日本に暮らす難民の皆さんに今年も温かいご飯を食べていただきたい

　2020年５月にスタートした「日本に暮らす難民の皆さんに温かいご飯を食べていただく」活動ですが、この期間に世界では２つの大きな紛争が起こりました。ロシアのウクライナ侵攻とイスラエルとハマスの戦いです。

　この状況の中で、世界で紛争で苦しむ人がいなくなることを願っていても、自分たちの活動はそのことに直接は関わることができないのか、となんとも言えない気持ちになります。

　その時にふと思い出したのが、難民支援協会でお弁当を食べてくださる難民の皆さんの様子です。

・子どもたちが朝の来訪時から「（お昼ご飯）食べる！」とスタッフに　伝えてくる様子が微笑ましい

・日本語を勉強し始めたばかりなのに「いただきます」「ありがとう」と 日本語でお礼やあいさつをしてくださる方がたくさんいる

・「今日はもうお弁当は残っていません」と言うと残念がる方もいらっしゃる

・難民の方同士で「食べる前には『いただきます』っていうんだよ」 などいうような会話が生まれていた

　生きるにはあまりにも危険な状況にいたお一人おひとりが、不安と時には微かな希望を抱いて来日なさる。ところが日本に来てからも不安のない日々は容易には訪れない。なかにはホームレス状態になったり、先行きが見えない暮らしで心が折れてしまう方もいらっしゃるそうです。

　そのような状況で難民支援協会を訪れ、お弁当を食べてくださり、例え一時でも「美味しい」「お腹いっぱい」と思っていただき、そして難民支援協会のスタッフの皆さんとあたたかい心の交流が生まれれば、人が生きるそこに平和の種がまかれたのだと思うようになりました。

　「支援」と言っていながら、実は支えられているのは自分なんだ。日々の小さな幸せに対する心からの感謝を忘れてしまう自分に、その小さな幸せの大きさを教えくださる。自分の中にある傲慢さを捨てることが、世界の平和につながる。そのためのお弁当提供活動であると思います。支えてくださる皆さんに感謝いたします。

今日も12個の温かいお弁当を届けさせていただきます。

一般社団法人United Will 代表理事　反町慶治郎