鳥取県指定文化財「高田酒造仕込蔵」を修復保存したい！

■はじめに

 

鳥取県のほぼ中央にある倉吉市は歴史と自然が豊かな町です

市内の古い町並みが残る地域が国の伝統的建造物群保存地区に選定されていて

その一画にある高田酒造は明治8年より醸造業を始め現在に至っています

代表銘柄は「此君（シクン）」です

 

仕込蔵は明治期の建物ですが、主屋は天保14年（1843年）に建てられたもので、

共に平成22年に鳥取県指定保護文化財に指定されています

 

これまでは対処療法的に傷んだ箇所を部分修理して来ましたが、

長い歳月による傷みに加え、平成28年の「鳥取県中部地震」が拍車を掛けて

抜本的な修理をする必要に迫られています

 

今回の工事は仕込蔵修復3期計画の第1期で、

建物の土台を堅固なものにすることに主眼を置いて進めています

これからも安全な建物で安心して酒造りに精励出来ますよう皆様の支援をお願いいたします

 

高田酒造株式会社

代表取締役　高田 昌樹

 

高田酒造仕込蔵

 

 

■高田酒造とは

 

高田酒造は明治8年より酒造業を営んでいる日本酒の蔵元です

代表銘柄は「此君（シクン）」と言い、

中国の故事「なんぞ此の君なかるべけんや」に由来しています

華やかな香りの純米大吟醸や軽快な飲み口の純米吟醸、

ジューシーな旨味の純米などを国内はもとより、近年は海外へも展開しています

 

高田酒造外観

 

 

高田酒造の店内の様子です

 

 

 

■高田家主屋について

 

高田家主屋は天保14年（1843年）に建てられた築180年の建物で、

仕込蔵と同様に鳥取県指定保護文化財に指定されています

 

高田家住宅

 

 

鳥取県指定保護文化財指定書

 

 

その歴史は古く、明治40年の皇太子殿下山陰行啓では随従した憲兵隊長の宿泊所となりました

名勝指定の庭園には江戸時代の水琴窟があり、

今もキラキラとして涼しげな音を響かせています

 

名勝指定庭園

 

 

また庭園の一角には明治時代に移築された茶室”松風庵”もあり、

当時の当主により大規模な茶会が開かれた記録も残っています

 

水琴窟

 

 

■高田酒造仕込蔵とは

 

私達の日本酒「此君（シクン）」を製造している高田酒造仕込蔵は

調査によると「建築時期は明確ではないが、明治20年から明治30年以前の建築」と

考えられています

 

明治30年は1897年ですので現在より126年前となり、

今から約120年以前の建築と言うことができ、

100年以上この地に立ち続けている建物となります

 

この仕込蔵も鳥取県指定保護文化財に指定されています

 

高田酒造仕込蔵

 

 

■プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 

建築されて約120年が経つ仕込蔵ですが、

この100年以上の間、仕込蔵は大雨や台風、大雪などの気象の影響に耐え、

また、地震による揺れにも耐えてきましたが、やはりだんだんと各部が劣化していきました。

 

高田酒造仕込蔵内部

 

 

いろいろな部分が劣化してくると、雨水を排水していた雨どいが破損や外れるなどして

これまできちんと排水していた雨水の流れが変わり、

うまく排水できなくなることで水が溜まり、それにより湿気がこもることによって木材が腐食し、

現在は仕込蔵のいたるところで木製の土台が腐食してなくなってしまっています

 

また、水を求めてやってきた白アリにも柱や梁を食べられて劣化しています

 

木製の土台がなくなることにより、今度は土台の上に立つ柱が下がってくるため

それに伴って壁も下がり、屋根も下がります

 

その為、現在は補助となる代わりの柱を立てて、なんとか建物の倒壊を防いでいる状況です

 

腐食でボロボロの柱と、無くなった土台

 

 

この危機的状況へさらに追い打ちをかけるように、

2016年（平成28年）10月21日に鳥取県の中部を震源としてマグニチュード6.6、

最大震度6弱を倉吉市などで観測した「鳥取県中部地震」が発生し、

脆いながらも立っていたいくつもの柱がこの地震の影響で折れてしまいました

 

地震の影響で折れたと思われる柱

 

 

仕込蔵へのダメージが限界へ達したことにより、

鳥取県文化財課と倉吉市文化財課の担当者さんや設計士さんと協議をした上、

高田酒造仕込蔵の修復保存工事を3期の計画で行うこととなりました

 

