義経＝成吉思汗、同一人物説のロマンと真相を追って

『義経＝成吉思汗、同一人物説のロマンと真相を追って』について

（その１２）

＝＝　源義経の人間性、人物像について（続きの５）＝＝

【　平氏との戦い（一ノ谷、屋島、壇ノ浦）における義経の情報収集と積極果敢な戦術、勝利への戦略など、軍事の天才・源義経の片鱗　】

 

続いて、『壇ノ浦の戦い』について、１１８５年旧３月２４日、屋島の戦いの１か月後、義経の率いる源氏軍約８４０艘と平知盛率いる約５００艘の水軍が海上で衝突することになります。

源氏軍は兄範頼が九州に渡り、平氏軍の後方への遮断に成功。平氏軍は彦島で孤立状態となっていました。

水上戦の得意ではない源氏軍は事前に可能な限りの多くの瀬戸内の水軍に協力を求め、絶対的な優位と情報収集を行い、戦略的に万全の勝利の体制を作ったものと思われます。

梶原景時と義経の先陣争いがあったと云われていますが、義経の「自分が先陣に立つ」との言に対して「大将が先陣など聞いたことがない。あなたは将の器ではない、私が先陣をつとめる」と義経を愚弄したという景時の態度は、源平合戦の至る所で見られ、これらのことが頼朝への讒言、頼朝の義経追討、ひいては源氏による鎌倉幕府の支配の短命へとつながっていくように思われます。

 

黒板勝美東京大学教授は潮流調査を元に、｢吾妻鏡｣の午前終了説ではなく、関白九条兼実の日記である「玉葉」にある正午頃に始まり、午後４時頃に終わったという午後説を唱えておられます。

義経はその潮流の変化を知っていたと思われます。

当初は潮流が西から東へ、平氏はその流れに乗って激しく源氏軍を攻めていましたが、午後３時頃に潮流が東から西へと反転したことから形成が逆転し、勝機とみて一気に義経軍は知盛軍を圧倒したものと云われています。

陸上からは範頼軍に射かけられる状況で、勢いに乗る源氏軍により、防御装備の貧弱な水手、舵取たちから犠牲になったものと云われます。

この結果、平氏軍の船は身動き取れなくなり、敗戦を覚悟した平氏一門は老若男女を問わず、また保護していた天皇や皇族ともども、次々に海へと身を投げていきました。

この戦いは、義経軍の四国制圧と瀬戸内海の制海権の奪取および範頼軍の九州制圧という海と陸の両面からの源氏の戦略上の最終局面であり、源氏の勝利と平氏の包囲・孤立という悲劇の結末につながる必然的な流れであったと云われます。

 

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一の谷の戦い、屋島の戦いそして壇ノ浦の戦いは、まさに源氏と平氏の覇権争いであり、その勝利が歴史を創ったといえます。

それらのことをしっかりと戦略的に捉え、個々の合戦の戦術を冷静に進め、全てを勝利に導いた義経の天才的な軍事面の才能は、誰にもまねの出来ないほどの高い水準を持っていたと云われています。

まさに天才的で他に類を見ない職業軍人であったと言えるのではないでしょうか。

部下を思いやり、自らを偉ぶらず、ある時は卑下し、信念を貫き、難局を切り開いて進む義経の能力、人間性は頼朝や北条一族にとっては体制を脅かす、邪魔な人物ではなかったかと思われます。

 

このような義経だからこそ、平泉で妻子を殺して自害することなどあり得ず、北海道から大陸へと渡ったと推量できます。

大陸では３００人の東北騎馬軍団を率いて、１０年間の現地住民との共存、融和を図るとともに、長弓を得意とする騎馬軍団の更なる軍事力、軍事組織の充実に進め、準備万端、機会を見て一気にモンゴル地方の各部族を抑え、統一国家を創ることができたと思われます。

当時、文字がなかったモンゴルに文字を創らせ、姦通罪などを取り締まる法律を創り、平和な国家モンゴルを創った成吉思汗ですが、統一後すぐに又、戦いの場を求めて金国やイスラムへと死ぬまで遠征に次ぐ遠征を行います。まさに職業軍人であります。

モンゴルに遊牧民の子として生まれ育ったテムジンに果たして成吉思汗の国家統治や国民の安全など高レベルの政治力、更に戦い続ける意志と生き方が出来たでしょうか？

成吉思汗について、テムジンという名前での４２才頃（１２０３年頃）までの伝承、歴史は全く不明であると京都大学の杉山正明教授は自著で語っておられます。

 

義経の人間性や人物像については多くの逸話がありますが、マンガ読本にしっかりと記載したいと思います。

 

次回は、文字を持たなかったモンゴル民族に、成吉思汗がウイグル人のタタトンガに命じて創らせたモンゴル文字は日本語に似ていること等について記します。義経＝成吉思汗を裏付ける大きな要因の一つです。

以上

 

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