石巻│障がいがある人と地域をつなぐセントラルキッチンの挑戦！

 

 

 

 

はじめまして、一般社団法人石巻グリーフサポート代表の木村直隆と申します。

 

私たちは東日本大震災で大きな被害のあった宮城県石巻市で大切な方を亡くされた方々に寄り添い、支え続けることを目的として、地元・石巻市でグリーフケアの活動をしています。

 

*グリーフケアとは、大きな喪失体験（家族との死別、災害等で住む場・働く場を失うなど）による精神的な苦痛を病気として捉えるのではなく、大きな変化があった後の自然な心の反応として感じられるように心理面・社会面でサポートすることをいいます。

 

石巻グリーフサポートは3年前に法人化し、障害者就労継続支援B型事業所「パーラー山と田んぼ」を開所しました。精神障害、知的障害、発達障害のある方々と「障がいがあってもなくても働きたくなる職場」をモットーにベーカリーカフェを運営。

 

 

 

 

山と田んぼには精神障害や知的障害を抱えた利用者さんが20名います。パン・お菓子づくりのほか、カフェ接客、調理補助、レジ打ち、店舗レイアウト、メール便の配達、ポスティング、部材組み立てなど本人が「やりたい！、やってみたい！」と思ったことに日々チャレンジしていて、私たちはここ石巻で福祉版のキッザニアを目指しています。

 

最近では、「森のキャビア」という名前の惣菜の製造をしており、おかげさまで大変好評を得ております。今年行われた「新東北みやげコンテスト」では東北6県より273品目出品された中から上位8品に選んでいただき「お取り寄せ特別賞」を受賞しました。利用者さんも毎日真剣にそして心を込めて作業をしています。

 

 

 

 

 

今後、販売量、販路も増やしていきたいと考えていますが、「まず挑戦してみよう」と思って始めたものなので、現在は別の事業所のキッチンを借りている状態です。

 

そこで今回は、本格的に私たちの作業場として使えるキッチンを設置する費用を集めるため、クラウドファンディングに挑戦することにしました。

 

このキッチンは障害をもつ利用者さんと私たちの架け橋にしたいと思いますので、是非ご支援をよろしくお願いいたします！

 

 

 

元々、私は石巻市に本社を置く映像制作会社（勤務先は主に仙台市）で撮影・編集の仕事に携わる会社員でした。

 

震災当日は一晩、仙台の事務所で眠れぬ夜を過ごし、次の日、自宅のある石巻の被災状況に愕然としました。映像関係の仕事をしていた事で石巻市、東松島市、女川町全域の被災状況を詳細に知る事になりました。生きているということが当たりじゃないと実感する大きな出来事でした。

 

被災してからも映像の仕事をとおして何かできることがないかと思い、2011年5月頃から水没でダメになった写真の修復・データ変換のボランティアをしてきました。

 

それからお子様を亡くされたご家族にその子へのお手紙を書いてもらい、生きた証としてのムービーを制作する活動「スマイルアゲインプロジェクト」を開始。私の活動の原点です。

 

 

活動の中で、震災でご家族を亡くされて悲しみに暮れている方々も普段は普通に生活されていますが、震災で大きな被害のあったこの地域では、見た目では分からない辛さや不安な気持ちを抱えた方々がたくさんいると感じました。

 

様々な喪失体験による精神的苦痛や悩みは“心の反応”であって病気ではないですが、一人でその悩み苦痛を抱えることはとても辛いことです。

 

 

対処療法的な対応ではなく、本質的な心のケアの必要性を感じた私は次第に精神保健を学びたいという想いが募っていき、大学に進学することにしました。

 

生きづらさの背景には、被災体験、死別喪失などのトラウマ、いじめなどの心の傷が原因にあると考えられていますが学びをとおして、心のケアやサポートが必要な人は被災者に限らず、障がいのある方々、そのご家族も含めて震災の前から地域にたくさんいることが「見える」ようになってきました。

 

そして、これをきっかけに私は障害者福祉への関心も高くなっていきました。

 

 

そして、東日本大震災の翌々年、私は約10年勤めた映像制作会社を退職し、社会福祉法人矢本愛育会運営の地域活動支援センターで働き始め、障害福祉の現場を初めて体験しました。

 

実際に相談員として働いて感じたことは、相談する行為自体への敷居の高さです。

 

「気軽に相談してください」と言っても、悩みを抱えた当事者やご家族は気軽に相談できるほど余裕がありません。

 

ずっと我慢をして、極限に達した末、どうしようもなくなって初めて相談に来る方が多いと感じました。

 

 

 

たくさんの利用者さんと出会う中で、もっと早くに繋がっていればと思うことが多く、地域で気軽に相談できる場所があれば...と思った私は何かのついでに相談できるカフェを作ることにしました。

 

なぜカフェかというと、コーヒーを飲みに来たついでに、お菓子を買いに来たついでに気軽な気持ちで相談、お話が出来ると考えたからです。

 

このカフェは障害者就労支援事業所として運営することにしました。私が働いていた当時、事業所の作業種（職種）は主に農業、ごみのリサイクル、軽作業が多く、特に若い人、女性が好んで働きたいと思えるところがないと感じました。

 

障害の有無に関係なく働きたいと思ってもらえるようなおしゃれなカフェ、焼き立てのいい香りのするパン屋さん、憧れのパティシエ…から発想を得ました。

 

 

