プロジェクト概要

ツナガル北方四島プロジェクト

~知床、北方四島の複層地図プラットフォームの構築~

 

北海道の北東沖に位置する、歯舞(はぼまい)群島、色丹(しこたん)島、国後(くなしり)島、択捉(えとろふ)島。いわゆる「北方四島」はもともと日本の領土ですが、現在、実行支配しているのはロシアです。
第二次世界大戦後、当時四島で約1万7000人住んでいたという日本人は北海道等に強制退去させられ(当時ソ連人は1人も住んでいなかったそうです)、現在に至る四島の返還問題、地下資源や海洋資源の権益などにおいて、とてもデリケートで、課題の多いエリアです。

私たちは、過去の地図、現在の地図を重ね合わせ、その複層したプラットフォーム・マップに歴史経過を「しるし付け」していく「ツナガルマップ」システムを開発し、すでにいくつかのサイトがオープンしています。

このマップシステムを活用して、知床及び北方四島の江戸期地図、大正期地図、現代地図をプラットフォームにして、その暮らしや生活、自然に関するコンテンツを広くWeb発信し、北方四島の問題が現在の対立から理解へ向かう関係づくりの端緒になれるような基盤を提案できないかと考えています。

 

国道334号線にある「道の駅知床・らうす」前から臨む国後島。(弊社撮影2012年)

 

 

地図を活かす。地図の意味。地図そもそも。

私たちは、地図を活用した生活をしています。特に今はスマホがあって、グーグルマップやゼンリンの地図等が大活躍しています。測量技術も発達し、衛星を使って高精度な地図を利用できます。そんな多用されている地図について、そもそもを考えてみましょう。


地図は誰でも作れるものではありません。他人の土地に勝手に入り込んで、測量することができないからです。

そうです、自分の土地や自国の領土でなければ測量はできません。過去の戦争では相手国を攻めるために、まず偵察飛行などによって空撮をし、攻撃の作戦を立てました。

例えば、沖縄ではどうだったのでしょうか?
江戸幕府が始まると、幕府は薩摩藩に命じて琉球を測量させ、その土地からどの程度の穀物や税金が得られるか調べさせています。この地図製作と調査は沖縄に限らず、全国で行われました。江戸時代には、何度かそれぞれの藩に命じて行っています。自国だからこそ、測量し、地図を作ることができたわけです。
このような歴史から、沖縄の場合
・琉球王朝時の色彩豊かな古地図
さらに
・明治期に帝国陸軍陸地測量部が測量制作した当時極秘扱いだった古地図
そして
・太平洋戦争で敗戦ののちに、連合国に支配されアメリカに統治された時代には英語で表記された米軍作成地図
等が存在します。

このように地図は、国土、領土、主権という歴史経過や都市開発、計画や実施と強く関係し、また人々の暮らしと密接につながっています。
沖縄がそうであったように、知床・北方四島もそうです。
地図は、戦争や平和を繰り返した地域の歴史を伝えてくれ、未来の在り方を考える力を持っています。

 

 

沖縄本島PFサイトの大正後期地図の表示画面イメージ
 
沖縄本島PFサイトの米軍統治時代地図の表示画面イメージ

 

沖縄での複層地図を使った活動事例

ツナガルマップシステムの運用は、沖縄から始まっています。何故沖縄なのか? 沖縄の地図の有りようについてはすでに触れましたが、沖縄はかつて琉球王国でした。独自の文化が栄え、現在も多くの名残があります。日本国沖縄県となってからは、第二次世界大戦による惨禍を経験し、米国による統治の時代もありました。そうした歴史が、現在の沖縄を形成しており、いまを生きる人々が未来の沖縄をつくっていきます。ツナガルマップシステムをスタートするにふさわしいと、私たちは考えました。

 

それでは現在、沖縄でオープンしているサイトをいくつかご紹介します。

 

ツナガルマップ【沖縄県立博物館・美術館 博物館常設展示ガイド】

 

複層マップの仕組みを簡単に説明します。

これは王朝中期の古地図です。一枚目の図の右側に番号のついた項目が並んでいますが、この時代に関連する項目がこの古地図にマッピングされています。地図上のポイントをクリックすると、右の欄にその項目の解説、関連する写真などが表示されます。

 