 

■プロジェクトの内容

 

まず第1期（今年）は腐食してなくなっている土台を修復し、

また同じように腐食している柱も修復して

下がっている建物を元の高さまで戻します

 

続いて、土台や柱の腐食により柱が下がることによって

波打つようになっている仕込蔵の屋根を、

半分ずつ、2つのエリアに分け、

第2期は半分のエリアを、第3期は残りのエリアを修復します

 

また今回、仕込蔵に貼り付けてある板を工事をするため剥がしたところ

新たに梁が折れているのが発見されました

 

今回新たに発見された折れた梁

 

 

土台が腐食してなくなり、柱も折れているので

下がろうとしますが健全な1本の柱が支えていて

元は柱だった部分が下がり梁を折ってしまったようです

 

このように、各部の修復の過程で新たに見つかる損傷個所も

状況に応じて修復していきます

 

 

■現在の修復状況

 

2023年4月より、今年度（1期目）の修復工事は始まっています

 

修復作業をするためには仕込蔵内にある使用していない不要なタンクや、

機械を処分する必要がありましたので、まずはこれらの解体処分を行いました

 

タンク解体前　

 

 

タンクをそのまま仕込蔵外へ搬出することが困難な為、切断して解体し、搬出しました

 

タンク解体中

 

 

タンク解体中

 

 

使用していない放冷機（蒸米を冷やす機械）も解体処分しました

 

放冷機解体中

 

 

解体後は仕込蔵内がキレイになり、これで修復作業を始められるようになりました

 

タンク等解体後

 

 

仕込蔵内がキレイに片付いたところで本格的に修復工事スタートです

 

まずは仕込蔵の一番奥で槽場（ふなば）と呼ばれているエリアから

 

槽場は発酵して出来上がったお酒を搾る場所の呼び名です

 

このエリアは、いくつもの柱が折れていて建物が下がっています

また、今回発見された梁が折れているのもこのエリアです

修復内容としては、まず、下がっている建物を持ち上げて折れた柱と梁を修復し、

健全な状態に戻します

 

折れた梁を支えています

 

 

折れている梁を支えながら、健全な梁にジャッキをかけて固定し、

梁を取り替えます

 

折れた梁の修復後

 

 

工務店さんで保管されていた木材を使用して折れた梁を取り替え、違和感なく修復されています

 

また、折れた柱も”根継ぎ”と言われる方法で修復されていきます

 

根継ぎにより修復された柱

 

 

折れた柱の使えない部分を切り落とし、その下に新たな柱を継ぎ足して修復するのが

根継ぎと呼ばれる修復方法です

この根継ぎによって槽場エリアのいくつもの折れた柱が修復されました

また、腐食してなくなっていた土台（柱の下で横に入っている木材）も修復されています

 

修復された柱と土台

 

 

このようにして仕込蔵の一番奥のエリアから順々に建物を持ち上げ、

柱を修復し、土台を修復して健全な状態に戻しながら

仕込蔵入口まで工事は進んでいきます

 

 

■皆様からのご支援で修復工事の完了へ

既に今期の修復工事は始まっていますが、今回の仕込蔵修復にはかなりの費用が必要となる見込みです

鳥取県指定保護文化財としての補助もありますが規模が大きいため

当社だけで負担することは難しく、

費用の一部をクラウドファンディングによりご支援いただければと考えております

 

修復工事中の仕込蔵

 

 

■プロジェクトの展望・ビジョン

 

まずは今年度（1期目）で建物の土台、柱などを修復し

斜めに下がっている建物を健全な状態に戻した後には

タンク解体などで広くなったスペースをイベント等が開催できるスペースへ改装し、

来年は今まで行ったことがなかった蔵開きを開催して一般公開したり、

酒造り体験や試飲会などを開催したり、

仕込蔵を使ってイベントを行いたい方に使っていただいたりと、

多くの方が酒蔵へ来ていただけるようにしていこうと考えています

 

また、これまで100年以上この地に立ち続けた高田酒造仕込蔵を

これから先100年、この地に立ち続けるようにするための修復保存プロジェクトです

 

しかし、高額な工事費用を私たちの資金だけで捻出することは難しく、

費用の一部をクラウドファンディングにより皆様からご支援いただければと考えております

 

イベントスペース予定エリア

 

