科学が紐解く、日本刀の強さの秘密:「曲がらず」の解明

寄付総額

895,000

目標金額 600,000円

寄付者
66人
募集終了日
2024年2月2日

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2023年12月19日 19:14

本研究の概要 「折れず曲がらず」の対極にある日本刀の形状

 本研究は,日本刀の刀身の曲げ強さに注目した研究となり,主な分析対象は刀身の形状(姿)と曲げに対する強さの関係となります。日本刀の様に細く長い物体は形状的にとても弱いため,曲がりやすく,そして折れやすいです。例えば,割り箸を二つに折ることは比較的容易ですが,二つに折ることで短くなった割り箸をさらに折るためには大きな力が必要になります。細長い物体は長いほど折れやすくなります。

 

 日本刀の性質は「折れず・曲がらず・よく斬れる」と評されますが,実は「折れず・曲がらず」の対極にある形状が日本刀です。加えて,後述する素材となる鋼の特性の観点からも「折れず・曲がらず(よく斬れる)」は同時には実現できないはずの特性です。では,どの様にして日本刀は「折れず・曲がらず・よく斬れる」を実現しているのでしょうか?本研究では,この「曲がらず」について,コンピュータ内で日本刀を仮想的に再現し(シミュレーション),日本刀の強さの秘密に迫りたいと考えています。

 

 日本刀の刀身の姿は時代や地域によって大きく変化し,この変化は武器としての扱い方の変化に対応している,ということはよく知られています。工学的に考えると,形状の僅かな変化すらも刀身の強さに影響する可能性があります。ならば,前述の姿の大きな変化だけではなく,我々が単なる作風の違いと捉えてしまっている僅かな姿の違いすらも,実は刀匠が明確な意図を持って造り上げたかもしれない,と個人的に感じています。

 

 そこで,本研究のシミュレーションでも用いる有限要素法と呼ばれる分析方法を用いて,簡易的な分析を行いました。日本刀の様な細長い物体に力を掛けた時,どの位変形するかを分析しました。寸法は日本刀に近いものとし,厚さを6mmと8mmの2条件に変えた分析を行いました。斬るを模して先端に上向きの力を掛けた時に生じる反りは,厚さ6mでは4mm,厚さ8mmでは3mmと極小さいものでした。しかし,側面に力を掛けた場合は厚さ6mmで100mm,厚さ8mmで43mmと大きな反りが生じ,厚さが僅か2mm異なるだけで2倍以上の変形が生じました(もう少し詳細な分析結果は,後日,活動報告に掲載予定です)。実際の日本刀は刃先や背面(棟)が薄くなるため,形状的にはもっと弱くなります。長さや幅も曲げに対する強さに大きく影響します。また,鋼の性質を考慮すると,大きな変形が生じる前に折れてしまうと思います。おそらく刀匠達は,少しでも高いレベルで「折れにくく・曲がりにくく・よく斬れる」を実現するため,刃先の鋭利さや実用的な重量バランスを満たしながら,できるだけ曲がりにくく・折れにくい形状を模索しながら作刀を続けたのではないでしょうか。我々が思っている以上に武器として作刀されていた時代の日本刀の形状は緻密に計算されたものなのかもしれません。本研究の目的の一つは,刀匠達が目指した日本刀の姿を探ることでもあります。

 

 

有限要素法で分析した形状と力の掛け方。長さ700mm,幅30mmとし,厚さは6mmと8mmの2通りで分析。先端に掛けた力は約10kgです。

 

 

力を掛けた時の変形の様子。上図「斬る」では横から見た様子,下図「側面で受ける」では上から見た様子です。

 

 物体の形状と強さの関係を扱う学問分野は材料力学と呼ばれ,実は日本刀に対する基礎的な検討は既に行われています(例えば,臺丸谷政志,『日本刀の科学』,SBクリエイティブ)。しかし,これらの研究では鋼の強さや日本刀の複雑な内部構造は考慮されていません。例えば,硬い鋼を用いれば同じ形状・同じ力を掛けたとしても曲がりにくくなります。しかし,硬い鋼は壊れやすくなるため,日本刀は部位によって鋼の強さを緻密に変えています。日本刀は,形状・鋼の強さ・構造が三位一体となることで「折れにくく・曲がりにくく・よく斬れる」を実現しています。今回の研究では,日本刀の強さの秘密である三位一体となった条件「形状・鋼の強さ・構造」の全ての要素を考慮した条件で刀身の曲げに対する強さを詳細に分析します。おそらく,日本刀に対するこのような分析は世界で初めての試みとなります。なぜなら,この分析を行うためには,日本刀へと鍛え上げられた鋼の強さを正確に把握する必要があります。従前の研究ではこの強さが不明だったため,工学的に日本刀の強さを定量的に分析することが不可能でしたが,この強さを前回のクラウドファンディングで明らかにすることができました。前回の研究知見を発展させて,日本刀の強さの一端に迫りたいと考えています。

 

 具体的な分析は,日本刀の形状として刃長や反り,重ねなどの各条件,鋼の強さ,構造(造り込み)について,種々の条件を変化させ,それぞれが刀身の曲げ強さに対してどの様に影響するかを評価する予定です。詳細はプロジェクト概要下部の「具体的な解析方法」に記載をしています。分析条件の案を表にまとめたものを示します。

 

シュミレーションで分析を予定している条件案

ギフト

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お気持ちコース

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10,000+システム利用料


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【スタンダードコース】研究成果の報告 + ホームページ内へご芳名掲載

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【ブロンズコース】研究成果報告書の解説動画をオンライン配信

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【シルバーコース】日本刀の製法を科学的に解説する講義のオンライン配信

【シルバーコース】日本刀の製法を科学的に解説する講義のオンライン配信

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寄付者
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【ゴールドコース】学会発表・論文などの謝辞へのご芳名掲載+お好きな日本刀一振りの曲げ強さを評価

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●学会発表・論文などの謝辞へのご芳名掲載(希望制)
●ご希望の日本刀一振りについて,FEMによる曲げ強度評価の実施(詳細はプロジェクトページの活動報告をご確認下さい)。結果の報告は報告書送付と同時期を予定しています。

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300,000+システム利用料


【プラチナコース】会発表・論文などの謝辞へのご芳名掲載+お好きな日本刀三振りの曲げ強さを評価

【プラチナコース】会発表・論文などの謝辞へのご芳名掲載+お好きな日本刀三振りの曲げ強さを評価

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●岐阜大学クラウドファンディングホームページ内へご芳名掲載(希望制)
 ※「ご芳名掲載」に関しましてはリターンのお届け先として登録されているお名前が掲載されます。
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●ご希望の日本刀三振りについて,FEMによる曲げ強度評価の実施(詳細はプロジェクトページの活動報告をご確認下さい)。結果の報告は報告書送付と同時期を予定しています。

寄付者
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