これは、現代地図です。時代ごとの地図にマッピングされた項目は、すべて現代地図に反映されます。それに沿って、各地を訪ねて廻ってみるという楽しみもあります。

 

ツナガルマップ【ユンタンザミュージアム時空マップ】

読谷村にある世界遺産座喜味城跡 ユンタンザミュージアムの案内サイトです。読谷村の歴史や文化に時代と地理を理解して触れ、楽しんでもらう目的で開設したものです。

 

ツナガルマップ【沖縄県立コザ高等学校 地域学習プロジェクト】

コザ高校では、ICT教育のツールの1つとして、ツナガルマップシステムを採用しました。生徒たちがグループに別れ、テーマを決めて自分たちが暮らす沖縄市について調べ、見聞きした結果を地図上にまとめた成果です。13個のサイトがあり、ここに示したサイトは、そのうちの1つです。

 

コザ高校の授業風景の1つで、ツナガルマップシステムの仕組みを学んでいるところです。前にかけられた紙は、左から王朝初期、王朝中期、大正後期、米国統治、日本復帰、平成初期、現代の地図です。基本を理解した上で、パソコン上でのマッピングに挑戦します。

 

 

ツナガルマップ総合案内サイト

https://www.tsunagaru-map.com/

ここで示した事例以外にも現在公開中のWebサイトへのリンクがありますので、ぜひサイト内の「サイトリスト」ページをご覧ください。

 

 

ツナガル北方四島プロジェクト

~知床、北方四島の複層地図プラットフォームの構築~

 

プロジェクト概要

 

使用する地図は、大正11年に測量した歯舞群島、色丹島、国後島、択捉(えとろふ)島の5万分の1の地図を平成3年に修正した国土地理院旧版地図と、国立公文書館所蔵の蝦夷諸島図に加え、オープンストリートマップです。使用するシステムは、これらの地図を重ね合わせて、表示切替されるプラットフォーム・マップに、地点ごとにコンテンツを貼り付ける「ツナガルマップ」(弊社開発済み)です。

 

地点ごとのコンテンツは、

・交流事業などで得られている現地写真と解説文

・地名解説と現地写真

・旧島民の生活の記録

・古文書に出てくる地点の記述

・自然豊かな動植物の画像

などです。

以上によって、

 

北方四島の過去の事実を具体的(測量地図、地点、写真等の画像、時期、文章)に示し、現在と未来の姿を考えるための基礎が共有できるサイト提供を目指します。

 

また、将来ビザなしで北方四島に私たちが旅をすることができるまで、旅行ガイドブックの役割を果たし、学校教育においてもICT教育と総合地理学習の教材になれるようコンテンツの充実を図ります。

 

補足ですが、現在、国内において日本人が閲覧するグーグルマップの北方四島は、「白」になっています。情報が皆無です。グーグル社においても非常にデリケートな問題であることを示していると共に、このエリアにおける基礎的情報が共有されなければ、そもそも相互理解のはじまりにもなりません。私たちの構築するWebサイトは多言語サイトで、ミッションを持っています。

 

 

プロジェクト仕様詳細

 

■複層地図制作エリア

 下図の赤枠エリアを予定

 

 ※国土地理院 現代地図

 

■使用地図(予定)

 ・官板実測日本地図(三)蝦夷諸島(慶応3年・1867年)

  ※国立公文書館所蔵 使用許可確認済み

 ・国土地理院旧版地図 大正時期(大正11年/13年測量地図等の合成地図)

  ※2019年3月10日までに複製承認を受けます

 ・現代地図:国土地理院地図、オープンストリートマップ

  ※公開API及びタイル画像の利用につき使用許可不要

 

■資金使途

 ・上記地図の使用申請費

 ・上記地図(紙媒体)のデジタルスキャニング

 ・デジタルデータの張り合わせや補正・調整作業

  (5万分の1地図をスキャンする場合は約70枚のデジタル処理等)

 ・貼り合わせたデータのタイル化作業

 

■クラウドファンディング目標調達金額

 30万円

 

■スケジュール

 ・2018年10月~12月 資金調達、過去地図調査、利用申請、コンテンツ調査
 ・2019年1月~2月 デジタルスキャン作業、システム・Webサイト設定
 ・2019年3月 Webサイト公開、プロジェクト実施完了

 

■プロジェクト実施完了

 2019年3月10日までにWebサイトを公開することによって実施完了とします。

 


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