義経＝成吉思汗、同一人物説について（その４）

 

『義経＝成吉思汗、同一人物説のロマンと真相を追って』について

（その４）

＝　源義経は衣川の戦い（岩手県平泉）で死んではいない（続きその１）＝

　　《　全ての原点がこの命題にあります。　》

日本の所謂、正統歴史家の方々は吾妻鏡にある義経の死を歴史の事実《史実》として正しいという認識、理解しておられるようであります。

 

近年の学術調査で本当の衣川の場所が特定され、その発掘調査等から一帯に

火災の跡はなく、持仏堂での火災の中での義経の自害や弁慶の火炙りの仁王立ち往生などはなかったと云うこと即ち、燃えていないどころか合戦もなかったという見方が自然であるという調査結果が近年示されています。

 

従来の史実に対する数々の疑問点の具体例

 

１、吉野山からの１年４か月間の逃避行の末、義経一行は藤原秀衡を頼ります。

秀衡は義経を受け入れ、郎党共々厚遇、手厚く保護します。〈１１８７年２月〉

安どした３１歳の義経一行が死を選択することがあり得るでしょうか。

又、義経は平氏との戦い（一ノ谷、屋島、壇ノ浦）において事前の情報収集と意表を突く積極的な戦術で勝利しています。

その義経が、秀衡の死（１１８７年１０月）後、情報収集もせずに、無駄に時間を過ごし、何らの備えや行動をしないまま、泰衡の襲撃（１１８９年４月）を受け、妻と娘を殺し、自害することなどが考えられるでしょうか。

更に、泰衡は青年時代（義経１６才～２２才まで６年間、泰衡は義経より４才年上）を共に過ごした義経に対して、偉大な父秀衡の遺命を裏切ってまでも頼朝の意向に従い、攻撃し、自害させることなどあり得るでしょうか。

 

２、猜疑心が強かったと云われる頼朝は秀衡の死後は後継者泰衡に対して、勅使を

何回も送り、朝廷の義経追討の院宣を２回出すなど義経の引き渡しを求めております。

それらに対して泰衡は勅使に飲ませ食わせの接待等を行い、「義経は居ない」

との態度で応じなかったとあります。

又、頼朝は身柄の引き渡しを求めていますが、泰衡は義経を自害に追い込み、

その首を送っています。

 

３、義経の首は身代わり説について、

衣川の戦いは旧４月３０日、泰衡から頼朝への報告は５月２２日、義経？の首が鎌倉に届いたのは６月１３日で夏（太陽暦では８月初め）の熱い日差しの中であったと云われます。義経？自害後、４３日を要して届いています。

通常では、平泉から鎌倉まで徒歩で１３日から１７日で到達可能といわれます。

頼朝の母の年忌のためという説もあるようですが、それにしても日数が掛かりぎています。　　なぜ、泰衡は首を届けるのに時間を掛けたのでしょうか。

又、義経の影武者として「杉目太郎行信」の存在と身代わり説があります。

実際検分をした梶原景時は「義経の首ではない。不審の点がある」と指摘しまし

たが和田義盛が「既に焼首となった以上は日頃とは違って見える」として、それ以上の検視を行なわず、その首を藤沢に送って葬っているのです。

更に、頼朝は検視後直ちに（６月２５日）泰衡討伐の宣旨を京に請いますが、

その回答がないまま、「泰衡め！こしゃくなまねをしやがって」と怒り心頭で、

急ぎ７月１９日軍勢２８万人を引連れて奥州に侵攻しています。

頼朝は「義経の首は偽物」と解っていたのではないでしょうか。

 

今日はここまで！

 

　【　温故知新は事実に基づかないものであればフィクションであり、歴史に
　　　　　　学ぶことの意味、重要性が無くなるのではないでしょうか　】