誰もが楽しめる落語のユニバーサルデザイン絵本を制作したい！

ご支援者の皆さま
 
いろいろな業界の専門家や有識者が集って進めてきた、
この「ユニバーサルデザイン落語絵本（UD落語絵本）」プロジェクト。
 
今回は「制作メンバーからのメッセージ」として、
社会福祉法人国際視覚障害者援護協会 理事の芳賀 優子さんからのメッセージをご紹介します！

◆芳賀さんからのメッセージ◆
〜触ることでバリアをなくす　古典落語を追体験できるツール〜

　生まれた時からロービジョンの私が、本格的に落語にハマったのは３０代のころ。宅急便の会社で、触ってもわかる不在票を開発、提案し続けている時期でした。1997年9月から、すべての不在票に猫の耳型の切り欠きがつき、視覚障害者だけでなく、外国の方々、就学前の子どもたちにも「留守中に荷物が届いたこと」を知っていただけるようになり、宅急便を利用するバリアが低くなりました。

　落語は、演者と観客とで作り出す話芸。私の想像力次第で限りなく楽しめるのが、最大の魅力です。しかし、古典落語では、「長屋」「竃（へっつい）」など、私が触ったことも、経験したこともないものが出てきます。絵本や３Dで、それらに触れたら…。古典落語を誰もがもっともっと楽しめるのではないか？触ることでバリアがどんどんなくなっていくのではないか？との思いで、このプロジェクトに参加しました。

　落語はリアルの世界の話芸。時代を経れば、私たちの「今」も、古典落語になっていきます。落語が続く限り、古典落語を追体験できるツールとして、触る絵本と３Dが、誰でも落語を楽しめる相棒として存在していけるように、微力ながら心を込めてまいります。

◆プロフィール◆
芳賀 優子（はが ゆうこ）さん

　社会福祉法人国際視覚障害者援護協会 理事。高校まで盲学校で学び、大学でスペイン語を専攻。ヤマト運輸に22年間勤務後、NHKラジオ第二放送の視覚障害者のための番組司会などを務める。ユニバーサルデザインやバリアフリーに関する本、絵本の制作などさまざまな活動に携わっている。