新作着物のことを書く前に、私と着物の関わりなどを書きたいと思います。

 

 

 

オリジナル浴衣「ミラグロ」

奇跡(ミラクル)という意味を持つ、メキシコのミラグロというお守りをモチーフに制作しました。

 

 

 

私が着物を着始めたのは、大学在籍中。

 


美大のデザイン科に行きたくて、一年浪人して、多摩美術大学のテキスタイルデザイン(染織デザイン科)に合格したので入学しました。

 

その時は全く着物にも興味はなく、染めや織りが好きだから入ったわけではなく。
デザイン科はグラフィックやら情報デザインやらいろんな科があったのですが、他の科は受からず。(我ながら考え無しでした。)


入学当初、地元の先輩が同じテキスタイルデザイン科にいて挨拶しに行ったら「ここ来ちゃったか~大変だよ!!」と言われたのが行く先を暗示していました。

 

 

レベルの高いところに行きたくて、やっと多摩美に入学したのですが、入ってみると染めも織りも不自由な感じがして、好きになれませんでした・・・・
あとテキスタイルデザイン科は課題の多さとその大変さもすごかった。

 

 


織りは自分が表現したいものには向いていない。
染めなら自在に絵が描けるけど、白生地にぽたっとうっかり染料落としちゃったらそれでアウト。(今なら後で直しに出せば良いのだと分かりますが。)

 

 

 

 

以前の自宅兼アトリエで型染浴衣を制作した時の写真。

 

 

 

染めは化学反応なので、蒸して洗ったら全然思っていた色と違ってた、染め難が出たとかが当たり前。
絵の具だったらうっかりぽたっとしちゃっても拭くか上から塗り直せばいいし、思い通りの色が出せる。

 

どんどん「これは違う」という苦しさが強くなって、一時期はもう大学やめようと思って行かなくなったりもしていました。

 

 

夏休み終わった頃から行かなくなって、もうバイトしながら制作しようか、でもやってけるんだろうかとぐるぐるぐるぐる考えてました。今思えば「そんなシリアスになんなくてもw」て声掛けたげたい感じですが、当時は絵に描いたように苦悩していました。モラトリアム…

 

 

もちろん進級出来るはずもなく、年度が変わる時にはもう退学するつもりでいましたが、今辞めてもなんにもならない!と思い直して結局留年。

 

1人暮らしで生活費も余計にかかる上に、私立美大のバカ高い学費を5年分も払ってくれた両親には本当に感謝しています。


また大学に行き始めて、少ししたころにKIMONO姫と豆千代さんの本に出会いました。

 

 

 

 


この二冊の本が着物のきっかけという人は本当に多いんじゃないでしょうか?
しばらくの間本当にずーっとずーっとこの二冊を眺めていました。

 


アンティーク着物のデザインに夢中になって、祖母と母に着物を送ってもらって着始め、お金がないなりにお店に通ったり骨董市に行ったり、生地を買って来て作ったりしてほんとに熱病のようでした。

 

それまでは着物には全く興味もなく、成人式は出席すらしなかったのに!
(実家が山口で遠いので、お正月に帰省した後すぐにまた帰るのは無駄にしか思えなかったのです・・・・当時は。)

 

 

 

着物で大学に行ったり、「自分で自分が欲しい着物が染められる!!」と、それ以降は大学の制作も着物に関連するものばかりになりました。


現金な話ですが目的なくただ染めるのは苦痛なのに「こんなのが着たい」という思いがあって作るのは全然苦にならなかった。
やっぱり失敗だらけではありましたが。

 

 

 

救われたというと大げさだし、そういう感覚も無かったのですが、もし着物と出会ってなかったら染めの面白さもわからず、着物を着る喜びも高揚感も知らないままだったと思うと出会えて本当に良かったなと思っています。

 

 

 

自作の帆船柄の名古屋帯とワンポイントのトランプ帯揚げ。

帯留めには小人がいます。

 

 

 

オリジナルのミズタマとシマシマ浴衣。

 

 

次に続きます!

 

 

 

 

制作中の新作着物の下絵です

 

 

 

 

 

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