乳房再建手術ってどんなもの？どうなるの？経験者にきいてみよう

 

 

 

こんにちは。真水美佳と申します。私は2008年に両側乳がんの診断を受け、左温存、右全摘と同時に再建手術を受けました。突然の両側乳がん、しかも片側は全摘という診断に目の前が真っ暗になり、何も考えることができませんでした。胸を失いたくないばかりに、このまま何もせず天寿を全うしようと思い詰めました。

そんなときに「乳房再建手術」のことを知り、前向きに治療を受けることができ、その後写真家のアラーキーこと荒木経惟さんに出会い「いのちの乳房」という乳房再建経験者の写真集を出版しました。写真集をきっかけに2013年にNPO法人E-BeCを立ち上げ、東京および乳房再建の情報の少ない地方都市でのセミナー開催と「乳房再建手術Hand Book」の制作・発行、ウェブサイトから科学的根拠に基づいた情報を発信しています。

 

 

これまでセミナーを開催する中で、なかなか大勢が集まる場には参加しづらいという声や、周りにがんのことを知られたくないという思いから地元から離れた場所で参加しているという声が多くありました。

 

また、乳房再建を手掛ける形成外科医の方がいる中核都市でのみセミナーを実施してきましたが、遠方から来られる方もたくさんいらっしゃり、もっと多くの場所で、気軽に参加しやすいイベントを実施し、必要とされている方に正しい情報を届けることができたらと考えていました。

 

そこで2020年は、富山県南砺市、大分県大分市、北海道帯広市、愛媛県松山市の4つの都市で、少人数で乳房再建を経験された方と気軽にお話をすることができるイベント「スモールミーティング」の開催を考えています。

 

医師にはなかなか質問できないことも、同じ乳がん体験者同士で楽しくおしゃべりしながら何でも気軽に話せる・聞ける、そして同じ思いをしている人にも出会える、そんな場所を作りたい。今乳房再建自体を知らないより多くの乳がん患者さんへ認知を広めていき、体験者とお話をする機会をお届けできたらと思い、今回このイベントを開催するための費用を集めるクラウドファンディングの挑戦を決めました。温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

乳房再建手術は、乳がん手術によって損なわれた乳房の形を元に戻すために行う形成外科分野の手術です。（詳しくはこちら：NPO法人E-BeCのHPへ）

 

私自身が乳房再建手術を知ったのは担当医のお話からでした。しかし通っていた病院では乳房再建手術はやっておらず、受けたければ病院を探してくださいというお話になりました。それまではそんな手術が存在すること自体全く知りませんでした。

 

「胸を失いたくない、何もせずこのまま天寿を全うしよう」と思い詰めていた私。ようやく出会った現在の主治医の「きちんと、そしてきれいに治しますから心配いりませんよ」という一言にどれだけ救われたことでしょう。乳房再建に理解のあった乳腺外科医、そして形成外科医に、言葉にできないほどの安堵と感謝の気持ちがわきあがってきたことを、つい昨日のように覚えています。

 

 

一方で、病院を探すために乳房再建について自分で調べていたとき、出てきたのは手術を手掛けるお医者さんのブログ情報のみでした。乳房再建手術を受けてから、必要としている人はたくさんいるはずなのに、乳房再建の情報が少ない現状に改めてもどかしさを感じました。

 

乳房再建の情報を、必要としている方にもっと届けたい。そんな思いで当団体を立ち上げました。2013年の設立以来、地方の患者さんに乳房再建の正しい情報を届けるため、形成外科医のお話や乳房再建を経験された方の体験談を聞くことができるセミナーを全国で毎年開催してきました。地方の中核都市でかつ乳房再建を手掛ける形成外科医のいる都市という条件のもと、これまで北は北海道、南は沖縄の15都市を回りました。

 

 

 

 

 

しかし乳房再建医のいる都市は少なく、そのため乳房再建の情報を届けることができていない場所がまだまだたくさんあります。E-BeCのアンケート調査の中でも、参加者の地元での開催を望む声が多くありますが、乳房再建について詳しくお話をしていただける形成外科医がいないということで、なかなか候補地として検討することができませんでした。

