほしがった　おんなの子の　笑い声でした。

「ママ、見て見て!」

じょうずに　かけた　絵　を　うれしそうに　お母さんに　見せていました。

 

「ふぉ・ふぉ・ふぉ！

あのおんなの子に　おくったものは　学校でかいた　絵　の　金賞じゃ！
じゃが、ほんとうのおくりものは　「絵をかく時間」。
ほんとうに　やりたいことを　やるための　時間じゃ。
お母さんも　ようやく　むすめの　才能に　気づいたようじゃな」

 

つぎに　聞こえてきたのは　
きれいな　顔　を　ほしがった　お姉さんの　笑い声でした。

「お待たせ！」

どうやら　デートの待あわせの　ようです。

「ふぉ・ふぉ・ふぉ！！
あのお姉さんに　おくったものは　あの恋人　との　出会いじゃ。

じゃが、ほんとうのおくりものは　「自信」　じゃ。
今のまんまで、あの子はしあわせになれる。
自分を好きになれたとき、人生は動きだすんじゃ」


さいごに　聞こえてきたのは　仕事を　する時間を　
ほしがった　お父さん　の
笑い声でした。

「ほら!もう　食べられるぞ」
家族と　部屋で　おなべを食べるところです。

「ふぉ・ふぉ・ふぉ！！

あのお父さんに　おくったものは　仕事の　失敗じゃ。

失敗をして、任される仕事がへってしまったんじゃ。
じゃがな、ほんとうのおくりものは　

「家族と過ごす　時間」　なんじゃ。

いそがしいだけの　毎日なんて、もったいない！
たいせつな人たちを　たいせつにする時間があってこそ　がんばることが　楽しくなるんじゃ。」

 

サンタローは　うでをくみ、大きな声で　ため息を　つきました。

「まーったく!人間ってのは！　

自分に　なにが　ほんとうに　必要なのか　なかなか気づかん。
困ったもんじゃ。クリスマスは、ハッピーじゃなきゃいかん。」

まんぞくそうに　ニッコリ　笑うと　サンタクロースの　国へ　帰って行きました。

 

 

サンタローは、へそまがり。

おとなに　だって　プレゼントを　あげてしまうし

おねがいされたものと　ちがうものを　あげてしまうし・・・

けれど　人間の　笑顔が　何より　大好きなんです。

さて　つぎに向かうのは　あなたの　家かもしれません。

 

「ハッピーメリークリスマス！」

　
【おしまい】


〜あなたのほしいものは、なんですか？〜

 

 

 

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クリスマスだけでなく・・素敵なまいにちをお過ごしください・・！


PS　ひとこと感想も募集中です！