おかげさまで無事『障害のある先生たち』の本を出版できました
私たち障害教員研究チームによるクラウドファンディングプロジェクト、“「障害のある先生たち」についての本を出版したい” をご支援くださり、本当にありがとうございました。昨年6月末にプロジェクトが成立してから8ヶ月、無事、私たちの本『障害のある先生たち-「障害」と「教員」の交錯する場所で-』を生活書院から出版することができました。深く御礼申し上げます。しかも、お伝えしていた「まるまる一冊全体を手話翻訳する」というチャレンジも、おかげさまでやりとげることができました。
このプロジェクトが始まった5月半ば、私たちは不安でいっぱいでした。三人ともクラウドファンディングは未経験。そもそも「本を出版するために支援を募る」ことにどれほど理解が得られるだろうか。また「障害のある先生」という主題にどれほどの関心を持っていただけるだろうか。そして実際問題、お金を出してくださる方がどれほどおられるだろうか…。
しかし、いざプロジェクトが始まると、思いがけないほどの反響がありました。「障害のある先生」という主題にこれほど関心を寄せてくださる方がおられるとは正直、思っていませんでした。実際にご支援を寄せてくださるとともに、さまざまなメッセージをいただいたことに、非常に励まされました。「大切なテーマだと思う」といった温かい励まし。ご自身がこれまで出会われた先生について語ってくださった方。研究者からの、あるいは教育や福祉に携わる立場の方からのエール等、私たちにとって大きな励みになりました。SNS等で情報を拡散するというかたちで、私たちのプロジェクトにご協力くださった方もたくさんいらっしゃいました。
クラウドファンディング実施中の忘れられないイベントは、6月18日に東京大学小柴ホールで行った公開シンポジウムです。(プロジェクトの「新着情報」でも紹介させていただきました。)
「障害のある先生」というテーマへの関心、共感、本づくりへの期待の声を直にお聞きすることができ、大いに励まされました。このシンポジウムの成果も、本では「補論」というかたちで反映させることができました。
また、クラウドファンディングを行った思わぬ副産物として、メディア関係者が私たちのプロジェクトに関心をもち、取材を受けるということが相次ぎました。
・Soar http://soar-world.com/2017/06/15/teacher/
・朝日新聞夕刊(大阪本社版10月24日、中部本社版10月26日)
このようにして、クラウドファンディングをきっかけに、新たなメディアを通して私たちのテーマに関心を持ってくださり、本の完成を楽しみにしてくださる方が増えたことは、本当に嬉しく励まされる出来事でした。
プロジェクトが成立してからの8か月は、ひたすら走り続けるような日々でした。原稿の内容を練り上げ、ご寄稿いただいた他の先生方とも連絡調整を続け、本の完成に向けて一歩一歩進んできました。そして手話翻訳版の作成は、「初めて」のことだらけでしたが、関係者のみなさまの協力を得ながら進めていきました。「一冊まるごと手話翻訳」という日本でも初の試みを成功させることができたことは、ひとえにクラウドファンディングでご支援いただいた皆さまのお蔭です。
この8か月間、タイトなスケジュールでしたが、皆さまからいただいた励ましや温かいメッセージが支えとなり、なんとかお約束を果たすことができました。改めて、深く御礼申し上げます。
ここで収支報告をさせていただきます。みなさまからお寄せいただいたご支援からReadyforへの手数料を差し引き、書籍の資金としていただいた金額は1,320,119円でした。このうち、書籍の製作費に864,000円、ご支援いただいた皆様へのリターン費用(本の購入とその送料)として288,144円を支払いました。また、手話翻訳についてはすでに録画が終わって現在最終的な編集作業に入っています。残金の167,975円はこの手話翻訳および編集の費用に充てる予定です。なお、「新着情報ページ」でも書いたように、手話翻訳にかかる費用は30万円を超えるため、不足分については研究費より支出することを申し添えておきます。
次に、リターンの発送状況についてご報告します。まずプロジェクト成立後の8月22日に、「サンキューメッセージ」(動画)をご支援いただいた方全員にお送りしました。「完成した書籍をお届け+書籍にお名前掲載プラン」をご支援いただいた皆さまには、お名前の掲載についてのご意向(掲載の可否、ペンネームのご希望)の確認を経て、2月末に無事、書籍を発送させていただきました。「研究成果、まるごとご報告プラン」をご支援いただいた皆さまには、書籍のお届けに加えて、「私たちの学会発表時の資料、6月のシンポジウムの資料、新聞記事、シンポジウムの動画(DVDではなくURLの送付)」一式をお送りしました。「出張講演プラン」をご支援いただいた皆さまにつきましては、上記のリターンに加えて、個々に相談・調整を行った上で、講演およびラジオ番組への出演が予定されています。
私たちのプロジェクトは、おかげさまで目標としていた「本の出版」という節目を迎えることができました。けれどもちろん私たちの夢はこれで終わりではありません。本をお届けした皆さまからのご意見、ご感想に耳を傾け、さらなる発信の機会を探っていきたいと思います。また、プロジェクトを行う中で見えてきた新たな課題をも糧として、次の目標に向かって進んでまいりたいと思います。
ご支援、本当にありがとうございました。
障害教員研究チーム:羽田野真帆、照山絢子、松波めぐみ
2018年3月6日