メイキングレポート第10回は3DCG担当・岸これみさんよりコメントいただきました。

 

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3DCGを担当させていただきました、岸です。

 

メイキングレポート#7で監督が触れられていたカメラマッピングを紹介させていただきます。

 

■カメラマップとは

 

基本的には、夜の野外イベントで流行った「プロジェクションマッピング」のデジタル版です。

 

建物を模して配置したシンプルなポリゴンをカメラからの視点で一枚絵として出力し美術の下絵とします。

 

下絵に様々な書き込みを行い、こんどは逆にカメラからポリゴンへと投影することで、タッチや陰影表現などの作家性をそのままに、(限定的ながら)視点移動やパース変化を実現することができるようになります。

 

 

今回の企画では、まず美術ボードが先にありましたので、手順を逆転し、ボードに合わせて建物のポリゴンを作成しました。入り組んだ街並みでダイナミックな視点移動を実現するため、画像を80種以上に分割して個別に投影する手の込んだ手法を採っています。

 

さらに監督からのリクエストに応じて、別カメラからのプロジェクションや、張り込みによる「普通の」3D表現も混在させ、完成度を高めました。工程の終盤は間違い探し状態です。

 

 

 

 

■イコライザーと映像の張り込み

 

作中の看板類に表示される映像や夜景のイコライザーは、カメラマップではなく、ポリゴンに直接画像を貼りこむ手法を選択しました。

 

カメラマップで投影したイメージを確認しならが、見た目合わせで微妙な位置調整を繰り返す、「デジタル映像」という言葉の印象とはかけ離れたアナログかつアナクロな作業の積み重ねです。

 

わずかな時間に技術と手間を手加減なしに詰め込んだ「トキノ交差」。様々な視点で楽しんでいただけると幸いです。

 

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メイキングレポート、次回もお楽しみに!