 

■高田酒造（株）代表取締役 高田より

 

 

ご覧いただきましてありがとうございます

高田酒造株式会社 代表取締役の高田です

 

私達の造る日本酒「此君（シクン）」の味わいは

”夏は涼しく、冬はしっかりと冷える” 今の仕込蔵の環境がないと造ることが出来ません

 

また長い年月の間に繰り返し行われた酒造りによって

この仕込蔵に住み着いた酵母などの微生物がいないとまた

此君の味わいを造ることが出来ません

 

私達にとってかけがえのない仕込蔵ですが、

各部に大きなダメージを受け、満身創痍で立ち続けている為

この度、「百年に一度」の大規模な修復工事を行うことにしました

 

これからも末永く、この仕込蔵で日本酒「此君（シクン）」を

造り続けていけるように

皆さんのご支援をお願いいたします

 

 

■応援メッセージ

 

倉吉市教育委員会文化財課 様

 

商家の町並みが残る「倉吉」。

その一部は倉吉市打吹玉川伝統的建造物群保存地区として選定されています。

この保存地区の景観は、赤瓦の町家が建ち並ぶ本町通りの景観と土蔵と石橋が連続する玉川沿いの景観が特徴で、多くの観光客が訪れます。

この一角にあるのが高田酒造です。

高田酒造の主屋は、天保14年の建築で、屋根を彩る赤瓦や軒を支える腕木、

そして繊細な格子などの特徴をもち、倉吉の商家の典型例です。

また、隣接して建つ仕込蔵は長大な建物で倉吉では珍しく通りに妻面をみせ、風格のある表構えを構成し、これらの建造物は鳥取県の保護文化財に指定され、さらには「県民の建物100選」にも選ばれ親しまれています。

高田酒造の文化財建造物は倉吉の歴史的景観に欠くことができません。

倉吉市は平成28年10月の鳥取県中部地震により大きな被害を受け、文化財も被害を受けました。

高田酒造の仕込蔵も柱の折れなどが確認され、修理に着手したところです。

文化財保護において修復費用の確保は大きな課題となっています。

倉吉市内で文化財修復におけるクラウドファンディングの活用は初めての事例となります。

この度の事業が成功し、貴重な文化財が未来へ引き継がれていくことを期待しています。

 

倉吉市打吹玉川伝統的建造部群保存地区

 

 

倉吉文化財協会会長 真田 様

 

伝統がいきづく高田家住宅の建物

 

山陰の小京都と呼ばれる「倉吉の町並み」は、その一部が重要伝統的建造物群保存地区に選定されている静かな町です。

もとは木綿や脱穀機の稲扱千歯などをあっかう商業活動が活発だった町でした。

保存地区は商家の主屋が建ち並ぶ本通りと、その北側を流れる玉川沿いの白壁土蔵群からなっています

 

高田家住宅は、保存地区の中ほどに位置し、南北に細長い敷地に主屋をはじめ茶室や土蔵、酒造りの土蔵などが建ち並んでいます。

このうち主屋は、天保14年（1843）に建築された建物で保存地区のランドマーク的な存在なっています。

主屋の西に接して、本通から背後の玉川にいたる細長い土蔵造りの仕込蔵が建てられています。

明治20年代の建築で「町」の防火帯の役割を担うとともに、保存地区の歴史的な景観形成の大きく寄与している建物です。

この仕込蔵が長い年月の間に傷みが進行し、とくに平成28年に起こった「鳥取県中部地震」によって柱が折れるなどの被害を受けています。

このため、令和5年度から保存修理工事に着手されましたが、その修理経費はかなりの額になるようです。

むろん、県・市などからの補助があると想定されますが、所収者の負担も大きいと思います。

この仕込蔵が失われることになると、倉吉市にとって大きな歴史的遺産の損失になります。

皆様のご協力、ご支援により、この高田家住宅の仕込蔵が再生されることを祈ります。

 

倉吉文化財協会

会長　真田広幸

 

 

設計監理 小畑建築設計蔵 代表 小畑 様

 

