第４回「路上文学賞」を開催したい！

第３回路上文学賞の大賞受賞者・鳥居さんに表現することをテーマに文章を頂きました。

彼女の独特な感性を是非感じて頂ければと思います。またこの文章をきっかけに、新たな作家が生まれることを実行委員会一同楽しみにしています。

鳥居（詩人・作家）

【受賞歴】

平成24年　現代歌人協会　全国短歌大会　佳作　 （穂村弘選）

平成25年　路上文学賞　大賞

平成26年　中城ふみ子賞　候補作

詳細なプロフィール等はホームページ、ツイッターを御覧下さい。

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私にとって　芸術だけが　唯一の居場所であり、友だちでした

いつも死にたいと思っていたけど
将来　まだ生きているとしたら　美術作家になりたいと思いました
だから　懸命に（指が曲がってしまうまで）作品をつくっていた　時期もありました

だけど　当時、二人暮らしをしていた　祖母の介護や
生活費の請求などが　押し寄せて
休憩なしの１２時間労働も　食費削減のために　３日食事をとらないことも
だんだんと　当たり前になり

もう　自分の命や
やりたいことや　夢なんか
望んでいられるような　そんな日常は　どこにもなくて
介護を必要とする祖母は　家で糞尿を垂らし
１６才当時の私は　命を削るように働いていました

（どうして）

働いても　働いても 貧乏なのか
こんな目に遭っているのか
学びたいことが 学べないのか


薄暗い　開店前の八百屋で　
黙々と　かぼちゃを陳列しながら
そこに、クリムトの金色を　私は　視ました


“ 人生は戦いなり ”

『　命を繋ぎとめ　死なずに　生きながらえている　それは、　誰のおかげなんだ　』

それは　間違いなく　芸術のおかげでした


老いて醜くなれば、女の値打ちは下がり
一度成功した会社も、倒産し
ちやほやされた芸能人も、すぐにいなくなる

時代は変わり　人も変わり
信じられるものが　在るかどうかも　わからない

「それでも　この世界は」

見下され　差別され　排除され　人権もなく
それでも

「それでも　この世界は」

思いたかった

鄒弱＠縺九▲縺�

そう　思いたかった

思いたかったです

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私は　今　短歌をつくっています
どうしてなのか　わからないです

ろくに小学校の教育すら　受けていないので
文字の読み書きは　独学です

だから　
難しい漢字や　古い言葉を見ると　暗号を眺めているように気持ちになります

こんなに短歌は難しいのかと
ハードルの高さと
つくづく　自分がマイナスからのスタートであることを　痛感します

もしも　苦労した先に　じつは、何にもなくて
殺風景な景色しかなくて

「こんなことの為に頑張ってきたわけじゃない」
「すべては無駄だった。」と　思い知ったとしても

それでも

「苦しいなら書かなくていいんだよ。」と言われることは
そのまま
「苦しいなら生きなくていいんだよ。」と言われているようで




長い歴史のなかで
色々な人が　色々な場面で
必死に　試行錯誤しながら　何かを、残そうとしたように

私の苦しんだ軌跡が　誰かの役に立つでしょうか
私にも　何かを残すことが できるでしょうか

孤島で　瓶に手紙を詰めて　海へ流すように
たとえ私の死んだ後でも　
その１００年後でも いいから
誰かが　私を　見つけてくれることを　祈っています

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※ご本人のご意向により、意図的に文字化けさせている箇所があります。