開発国以外でのトーキングマットの活用

2019年8月に、ニュージーランドにおいて、現地のトレーナーであるサリーさんのご好意により、SDM-Japanメンバーのみを対象としたトーキングマット基礎研修が開催されました。ニュージーランドの基礎研修を通して学んだ、開発国以外でのトーキングマットの活用状況について報告します。

ニュージーランドで、「２つの文化」というとき、マオリ語と非マオリ語を指します。ニュージーランドでは、マオリ族の人たちをその土地と特別な関係を持つ人たちとして尊重しています。今年のラグビーワールド・カップでのハカは皆様の記憶にも新しいのではないでしょうか。

基礎研修でトーキングマットの基本的な学習をすることが目的ではありました。ただ、日本と同じく、英国とは異なる文化をもつ地域において、トーキングマットがどのように受け入れられ、活用されているのかという点にも関心を持ちました。

研修講師は、言語療法士であるサリーさんです。サリーさんは、マオリ語での挨拶と自己紹介からセッションを始めました。マオリの人たちは自己紹介の際に、生まれ育った土地を紹介するという文化があるそうで、サリーさんもマオリ語でご自身が生まれ育った土地について紹介していました。

英国でつくられたトーキングマットですが、ニュージーランドでは、当然第一言語がマオリ語の人を対象とすることもあるそうです。目の前の人にとってわかりやすくなることを大切に、トーキングマットのカードやトップスケールの絵柄についても検討して実施するというお話もありました。

この研修を通じて、英国以外の文化圏であっても、目の前の人がもっている個性(特性)や文化を尊重した形で、トーキングマットを使用していけるという思いを強く持ちました。

クラウドファンディングの成功により、日本国内で多くの方にトーキングマットを使用していただける機会が増えると思われます。是非ご感想、ご意見をお寄せください。引き続き、日本においても、よりわかりやすく、使用していただきやすいカードについて検討していきたいと思っております。