高田酒造は敷地内の建物全てが県指定保護文化財に指定されています。

これらは江戸末期から明治中期にかけて建てられた建物だといわれています。

伝統工法で建てられた木造建物は、100年を一つのサイクルとして大規模修理を行います。

高田酒造の建物群では、築後100年を過ぎた建物が複数棟存在しています。

町家特有の細長い敷地には、所狭しと多用途の建物があります。

主屋、土蔵、茶室、待合、醸造蔵、ムロなどです。

これらの屋根は複雑に重なり、雨漏れによってシロアリが発生している箇所が散見されました。

また建物同士が隣接している箇所は破壊しないと事前調査ができない箇所もあります。

とはいえ、明治末期の皇太子殿下行啓時には随従した憲兵将校の宿泊所となるほど建物は上質です。

また敷地内の庭園は、県指定名所庭園にも指定されています。

このたび工事をおこなっている醸造蔵は、明治20年頃に新築された建物だといわれています。

前面の本通りから背後の玉川に至る長大なこの土蔵は、その過半近くの柱が腐り、健全化が必要な状態です。

初めて調査へ伺った際には、目にする腐朽状態に困惑しました。

状況の把握が進むにつれ、工事の難しさに実現できるか苦慮しました。

指定文化財の修理では、木材の取り替えは最小限に留めるため、建物をジャッキで持ち上げ、

木組みで継ぐ「根継ぎ」という方法で健全化していきます。

この度の工事には30代・40代の職人が主力として従事しています。

土蔵を健全化することは勿論ですが、

地元で育った若い技術者が当地の今後を担えるようになることも期待しています。

皆様のご支援により、修理が無事完了し、この経験が今後に繋がっていくことを祈ります。

 

ヘリテージマネージャー設計監理

小畑建築設計蔵　代表　小畑公寛

 

 

■リターンのご紹介

 

●ステッカー

 

高田酒造の代表銘柄「此君（シクン）」のロゴステッカー（名刺サイズ）です

いろいろなところに貼ってお楽しみください！

（弊社はお燗をつける燗どうこ”かんすけ”に貼っています）

 

此君ロゴステッカー

 

 

●クリアファイル

 

「此君（シクン）」の中でも人気のお酒「純米吟醸 紺ラベル」をデザインしたクリアファイル（A4サイズ）です

書類の整理などにお使いください

（写真は中にA4用紙を入れて撮影しています）

 

純米吟醸 紺ラベル クリアファイル

 

 

●おちょこ

 

利き酒をする際に使用する蛇の目のおちょこです

此君のロゴが入っています

容量も8勺（150ml）でお酒を楽しむ以外に、

普段の湯飲みとしてもちょうど良いサイズのおちょこです

（こちらのおちょこはただいま制作中の為、

写真は同じ大きさでロゴなしのサンプルを使用しています）

 

おちょこ

 

 

●10％・20％・30％割引券

 

高田酒造の売店で使える割引券です

ご自身のお買い物の他、ギフトとしてもお使いください

 

※店内の全ての商品が割引対象です

※有効期限は発券日から1年です

※こちらは1回のお買い物に限り、ご利用いただけます

※オンラインショップではシステムの都合上、ご利用できません

　ご容赦の程、何卒よろしくお願いいたします

 

10％・20％・30％割引券

 

 

●前掛け

 

昔から変わることなく使い続けている高田酒造の前掛けです

丈夫な生地を使用しているため、長く使っていただけます

作業用や居酒屋さんの前掛けとして、また居酒屋さんの壁にディスプレイとしてお使いいただいても良いです

 

此君前掛け

 

 

●Tシャツ

 

胸にワンポイント「此君（シクン）」のロゴが入ったシンプルなデザインの紺色のTシャツです

シンプルデザインの為、着回しやすく、

そのまま1枚で着ていただいても、ジャケットのインナーに使っていただいてもOKです

速乾性の生地で汗をかいても乾きやすく、軽い着心地のTシャツです

※撮影状、明るい色合いですが実物は濃いめの紺色です

 

此君ロゴTシャツ

 

 

●ミニ菰樽

 

酒蔵の店頭に飾ってあったり、鏡割りに使われたりする菰樽（こもだる）

こちらは縦19cm横19cm高さ20cmぐらい、重さ400gの軽くて小さなサイズの菰樽です

飾り用の菰樽のため、中にお酒は入っていません

お部屋や酒屋さん、居酒屋さんなどの店内に飾ってお使いください

 

ミニ菰樽

 

 

■お詫び

高田酒造の仕込蔵は通常、仕込みや出荷作業などを行っている為、

個別の公開にどうしても対応が出来ません

 

ご容赦の程、何卒よろしくお願いいたします