再挑戦！！RoboMasterで日本一になるロボを作りたい！

　機構設計製作担当の藤田です。思えば、去年の9月に弊チームの岡田から「メカ屋が足りない」と誘われてチームに入り、ちょっと手伝うだけのつもりが気づけばロボット2台丸ごと設計していました。ということで今回は、各機体を製作した後に判明した、次のシーズンまでに直すべき修正点を、製作時の紆余曲折も交えて書きたいと思います。

　まず、ヒーローロボットは、実質的にチームで初の自作機体となりました。そのため、チームとしても、そして私としてもノウハウが無い状態でのスタートとなり、さらに同時進行していた高専ロボコンによって加工リソースが限られている(というか機構班は実質私くらいしか動けなかった)状況でした。

　ヒーローロボットは大きく分けて2つの修正点があります。

　要修正点の1つ目として、給球機構が詰まりやすいという問題があります。これは球倉の構造的な問題で、現状では箱にバラバラに入れている球を、一列に整列させて斜面に載せられるようにする必要があると考えられます。これはもともと、写真にあるような斜面の組み合わせと走行時の振動を用いて、振動フィーダのように球を射出機構に供給する想定でしたが、公式球の樹脂コーティングの滑り止め効果が予想以上に高く、走行時の振動ではうまく球が供給されませんでした。幸い、使用する球数に対してスペースの余剰はあるので、今後は螺旋滑り台型の球倉に設計変更予定です。

球倉の側面および後面図

　2つ目としては、機体の直進性が悪いことが挙げられます。機体の重心はほぼ機体中心であり、駆動部も軸継手を通してほぼ直結という構造なため、機構の問題として考えられるのは、サスペンションの接地が不均一、あるいはベアリングと軸のはめあいが悪いといったことが考えられます。前者については、現状ではサスペンションの減衰が強すぎてほぼ意味をなしていないという問題もあるためそれを含めて要調整で、後者については、製作時にベアリングホルダの外筒を固定部に叩き込んで圧入してしまったためにベアリングホルダごとベアリングが歪んでしまったと考えられます。(今思えば無茶なことをしてましたね……)

ヒーローの総組図

　次に、哨兵ロボットは、ヒーローロボットの製作が8割方終わったころから設計を開始しました。この頃になると、高専ロボコンが終了していたため、加工については問題なく行えたのですが、製作資金が尽きていました(これが今回のクラウドファンディング再挑戦を始めたきっかけの1つです)。また同時にご協力いただける企業様を募らせていただき、3社の企業様に必要な部品を現物提供していただきました。本来では哨兵の製作には多額の資金が必要になる見通しでしたが、この現物提供もあって、今回の調達額にて哨兵ロボットを一台製作することが可能になりました。また、本機体は日本大会の事前審査に間に合わせるために、図面にして22枚ものジュラルミン部品を呉高専のメンバーに製作していただきました。資金枯渇問題やヒーロー製作との並行設計であったこともあり、設計もギリギリになってしまい製作班にはかなりの短納期で無理をさせてしまいました……。

　本機体は急造でしたが、製作後に発覚した機構的な問題は軽微でした。むき出しになってしまっている回路や配線を保護し、装甲板配置をルールに合わせて変更する(そのための接続穴はあらかじめ開けておいた)だけで本番競技に耐えられそうです。

哨兵の総組図

　今回は現時点で完成している機体の、来シーズンまでの修正点を列挙しました。次回は「広報活動について」です、お楽しみに。