今回買い戻す予定の九五式軽戦車の、これまでの来歴についてご紹介いたします。

 

※いままでプロジェクトページに記していたものと同内容ですが、このたびページを大刷新したことにともない、こちらに転載させていただきます。

 

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■1981年

 

ミクロネシア連邦ポンペイ島は、太平洋戦争中、南方の島々でも連合軍の上陸作戦が無く、地上戦が行われないまま終戦を迎えた場所です。ここには現在も15台程の九五式軽戦車が残されています。

 

1981年、元アメリカ軍人の厚意により、同島から日本に2両の車両が返還されました。1両は再塗装されたのち、ふたたびポンペイ島に返還。もう1両は、1986年から「京都嵐山美術館」にて展示されていましたが、1991年に同館は閉館。その後、和歌山県の「南紀白浜ゼロパーク」へと移管されました。

 

ポンペイ島に残された九五式軽戦車たち(2016年現在の様子)

 

昭和56年にポンペイ島から一時帰国し、修復と再塗装がされたあと返還を待つ九五式軽戦車(現在は、ポンペイ島の観光センターの横に展示されている)

 

 

■2004年

 

しかし、2004年、その南紀白浜ゼロパークも閉鎖。

 

行き場を失った車両を購入したのは、英国人の愛好家O氏でした。せっかく日本に帰還した唯一の九五式軽戦車は、こうして再び日本を離れることになってしまったのです。

 

イギリスに向けて旅立つ九五式軽戦車

 

実は、このとき私たちも「購入したい」と手を挙げたのですが、タッチの差で間に合わず、国外流出を許してしまいました。この悔しさが、現在のNPO設立のきっかけの一つでもあります。

 

私たちも、NPO立ち上げ後の2010年から、O氏に対して「再度日本に返してくれないか」とたびたび交渉を続けてきましたが、受け入れてはもらえませんでした。

 

一方で、ポンペイ島に残る他の九五式軽戦車の返還は叶わないだろうかと働きかけもしていましたが、こちらも交渉は遅々として進みませんでした。現地の方々は温かく迎え入れてはくれるものの、返還については一貫した態度で、「日本に返しても面倒を見切ることができないなら、最初から渡すわけにはいかない」。2004年に日本人が車両を手放してしまった事実は、それほどまでに重かったのです。

 

2005年、イギリスに到着した九五式軽戦車

 

■2017年

 

さすがに九五式軽戦車は諦めるしかないか……と考えていた折、2017年に、当のO氏から「やはりこの戦車を購入しないか?」と連絡がありました。「ただし、車両の修復費用もサポートしてほしい」と。

 

実は、2005年に英国に到着した車両は、当初想像していたよりも状態が悪く、英国内での作業を断念したO氏は、すぐに修理をポーランドの専門業者に託すことにしたそうです。

 

修理前の九五式軽戦車。内部を見ると、ポナペ島に残された車両の中でも一番状態が良い(部品が盗まれたり、無くなったりしていない)ものが選ばれ、返却されたのだと分かる

 

エンジンはもちろん、バッテリーや補器まで当時の状態のまま残っている

 

以降、O氏は10年以上にわたって修復に費用を注ぎ、完成まであとわずかというところまで至っていました。しかし、彼は他にも多くの修復車両を抱えているため、最終的にこの修理を断念。

 

中東の石油王か、ロシアのマニアへの売却が検討されていた中で、私たちNPOの存在が頭に浮かんだというのです。

 

というのも、実は彼は私たちが2014年に実施した「くろがね四起修復プロジェクト」にも協力いただいていました。

 

その繋がりから、修復作業の経過をご覧になり、我々が口だけでなく、この歴史的遺産を保存してゆく能力も組織力も持ち合わせていると判断し、「本来あるべき場所にこの戦車を返すべきだ、と考えが変わった」と伝えてくださったのです。

 

 

■2018年

 

このような貴重な車両が売買されることは滅多にありません。今回こそ、なんとしても我々日本人の手に取り戻したい。今回のO氏からの申し出は、まさに我々日本人に与えられた運命的なチャンスであり、試練であると考えます。

 

そこで、我々は有志による寄付をお願いし、2018年初夏に修復作業継続のための資金をO氏に送金しました。

 

これにより修理は再スタート。今回の修復の肝は、三菱製空冷ディーゼルエンジンA6120VD型でしたが、これも完全オーバーホールされ、2018年末に試運転に漕ぎつけました。今後は補器類の調整後に車体に搭載、2019年3月中の試運転→5月末の復元終了を目指します。

 

分解を進めて、いよいよエンジンを車体から取り外す様子

 

修理は、膨大な量の当時の資料をもとに進められている。我々も翻訳やアドバイス等をお手伝い

 

完成すれば、オリジナル三菱空冷ディーゼルエンジンで走行する旧日本軍戦車としては、世界で2番目のものになります。

 

あわせて、私たちは戦車の購入権利も獲得しました。

 

購入のために必要な資金は1億円。そのうち、5000万円を今回のクラウドファンディングで募ります。

 

※残りの額は、これまでに別途募った寄付金と、自己資金・借り入れによってまかなう予定です。

 

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