ウクライナ相撲連盟の選手が世界大会に向けて避難合宿を開始！

ウクライナ相撲の支援プロジェクト

 

ウクライナ相撲連盟は、2022年ロシアのウクライナ侵攻により、スポーツの存続危機を目の当たりにしました。2月22日の稽古を最後に避難生活が始まり、相撲を継続できなくなったスポーツ選手が相次ぎました。ウクライナ相撲連盟JAPAN事務所は、ウクライナのスポーツ選手が日本に一時的に避難をして、目指す国際大会に備えるための合宿プログラムを実施しています。

 

ウクライナ相撲連盟所属の男子選手

 

ウクライナ相撲連盟から「最後の望みをつないでほしい」と日本に支援のお願いがあったことから、今回の支援プロジェクトを立ち上げました。プロジェクトの目標は、相撲を愛し生きがいとしてきた優秀なアスリートたちの努力を形にすることです。理不尽な断念というものは、政治的思想に関わらず、選手の心を苦しめます。ウクライナ政府は、18～60歳の男性の出国を原則禁止していますが、国際大会に出場する目的のスポーツ選手には、特別な出国許可が出ています。

 

 

日本滞在スケージュールと支援内容

 

合宿の受け入れ先は相撲の聖地、大相撲の昭和の大横綱双葉山の出身地である大分県の宇佐市、江戸時代から続く乙亥大相撲の土俵がある愛媛県の西予市に決定しました。

 

大分県のニュース記事：

ウクライナの相撲選手 大分 宇佐で強化合宿へ 国際大会に向け

愛媛県のニュース記事：

ウクライナ相撲連盟ワールドゲームズ強化合宿in愛媛

 

【滞在期間】 5月26月から7月5日まで

【滞在人数】 男女相撲選手と関係者8名

【合宿協力】 大分県宇佐市、大分県相撲連盟、愛媛県西伊予市、愛媛県相撲連盟

【合宿日程】 5月26日　成田国際空港に到着、自主待機のため東京近郊に滞在

　　　　　　 5月31日　在日ウクライナ大使館を表敬訪問、記者会見

　　　　　　 6月2日　  大分県宇佐市に移動、合宿開始

　　　　　　 6月15日　愛媛県西予市に移動、合宿開始

　　　　　　 6月29日　東京に移動、東京近郊に滞在

　　　　　　 7月5日　  アメリカへ出発

【支援内容】 寄付金はウクライナ相撲連盟JAPAN事務所が実施する支援プロジェクトに充当させていただきます。

 

宇佐市のウクライナ支援の取り組み

 

 

第11回ワールドゲームズの相撲大会

 

THE WORLDGAMES 2022は、4年に一度の大会で、今年の7月7日から17日までアメリカ合衆国のバーミングハム市で開催されます。2020年東京オリンピック追加5種目は、すべてワールドゲームズ競技から採用されたことで日本でも関心が高まりました。第10回ワールドゲームズには過去最多世界102カ国と地域のトップアスリートが集結、日本からは18競技に98人が参加し熱戦が繰り広げられました。アマチュア相撲大会で最もメダル数が多い国は、1位ロシア（31個）、2位日本（25個）、3位ウクライナ（15個）であり、強豪国ロシアの国際大会への出場停止は相撲のメダル数に大きな影響を与えます。さらに日本人選手の対戦相手が出場を諦めた場合、相撲競技全体が盛り上がりに欠けるため、ウクライナのスポーツ選手がワールドゲームズの表彰台を目指すことは日本にとっても重要なことなのです。

 

2017年のワールドゲームズに出場した代表チーム

 

 

アマチュア相撲のウクライナ人気

 

ウクライナ相撲連盟は25年前に土俵1枚とまわし5枚からスタートし、現在の競技人口は子供から大人まで3000人に上ります。各地に18の相撲クラブがあり、子供が通うスポーツ専門学校では国家スポーツ指導者が相撲を教えています。日本の伝統競技は、審判に採点されるスポーツではなく、思いやる気持ちの大切さを教えてくれるという意味合いもあるため、子供教育のためにウクライナ青年スポーツ庁も積極的に相撲を推奨してきました。

 

ウクライナのジュニア相撲選手権

 

 

相撲が盛んになった理由の一つは、元横綱大鵬の父親のルーツがウクライナのハルキウ州にあることです。日本との深い繋がりに感銘を受けた元監督の故郷でもあり、ウクライナ相撲の拠点として発展しました。世界相撲選手権や女子相撲選手権でも上位を独占する強さで、ウクライナ出身の力士で西幕下17枚目の獅司大は大相撲で活躍しています。

 

女子軽量級世界チャンピオン、アリーナ・ボイコワ選手

 

 

ウクライナ相撲連盟JAPAN事務所

 

ウクライナ相撲連盟JAPAN事務所の松江ビオレッタ代表は、日本のテレビ番組コーディネーターとして現地に渡航したことがあり、2013年ウクライナ相撲選手権と2015年世界相撲選手権の代表チームを取材しました。ウクライナに相撲があることを知り、向こうの文化に触れることで選手たちとの距離が縮まり、日本との交流の輪を広げてきました。この絆があったから私の心は動かされ、今度は日本で迎え入れて多くの人に思いやりの気持ちを分かち合ってほしいと思いました。

 

大相撲力士の獅司大、代表の松江ビオレッタ、元監督

 

 

ウクライナ相撲連盟JAPAN事務所の三池崇史共同代表は、日本ロシア文化交流協会の代表として、日本とスラブ圏の文化交流を命題に掲げていて、人とのつながりや想いを非常に重要視しています。今回は地元でもある昭和の大横綱双葉山の出身地である地元の宇佐市、江戸時代から続く乙亥大相撲の土俵がある愛媛県の西予市に合宿を申し入れました。日本の国技である相撲に取り組むウクライナ人の夢を共に叶える手助けを心から望んでいます。

 

代表の松江ビオレッタと共同代表の三池哲也

 

ウクライナ相撲連盟JAPAN事務所は、ウクライナから日本への避難民に対して支援を行っている団体として、出入国在留管理庁に情報提供を行っております。

 

※注意事項

・ウクライナ相撲連盟は任意団体のため、寄附金税額控除の適用対象とはなりませんが、寄付金領収書を発行しております。寄附金領収書の名義・発送先は、原則としてご支援時にご入力の住所に郵送にて送付させていただきます。