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一家族から写す中国朝鮮民族の「今」。映画『血筋』劇場公開へ

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支援総額

310,000

目標金額 1,000,000円

支援者
25人
募集終了日
2019年11月12日

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2019年10月18日 15:36

③【僕らは幸せの缶詰売り≪山賀博之さん≫】(残㉕日)

 

 

 

二回目は山賀博之さんにインタビュー。

大ヒットアニメ『エヴァンゲリオン』で知られる、アニメ会社GAINAXの代表取締役社長で、映画監督・脚本家・演出家である。

 

僕たちの出会いは、山賀さんが僕のバイト先を偶然訪れたことがきっかけだ。ご縁あって『ソクラテス』という酒場で山賀さんと飲みながら、雑談していたことがきっかけでこの映画製作が始まった。(『ソクラテス』はいつも魔術的な確率で何かを引き寄せる。)

 

 

 

作品との関わりから、ひいては「映画を作る」ということについて伺った。

 

 

(写真)山賀さん。コスプレの意味は特に無い。

 

 

酒場での雑談から始まったこの作品が遂に劇場公開目前となりました。一部始終を見ていてどう思いました?

 

 

 「面白い被写体がいて、撮ったら映画になると思うんですよ」って撮りに行って、実際その通りになったのは凄いなと思った。

 持って来たラッシュ¹を観たら本当に面白いんだよね。登場人物全員—『父』、『叔父』、『酒場のオジサン』ー全員が面白い。普通そういうケースってあまり無いよね。

 

 もちろんあなたの運やセンスという’’調味料’’も入ってるんだろうけど、普通の人を普通に撮っているだけで面白いというのは予想外だった。世の中って意外と面白いかもしれない…そんな発見があった。

 

 俺はアニメ屋で、アニメは何も無いところに一から何かを作る作業だから、余計にそう思った。

 

¹ラッシュ:編集前のテープのこと

 

〇作品に関して言えば被写体には本当に恵まれてたと思います。運が良かった。でも人間って誰でもじっと眺めていると、わりと面白いものなんです(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画を作ること、生きること。

 

 

 映画を作る人って大半が映画好きで自分も「映画ごっこ」を楽しみたいから作る。でも俺は一緒に「映画ごっこ」を楽しめない。

 

 自分にとって映画を作ることは、「現実」と自分で拵えた「虚構」が、生きてることとリンクしてることなんだよ。結果的にそれがお金を生んだり、世の中を変えたり、人に影響を与えたりしてるけど、それは息をしているような自然な流れの延長上にあるもので、意図的になってしまうとつまらなくなる。

 

 

 

うーん…(どういうこと??)

 

 「映画ごっこ」は、生きていることと映画を作ることが分離しているように見える。他人が拵えた「虚構」に自分を合わせに行ってる。例えば黒澤明に憧れてその残影をずっと追って映画を作ってるみたいな…その心情を理解しようとしたけど出来なかった。

 一緒になって普通の事を普通に楽しめないかなと試みたりして、普通に憧れたりしたけれど、自分には結局無理だった。でもそれを楽しめる人が圧倒的多数ではある。


 

 

制作当初から『血筋』に関しては絶対的な「確信」がありました。それが「映画ごっこ」かどうかはわかりませんが。

 

 その「確信」だよ。映画のために生きるのか、生きてるから映画があるのか、わからない状態。「確信」という現実ど真ん中の事実が「虚構」という作りものになる、絶対いける!と思ったのは、まさに「現実」と「虚構」がリンクしてるということだよ。


 

 「虚構」って自分の「我」の現れであり、「現実」もまた自分だけれど外からの刺激でもある。これが一致するというのはある種の宗教的な世界であって、ニルヴァーナのような喜びだよね。人ってどこかで現実と(理想的な)妄想が一致してほしいなあって思うじゃない?


 

ただ継続は難しいかもしれないですね。

 

 そこだよね。意識って時空の連続体でしか捉えられない。要するに空間と時間の連続性の中に因果があって、意識によって認識し評価していくわけだけど、それは時間進行を伴う。でももしも幸福が一瞬一瞬の内にあるなら、意識によって幸福を認識することは一生できない。何故なら意識は一瞬をゆるさないからね。

(写真)図解するとこういう感じかな。

 

 

 

 

 

「確信」について確信が持てなくなるということですね(笑)。よくあります。不確かな手ごたえもありつつ、幻を見たような気持ちもある。

 

 もしつい昨日は幻を見たならば、今日はどうなんだ?ってなるよね。例えば10年前、ある一瞬凄く幸福に感じたなら、じゃ今までの10年間はどうだったんだ? 幸福じゃなかったのか?って話になる。

 幸福…あるいは幸福であるかどうかさえ定義づけ出来ない類のもの、涅槃のような世界が、もしもあるのだとしたら、生きることはそのマッチングなのか、或いは全体のバランスをとることなのか…? 多分死ぬまでずっと考えていくことだろうね。

 

 一瞬の幸福を、連続体である意識で捉えようとすると、それは矛盾した作業であるからどうしても宗教的になってしまう。でも宗教的な表現を使わず表現するんだとしたら、やっぱり「映画を作る」という言葉に集約されると思う。


 

 お客さんも同じじゃないかな? あなたが得た「確信」をお客さんも体験してみたいんだよ。他人が作ってる作品ってどこかそのエキスが凝縮されていて、自分の現実とは違うからこそ現実から離れてよりピュアに味わえる。

 映画に限らず創作物全般がそうだと思うよ。だからみんな作品にお金を払う。悩みはみな同じで、現実と想像の自分との相性の悪さに苦しんでいる。作品を体験することで相性の悪さの回避を期待してる。「ハイ」ってお金さえ渡せば、凄く単純化された缶詰状態の「確信」、つまり映画『血筋』を観れるわけだからね。


 

それもまた「一瞬」のうちに消えてしまうわけだけど…。

 

そうだね。中毒性があるよね(笑)。

 

 

書いたものを読み返したが、あまりにも難しいなあと思った。

わかりやすく書いたつもりではあるが、抽象的すぎるテーマなので限界があった。

そこで僕なりに全体を物語にしてみた。

言葉で語れない論理は、いっそのこと物語にしてしまうのに限る。

.

.

.

僕は「幸せ」の缶詰売りだ。

 

「幸せ」を見つけてきては、食べやすくカットし、手に取りやすいように缶詰にしてはあなたの前に提供する。

 だが加工されたそれはあまりにも繊細で儚いので、缶切りでギコギコと開け始めたときから、少しずつ蒸発して無くなってしまう

だから急いで食べなくてはならない。皿に盛り付けているひまなどないのだ。

 

 

 満を持してあなたはそれを口へ運ぶ。だが「幸せ」はあなたに噛みしめる隙さえ与えない。味覚で味わう前に風味となってしまい、食べたかどうかさえ疑うくらい仄かな香りが残るばかりである。

香りを反芻しようとすればするほど、忘却という濁流を前に無力さを感じる。

 

「果たして今のは『幸せ』だったのか? じゃなければ一体何だったんだ?」

 

苛立ちと落胆と共に、あなたはふと思い出す。

あぁ…「幸せ」とは確かにそんなものだったかもしれないなあ…と。

 

 

 

そんな缶詰を提供できれば本望です。

 

 

 

文・インタビュー・物語:角田龍一

リターン

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上映招待券1枚+エンドロールにクレジット

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公開予定時期:2020年春以降

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