「死」を覚悟した経験〜理想の施設を未来に残したい思い〜

僕はもともと血管奇形の状態で生まれ、首に青いアザを持っていました。

 

それは、心拍数が上がったり頭を首よりも下に下げると首の血管に血が溜まって膨れ上がってしまい、痛みを伴うものでした。

 

いろんな病院で診てもらっても原因や治療法がわからず、痛みとうまく付き合っていくしかありませんでした。

 

30代半ばに、右顔面と首が常に痛むようになってしまい、「これはいよいよまずい…！」と本格的にいくつも大学病院に行きました。

 

そこで唯一、近大病院の放射線科で「硬化療法によって治るかも」ということがわかりました。

 

過去に前例がない首の治療だったらしく、実験台のような扱いになり、手術費は全額免除となりました。死を覚悟する同意書を書いたときには、母が涙をこぼしながら「丈夫に産んであげられなくてごめん」と言ってたことを覚えています。

 幸いにも、手術は成功して、僕は今でも生きています。

 

しかしどうでしょう？　

 

僕が受けた治療法の硬化療法。
まず人にする前に動物たちに試されているのではないでしょうか？

僕の命と引き換えに何頭の動物が犠牲になったのか。

それだけではありません。

風邪薬、解熱剤、ワクチン、痛み止め。

僕の命は多くの犠牲の上に成り立っています。

 

謝っても彼らには届きません。

すでに動物の犠牲の上に生きながらえているという事実は消せないんですよ。

この経験により、命のことをより深く考えるようになりました。

 

生きていることが当たり前なんて決してない。

 

せめて俺の残りの人生は動物達に恩返しがしたい、動物たちにあげたいと本気で思うようになりました。