【レポート】カワイ表参道 ピティナ特級2024入賞者コンサート＆大切なお知らせ

2025年7月1日（火）、カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」にて、2025年の特級入賞者による「2024年度ピティナ特級入賞者コンサート」が開催されました。
翌年の特級開幕が間近に迫るこの時期に、前年の入賞者たちが1年の成長を披露する本演奏会は、今や恒例の“特級の風物詩”ともいえるコンサートです。

 

出演は、2024年度グランプリの南杏佳さん、銀賞の山本悠流さん、銅賞の塩﨑基央さん。受賞後の経験を経て、各々が次を見据えて取り組むレパートリーを披露し、たいへん聴きごたえのある一夜となりました。

 

 

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《プログラム》

【塩﨑 基央】
ブラームス：4つの小品 第1番「間奏曲」Op.119-1
ドビュッシー：前奏曲集 第1集 第7番《西風の見たもの》
プロコフィエフ：風刺（サルカズム）Op.17
リャプノフ：12の超絶技巧練習曲 第10番《レズギンカ》

 

 

“ファから始まる曲だけを選んだ”という塩﨑さんならではの選曲。ドイツ・フランス・ロシアと異なる音楽語法の中に通底する「音の出発点」を見出すという着眼点が光りました。多彩な響きと大胆な構成力で聴衆を引き込みつつ、SNSや自主公演など様々な活動と並行して音楽を深め続けている今の姿が投影されたような、熱量のあるステージでした。

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【山本 悠流】
デュカス：ハイドンの名による悲歌的前奏曲
ラヴェル：クープランの墓

 

 

2曲とも“追悼”をテーマに書かれた作品ながら、どちらも決して暗く沈まず、音楽の中に「希望」や「生の肯定」が宿る名作です。
演奏を通じて、音楽の内面にある精神性を丁寧にすくい取る山本さんの姿勢が印象的でした。特級入賞後に室内楽や全国での演奏、また様々なコンクールへの挑戦など幅広い経験を重ねた彼の演奏は、より深い表現力を感じさせるものでした。

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【南 杏佳】
ラモー：新クラヴサン組曲集 第1番より《ガヴォットと6つの変奏》
ブラームス：3つの間奏曲 Op.117-1
メンデルスゾーン：厳格な変奏曲 Op.54

 

南さんは、チェンバロ曲の解釈をグランドピアノで探る試みや、敬愛する師の得意曲と、演奏家としての原点や記憶と向き合うようなプログラム構成でした。
この1年、全国での演奏を通じて初心に立ち返り、改めて音楽への愛と覚悟を再確認できたと語る南さん。そんな思いが、ステージ上の音にもにじんでいました。

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そして最後に３人からのサプライズ！

アンコールでは、3人による【6手連弾】ラフマニノフ《6つの小品》Op.11より第5曲「ロマンス」が披露されました。

 

急遽決まったこの日限りのサプライズ。舞台上に3人が並んでひとつの音楽を奏でる姿に、この1年間のそれぞれの歩みと、共に過ごしてきた時間のあたたかさが重なり、会場には自然と笑顔が広がりました。

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特級から羽ばたいて1年。それぞれが違う環境・異なる方法で音楽と向き合いながら、確かな歩みを重ねてきたことが伝わってくる演奏会となりました。
“特級”が一つの到達点であると同時に、それぞれの音楽人生が始まる出発点であることを、今年もまた感じさせてくれる、豊かな時間でした。

 

 

そして――またここから、特級2025が始まります。
この日のステージで、2024年の物語はひとつの節目を迎え、次なる挑戦者たちへとバトンが渡されました。
今年はどんな音楽家が現れ、どんなドラマが生まれるのでしょうか。
新たな特級の季節、どうぞあたたかく見守り、応援してください。

 

１年間、応援いただきありがとうございました。これからもよろしくお願いします！

 

 

【大切なお知らせ】特級2025クラウドファンディングが始まります

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▼詳細・ご支援方法はこちらからご覧いただけます。

https://readyfor.jp/projects/ptna_tokkyu_2025

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ピティナでは、今年もピアニストを共に応援するため特級クラウドファンディングに挑戦いたします。
これまで2021年から毎夏の特級クラウドファンディングを行って参りました。「オンライン聴衆賞」でみなさんで共に応援し、二次からファイナルまで全ラウンドのライブ配信でピアニストの演奏をお届けし、また、コンクール後は、全国へ派遣し「特級の音色」を届けました。
各地で笑顔で迎えられ生の交流が実現することは、その後の若きピアニストたちの大きな励みになります。
ぜひこのプロジェクトにご賛同いただき、応援の輪に加わっていただければ幸いです。
引き続きの応援をどうぞ、よろしくお願いいたします。