支援総額
目標金額 700,000円
- 支援者
- 139人
- 募集終了日
- 2021年9月13日
複雑なシリアの内戦をイブラーヒーム君で解説します。
昨日は、イブラーヒーム君が国内避難民になってしまったことを書きましたが、今日は、シリア内戦の全体像をイブラーヒーム君に焦点を当てて解説してみます。
アサド政権VS革命戦士
まず、内戦が始まったころの勢力地図を見てみましょう。
2011年、アサド政権に対して民主化を求めた デモが各地に起きます。7月ごろには、離反した兵士たちが自由シリア軍を結成し、武力衝突は、政府VS自由シリア軍といった単純な構図でした。
イブラーヒーム君が暮らすアレッポの郊外の村は、自由シリア軍の支配下に置かれました。緑色をした部分が自由シリア軍が支配するところです。だんだん緑の領域が増えて行っているのがわかります。
イスラム国がやってきた
さて2014年になると、イラクでアメリカと闘っていた人たちが「イスラム国」を結成しシリアに流れ込んできます。あっという間に領土が広まってしまいまい、隣のイラクにまたがったカリフ制に基づいたイスラム国の建国を宣言します。イスラム国の残虐性は度を越えており、アメリカも責任を感じでついに空爆に踏み切ります。
クルド人民防衛隊=YPG
地上軍の強力なパートナーとなったのが、クルド人民防衛隊です。地図では黄色い部分です。クルド人はシリアでは10%程と言われており、北東部に多く住んでいます。彼らは、クルド人国家の独立か、あるいは自治州を求めて戦っています。
シリア政府軍、自由シリア軍、クルド人民防衛隊、イスラム国の4つが中心となって内戦が繰り広げられていくことに。
ロシアの参戦
米軍の参戦もなかなか成果が出ずに、イスラム国は領土を拡大していきます。2015年、イブラーヒーム君が暮らす村も戦闘の前線になり、背後からはイスラム国が迫ってきていました。そこで、クルド人民防衛隊が支配する地域にできた国内避難民キャンプのテントで暮らすことになりました。
一方、そのころ、ロシアもこの戦争に本格的に介入します。ISとの闘いを掲げながらも、シリア政府軍を援護しました。
トルコの思惑
2015年と言えば、日本人ジャーナリストの後藤健二さんがイスラム国に捕まり処刑されたり、多くの国の人たちが残忍な殺され方をしました。そしてヨーロッパでもイスラム国を名乗るテロリストの犯行がはびこるようになりました。そこでトルコ軍もIS掃討を掲げて本格的に戦争に加わります。これが、「ユーフラテスの盾」作戦。ISをユーフラテス川より北東に追いやるという作戦ですが、ISだけではなくアメリカが後ろ盾になっているクルド人民防衛隊もも一緒にユーフラテス川の向こう側に行ってもらおうという作戦でした。地図を見ると灰色のところが一部緑に代わっているのがわかります。しかしまだまだ、ISを壊滅するには至りません。
しかし、2017年10月、ついに、米軍主体の空爆と、地上からはクルドの軍隊が攻め込み、イスラム国の首都であるラッカを制圧することに成功。ほぼISは壊滅状態になりました。一方でトルコにとってはもう一つの脅威がありました。クルド部隊がISとの闘いの結果、アメリカからの武器弾薬を調達して、力をつけてきたことです。
2018年、トルコは「オリーブの枝」作戦に出ます。もともとトルコは、国境地帯にクルド武装勢力が展開できないように安全地帯を作ろうとしており、その一つとして重要な街が、アフリーンでした。アフリーンはクルド人民防衛隊が支配していましたが、激しく攻撃で、20万人の市民が避難しました。 上の地図で左上のとがったところが黄色から緑に代わっています。
イブラーヒーム君たちのキャンプが今度は危なくなり、もともと住んでいた村がシリア政府が治安を維持するようになったので彼らはキャンプを去り元居た家に戻ってきました。
さあ、トルコの推し進める安全ベルト計画の仕上げ的なのが、「平和の泉」作戦です。トリガーとなったのが、米国のトランプ大統領でした。「ISもやっつけたことだし、米軍撤退する」というわけです。ここぞとばかり、トルコのエルドアン大統領は、クルドたたきを敢行。しかし、名目は、安全ベルトを完成させて、トルコにいる300万人をこえるシリア難民の一部を帰還させるとしました。あれだけ、ISをやっつけるのに協力したクルド人をアメリカは平気で見捨てることに。それには、米国民の非難もあり、トランプ大統領は、「もしあなたが正しく人道的な方法でやり遂げるなら、あなたは歴史的に高く評価されるだろう。しかし良い事をしなければ、あなたは悪人の烙印を押される」という書簡をエルドアン大統領に送り付けたそうです。クルド人たちは、シリア政府軍にも援軍を依頼、その結果、クルド支配地の半分以上はシリア政府との合同管理となり、地図上には、緑のベルトができました。
そして、シリア国内へのアメリカ軍駐留については、石油施設の保護を名目に少数で続けることになったのです。
リターン
1,500円
【学生さんへ】1,500円コース
◼︎感謝の気持ちを込めた絵はがき1枚
- 支援者
- 15人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年2月
3,000円
3,000円コース
◼︎感謝の気持ちを込めた絵はがきセット
- 支援者
- 42人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年2月
5,000円
5,000円コース
◼︎感謝の気持ちを込めた絵はがきセット
- 支援者
- 31人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年2月
10,000円
10,000円コース:アレッポの石鹸とオリジナル・ステッカーをお届け
◼︎アレッポの石鹸(エクストラ)
◼︎オリジナル・ステッカー
◼︎感謝の気持ちを込めた絵はがき1枚
- 支援者
- 29人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年2月
10,000円
10,000円コース
◼︎感謝の気持ちを込めた絵はがきセット
- 支援者
- 17人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年2月
30,000円
30,000円コース:アラブの音楽を奏でる国際派ユニットchalchal のCDまたはシリア人学生が書いた本お届け
AコースかBコースを選択していただきます。
Aコース:chalchalのCD
Bコース:アフマドさんの本(『ぼくらはひとつ空の下シリア内戦最激戦地アレッポの日本語学生たちの1800日』)
全員にお届け
◼︎感謝の気持ちを込めた絵はがき1枚
- 支援者
- 5人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年2月
30,000円
30,000円コース
◼︎感謝の気持ちを込めた絵はがきセット
- 支援者
- 1人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年2月
50,000円
50,000円コース:シリアの子ども達の絵で作ったストールをお届け
◼︎YDYの商品ストール(カラフル5枚・グレー4枚)
エシカルな商品を制作するYDYとコラボ。ダマスカスの子ども達の絵をデザインしました。
◼︎感謝の気持ちを込めた絵はがき1枚
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 9
- 発送完了予定月
- 2022年2月
50,000円
50,000円コース
◼︎感謝の気持ちを込めた絵はがきセット
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年2月
100,000円
100,000円コース
◼︎感謝の気持ちを込めた絵はがきセット
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年2月