SEIZE THE DAY「THE WORLD」Report-28

十勝は収穫の季節

気がつけば夏は駆け足で過ぎていき、朝晩はすっかりフリースのお世話になることが増えました。畑のあちこちにトラクターの音が響き、黄金色の小麦やとうもろこし畑、長芋などが、「ほら見て！」とばかりに顔をのぞかせています。

「THE WORLD」でも収穫の季節に入りました。３年目を迎える200本の葡萄樹が今年10月初収穫を迎える予定でしたが、6月に整備した葡萄畑の設計図により、やむを得ず根を切って場所を移動したことから、ストレスのかかった木に焦って実をならせないように、今年なった葡萄はそのほとんどの実を落とし、じっくりと木そのものを育てることにしました。よって、少ない量ではありますが、収穫できた葡萄の全てを２日半かけてコンフィチュールにし、近隣農家さんや、お世話になった方たちにお配りしました。

大豆畑も無事収穫を終えました。６月くらいから一生懸命雑草取りを始め、クマに怯えながら、大汗かきながら、水膨れを作りながら、本当にこの歳で、よくもこんなに一生懸命働いたなあと思えるくらいに頑張りました！体脂肪率がみるみる減っていき、毎日体重計に乗ることと、晩ご飯が唯一の楽しみでした。

十勝の魅力は単なる“豊作”ではなく、“物語”なんだと思います。畑で汗を流す人、選別する人、運ぶ人、そして最後に手に取る私たち。その一つひとつに、季節のリズムが刻まれている。野菜を煮込んでスープを作ると、味だけじゃなくて、その背景ごと心にしみてきます。

アートも同じだな、とふと思います。
作品を生み出す人、その想いを受け取る人、そして繋いで広げる人。収穫の季節のように、時間をかけて育ち、ようやく実った瞬間をみんなで分かち合える。だからこそ、観る人の胸に「きゅんっ」と届くのかもしれません。

もし最近ちょっと疲れ気味だなと思ったら、ぜひ十勝に遊びに来てください。大地の匂い、風の音、そしてあたたかい人との出会い。心の冷蔵庫にも、新鮮な“元気”をストックできるはずです。

そして私たちは、１２月から東京で開催される展覧会の仕込みも同時進行中。
久しぶりに皆さまにお会い出来ることを楽しみにしています。
季節は巡り、収穫の秋。あなたの心にも、思いがけない実りが訪れますように。

ではまた次回のレポートまで、皆さまお元気で！

一般社団法人Arts and Creative Mind 代表理事　杉本志乃　
理事　萩中華世

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