一方で、セミナーを開催すると地元以外からの参加者が多いという現象もみられました。セミナーでたまたま顔見知りに会って自分ががん患者だと知られてしまうのが嫌だという思いから、地元とは離れた都市で開催されるセミナーにあえて参加される方も多くいらっしゃいます。100人規模の地元開催のセミナーへの参加は心理的なハードルが高く、地方都市のセミナーでは人が集まらないということもありました。

 

また、大規模なセミナーですと先生や乳房再建を経験された方に相談したいこと、聞きたいことがあっても聞くのに勇気がいったり、終わった後になかなか聞きにいきづらい・機会がないという声もありました。お医者さんには逆に相談しづらく、むしろ再建手術を経験された方ともっとお話したい、という意見も多くありました。

 

まだまだ日本では乳房再建がメジャーではない中、せっかく全国でイベントをやっていくなら、乳がんや乳房再建についての不安や悩みをもっと気軽に共有したり、解消できる場にしたい。そんな思いから、2020年は規模を小さくし、これまで開催することができなかった市町村で気軽に参加できる少人数セミナーイベント「スモールミーティング」を開催することに決めました。

 

 

 

 

 

 

2020年は、富山県南砺市、大分県大分市、北海道帯広市、愛媛県松山市の４つの地域で10～20名規模のスモールミーティングを開催します。各自治体や地元の患者会とも連携し、乳房再建を経験された方と気軽に楽しくおしゃべりをしながら乳房再建手術のこと、乳がん治療のこと、医師には聞けないけれど何かモヤモヤしていることなどについて、近い距離で気軽に相談できる集まりです。

 

各回2,3人の乳房再建経験者の方をお招きする予定です。さらにQOL（生活の質）向上のためのさまざまなお役立ちグッズの紹介とサンプル提供、実際に再建したお胸を見て触る体感会もコンテンツとして実施予定です。

 

 

好きなお茶やお菓子を持ってきて、リラックスして参加していただけたらと思います。医師にはもちろん、家族にもなかなか話せない自分の気持ち、乳がんや乳房再建手術で不安に思っていること、介護や子育てのことなど今ご自身が気になっていることをここでお話していってほしいです。

 

このイベントで正しい情報を得て、また同じ乳がんと乳房再建手術を経験して今はとても元気にしている人の姿を見て、ご自身も元気になり最後は笑顔で帰っていただけたら、これ以上に嬉しいことはありません。

 

 

 

 

首都圏では乳房再建を手掛ける医師がいて、セミナーや患者会もありますが、地方ではなかなかそういった情報がありません。E-BeCのアンケート調査でも「地方在住者は大変です」「私の住んでいるところでも開催してほしい」といった意見が少なからずあります。周りに乳がんを経験した人がいなくて、自分は一人だと思っている人は決して少なくありません。乳房再建手術となればなおさらです。

乳がん手術で胸を全摘したり、温存手術をして胸の形が変形してしまったことにより、家に引きこもってしまう人も多くいます。子どもと一緒にお風呂に入ったり、友人と温泉に行ったり、ジムやゴルフに行ったりすることができなくなり、また好きな洋服が着られなくなって、おしゃれに関心を持てなくなる方もいらっしゃいます。

この場に来ることで、同じ思いをしている仲間にも出会ってほしい。あなたは一人ではないということを知ってほしい。乳房再建についての正しい情報を知ることで前向きな気持ちなっていただけたらと思います。このミーティングをきっかけに、一歩を踏み出して楽しいこれからを送ってもらいたい、それが私たちの願いです。

 

 

日本では、まだ乳房再建手術はメジャーではなく、制度として整っていない現状があります。昨年には日本で唯一保険適応になっていたアラガン社のシリコンインプラントがリコールになり、乳がんの治療や乳房再建を考えていらっしゃる方に、大きな影響が出ました。その後23の患者団体と共に厚生労働省へ要望書を提出し、代替製品が保険適応となりましたが、選択肢が少ないという現状は変わっていません。

 

今後も関連学会とも連携し、アラガン社以外の安全で整容性に優れたシリコンインプラントとティッシュ・エキスパンダーができるだけ早く保険適用されることを目指します。また、スモールミーティングと合わせて、大勢の人が参加しやすい東京と大阪で、講師を招いてのセミナーも継続して年に1回ずつ開催していく予定です。乳がん患者さんのQOL向上につながる製品の発掘と紹介をしていきたいと考えています。温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

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※お名前掲載について、リンク先（https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix）の「リターンに関するご留意事項」をご確認ください。