ナイロビから、稲場雅紀です。昨日(8月28日)、ナイロビのケニヤッタ国際カンファレンスセンター(KICC)で開催されていたTICAD VIが全日程を終え、終了しました。日本・アフリカの市民社会は、23-24日にアフリカ側市民社会が2日間のセミナーを開催、日本側も26-28日に連続サイドイベント10企画を開催し、また、JETROがKICC内に設けた「ジャパンフェア」にも出展しましたが、これらの企画も、無事終わりました。皆様の温かいご支援のおかげで、アフリカで開催されたTICAD VIにおいて、最大規模の市民社会の参加を確保できたこと、心からお礼を申し上げます。

1973年に完成したケニヤッタ国際会議場。なかなかの迫力です。

 

市民社会イベントは満員御礼

 

KICCからほど近くのライコ・リージェンシー・ホテルで開催された一連の市民社会イベント「CIVIL SOCIETY SIDE EVENT for TICAD VI」は、26-28日の3日間、様々なNGOが企画を持ち寄り、合計10企画が開催されました。いずれもアフリカから多くの参加者が出席し満員御礼となりました。いくつかの企画を紹介します。

 

前の新着情報で紹介しましたが、26日の「女性の健康」シンポジウムには安倍総理の連れ合いの安倍昭恵氏が参加。女性の健康やエイズの問題について「HIVに脆弱な立場に置かれている、HIV陽性者、男性と性行為をする男性(MSM)、セックスワーカー、ドラッグユーザーなどの『対策のカギとなる人口グループ』」への積極的な支援が必要、また、女性の問題を解決するには、男性が変わらなければならない、と、積極的な発言がありました。

 

27日の朝には、カメルーン、モザンビーク、ケニア、ブルキナ・ファソ、ベナンの各国から一般の農家の代表が参加し、人口の多くを占める一般の農民を中心とした農業振興、食料安全保障、土地の権利や食料主権の確立を訴えるシンポジウムがありました。TICAD関連の農業・栄養などのシンポジウムの多くは、農民自身が訴えるのではなく、国際機関や企業などが、「こんなこと、あんなことをしてあげる」というようなものが多いところ、各国の農民のグループの生の声を発信するイベントは非常に価値あるものだったといえます。

 

それを引き継いで、「持続可能な開発目標」(SDGs)についてのシンポジウムがありました。アフリカでは、各国がSDGs推進に向けて取り組んでおり、それに働きかける市民社会の動きもあります。国連でSDGsを推進する「SDGsアクション・キャンペーン」や、ケニアでSDGsを推進する「SDGsケニア・フォーラム」から、アフリカの市民社会がどうSDGsに取り組んでいるかの報告があり、日本の市民社会としても学ぶべきものがありました。

 

27日午後には、アフリカの保健状況を自分たちの力でどう改善していくか、というシンポジウムがありました。「グローバルファンド」(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)のマーク・ダイブル事務局長が基調講演を行い、ケニアのHIV陽性者の代表としてモーリーン・ムレンガさんも発言を行いました。「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」、つまり、すべての人がお金の心配をすることなく質の高い保健医療を受けられる体制をどう作るか、その課題を、「市民社会」として考え、取り組んでいくにはどうするかが議論されました。

 

市民社会イベントで登壇したマーク・ダイブル・グローバルファンド事務局長

 

28日には、ミレニアムプロミスジャパン、日本ソマリア基金のイベントが行われたほか、アフリカと日本のユースの対話イベントが開催され、TICAD VIに向けたユース宣言が採択されました。このように、市民社会のイベントはいずれも盛況で、ハイレベルな参加者も迎えながら、TICAD VIに対して、市民が自分たちのアジェンダを話し合い、取り組んでいくことができました。これは画期的なことだったと思います。

 

TICAD VIの方は…?

 

TICAD VIは二日間の日程で行われました。こちらについては、採択されたナイロビ宣言や、開会式での安倍総理の演説の内容など、私たちとしてもしっかり受け止め、分析していかなければならないことが残っています。これについては帰国後しっかり掲載していきたいと思います。

 

27日の午後3時~6時までの、産業化、保健、社会の安定に関する3つの分科会では、市民社会はいずれも発言することができ、それぞれの議題に関する市民の声を響かせることができました。

 

TICADの議場で。アフリカ市民社会の代表たち。

 

28日の記者会見に向けて、アフリカ・日本の市民社会は、TICAD VIの成果について現時点での分析を行い、市民社会としてのこの段階での評価を「共同声明」として発表しました。これについては、現在日本語に翻訳中ですので、翻訳が終わり次第お知らせします。

 

いずれにせよ、アフリカ初の開催となった第6回TICADは、市民社会としては悲喜こもごもの形で終わりました。充実した形で1週間を過ごせたのは、皆様の御支援のおかげです。ここに改めて、お礼を申し上げます。

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