利用者さんは「山と田んぼ」で働くことが楽しみで、お休みの日をとても残念がっています。

 

休みの日も新商品のことやイベントについて考えてくれていることを聞くと、本当にありがたい気持ちになります。またご家族の方からは「お店で家族の働いている様子を見てすごくうれしかった」「ちょっと不安に思っていたことを相談できて安心した」などのお言葉をいただいています。

 

未就学の障害児を持つお母さんに見学いただいたときには、「こんな素敵なところで働けたら本当に幸せだろうな。山たんでお仕事できることを目標にします」とのお言葉をいただき、山と田んぼを開所してよかったなと感じました。

 

 

一方で、障害者就労支援事業所では生産している農産物の一部が市場に出ることなく廃棄されることは珍しくありません。

 

そこで、少しでも利用者さんにスポットライトが当たる何かいい方法はないか？と考え、ある商品を開発することにしました。

 

それが「森のキャビア」です。

 

 

東松島市の障害者就労継続支援B型事業所「ぎんの星」ではシイタケを栽培していますが、栽培する過程で他のシイタケを大きく形の良いものにするために間引きしています。

 

その間引きされた小さなシイタケ一つひとつの石づきを取り、ひとつの無駄も出さずに収穫していたのを思い出した私は約2年前、石巻市六次化センターのご支援をいただき、規格外の小さなちびシイタケを主原料とした商品を誕生させることに成功しました。

 

 

商品名は『森のキャビア』。ちびシイタケのサイズや形を揃えて製造したブランドです。

 

人手と手間のかかる作業ですが、規格外のジャガイモをスープやサラダにしてパーラー山と田んぼで提供したり、傷物のカボチャをプリンやケーキに加工したり、福祉事業所で在庫過多になっていたニンニクの皮をむき、飲食店様に買取ってもらったり、私たちが得意としている「手作業でのひと手間」をかけることで付加価値を付けた形で提供する事。私たちだからできたことだと思っています。

 

そして、これからは今までの経験を活かし、福祉事業所のみならず、こうした規格外の農作物を地域の飲食店さまや食卓に届けたいと考えています。ただ、加工品を製造するにはそうざい製造業許可が必要であり、それ相応の環境が必要になってきます（現在、近くのそうざい製造所を間借りしています）。

 

そこで、作業所内にセントラルキッチンを設け、加工品等を製造したいと思いプロジェクトを立ち上げました。将来的にはお弁当やお惣菜の製造・販売も予定しています。

 

今回は、皆さまからセントラルキッチンの設置費用をご支援いただければと思います。

 

「山と田んぼ」でできる範囲を拡大していき、利用者さんの工賃も今よりアップさせ、豊かな自立に向けた取り組みとして拡充していきたいと思っています。。

 

 

 

現状、こうした地域に開かれた障害者支援事業所はまだまだ少ないです。地域のおいしいパンやお菓子をきっかけとして、小さなことでも障害福祉、心の健康に興味を持ってもらえたら幸いです。

 

また、利用者さんにとって働くことは、収入を得るだけでなく、社会とつながりを持ち、日々の生活に張りを出す、言わば孤立させない意味を持っています。地域に居場所があれば、対人関係の経験を積むことができ、社会の一員としての実感も得られます。こうした積み重ねが一般就労への道につながるのです。

 

 

 

「山と田んぼ」は自分たちでしかできないこと、自分たちが得意としていることを仕事の核とし、障害者福祉事業所だからこその利点を最大限に活かし、より多く地域との接点をつくっていきたいと思います。

 

今回のプロジェクトはそんな未来への一歩。セントラルキッチンから誕生した商品をきっかけに、障害福祉に貢献できたり、不安や悩みを気軽に相談できたり、そんな障がいの有無に関係なく、共に助け合う場ができたら幸いです。

 

障がいのある方が住みやすい、いろいろなことにチャレンジしやすい、悩みや不安を表現しやすい石巻を皆さんと一緒に作っていけたらと思いますので、温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします！

 

 

 

■　森のキャビア（新東北みやげコンテストお取り寄せ特別賞受賞）

間引きしたちびシイタケを使用した加工品です。バルサミコ酢で味付けしたシイタケをオリーブオイル漬けにしています。チーズやパンにのせたり、パスタ、サラダにもよく合います。

 

■　無添加つきみちドレッシング

完全無添加の野菜をたっぷり使ったドレッシングです。生野菜サラダはもちろんお刺身、焼うどんのタレとしてもおいしく召し上がれます。

 

■　ヨーグルトシュガー

ヨーグルト専用のフレーバーシュガーです。顆粒の甜菜糖とドライフルーツで手軽にフルーツヨーグルトを召し上がれます。「アップル＆バナナ」「アップル＆パイン」「アップル＆いちぢく」の3種類の中から1種類をお届けいたします。

 

■　野菜のスウィーツ（おまかせ）

季節の野菜スウィーツ「ベジたん（焼き菓子）」をお送りいたします。内容はおまかせになります。

 

■　「山と田んぼ」オリジナルドリップパックコーヒー10袋

 

■　焼き菓子詰め合わせ

 

 

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※本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関する条件の詳細については、リンク先（https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix）の「リターンに関するご留意事項」をご確認ください。

 

※2021年06月30日(水)までにセントラルキッチンを設置したことをもってプロジェクト完了となります。

 

※新たに設置するセントラルキッチンについては、「そうざい製造業許可」を令和３年６月までに取得予定です。