「にしなり★つながりの家」につながる出会い③ ～末っ子くん～

「にしなり★つながりの家」は大きなプロジェクトです。

なので壮大なビジョンがあって始まったと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。

 

プロジェクト概要のエピソードも含め、たくさんの親子との出会いが積み重なって、このプロジェクトにたどり着きました。

 

そんな私の原点とも言える出会いを、これからいくつかご紹介させてください。（今までのエピソードもご覧ください。エピソード①・エピソード②）

 

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エピソード③：

地域で出会い直すために ～ある家族との出会い～

 

「にしなり★つながりの家」を作ろうと思ったきっかけに、こんな出会いもありました。

 

 

猫がいっぱいいる家があったんです。それはもう20匹以上。

 

きょうだいがたくさんいるうちでした。お母さんは仕事が忙しくて、遅くまで帰ってこられない。

こども達は寂しさもあるし、「猫ちゃん大丈夫かな」と心配する優しさもあって、次々猫を拾ってくる。まわりに野良猫が多いものだからどんどん増えて、家じゅう獣の匂いがするし、フンもすごい。

 

近所の人とは付き合いがなく、その家庭は孤立してしまっていました。

 

 

その家のこどもたちは、2016年ごろからこども食堂に通ってくれています。

関わりも２年目になると、１日に数回来ることも。

ある日お母さんが食堂で「この前、警察が来てすごく怒られたんです」と教えてくれました。

 

末っ子の、当時年長さんだった男の子が、外でお母さんの帰りを待っていたらしいんです。

真っ暗な夜の道で、仁王立ちして。

それを通りがかりの人が通報して、警察から親に指導が入った、ということでした。

 

通りがかりの人は、危ないから心配してくれたんでしょう。

でも通報の代わりに「どしたんや」と声をかけてもらいたかったなぁ、と思います。

 

「お母ちゃんもうちょっとしたら帰ってくるから、中入って待っとき」

 

そうやって声をかけてほしい。

ちょっとした声かけも、しんどい親子には、心強い支えになります。

親だけ、お母さんひとりでは、子育てを担いきれないこともあります。

地域の人もいっしょにこどもを支えられれば、こどもも親も、しんどい思いをすることが減るでしょう。

 

ただ、こどもに声をかけるハードルが高いことも、想像がつきます。

 

 

「にしなり★つながりの家」は、人と人との出会いを増やす場にしていきたいと思っています。

つながりの家で、一緒にご飯を食べて関わって、ちょっと話したりする。お互いの名前が分かるようになる。

そうしたら外でもう一度会ったときにも、きっと声をかけやすくなると思うんです。

 

こどもたちの場合も、外と食堂では話しやすさが違います。

過酷な環境で育ってきて、街中だと暴言や暴力が出やすい子たちがいます（出会っても「なんじゃぁー！」とすごんでしまうかもしれない...）。でも彼らも食堂では「○○さん、何しとるん」と、普通に話せるんです。

地域で出会い直すために、つながりの家でまず出会う。そんなイメージです。

 

いまの食堂では、こどもが入るだけでいっぱいです。地域の人までは集まれません。

小さなこどもからお年寄りまで、みんなが集まれる場所が必要です。

 

引き続きご支援・拡散へのご協力を、どうぞよろしくお願いします。