コロナ前の出産を取り戻したい｜感染対策設備導入のご支援を！

 

 

 

 

 

 

2023年3月20日に広島県東広島市で産科分娩施設を新規開業予定の占部智（うらべさとし）です。

 

私は、男4人兄弟の3男で、一卵性双生児の弟で、父の武、叔父の清も、祖父も産婦人科医の産婦人科一家に生まれました。

 

祖父は広島県三原市で産婦人科医院を開業しておりました。

 

 

 

幼少時はいつも夜中に出かけて帰ってこない父親を見てどんな仕事をしているのだろうと不思議に思っていました。当時は医者になる（なれる）とは思っていませんでした。

 

 

 

高校の時に一卵性双生児の兄が病気になりました。常に同じ人生を歩んできた兄が死んでしまうかもしれないという不安、何もできない無力な自分が情けなくてその日はずっと泣いていた記憶があります。

 

しかし骨髄移植で治る可能性のある病気だったので自分が一卵性双生児としてこの世に生まれてきた運命を感じました。一卵性双生児はいわばクローン人間であり、免疫反応も起こらないので、私からの骨髄移植で兄は持ち直し、闘病生活を乗り越えて完治することができました。（※体験談は個人としての感想・体験です。すべての人に当てはまるものではありません。）

 

 

 

この経験を通じて、病に苦しむ人に寄り添うことができる医師という職業を志すようになり、

猛勉強して医学部に合格することができました。

 

大学時代は多くの仲間に恵まれ、富士山や槍ヶ岳、尾瀬至仏山などに登ったのはいい思い出です。

 

産婦人科は当時から3K（きつい汚い危険）と言われ敬遠されていましたが、臨床実習で多くの診療科を回る中で、女性の人生に寄り添うことができ、出産という喜びに満ちた場面にも立ち会えることに魅力を感じ産婦人科医師になることを決意しました。

 

 

 

県立広島病院時代

 

父が産婦人科部長として赴任しており、同じ職場で働くことになりました。

 

産婦人科医として、父が理想の医師像になり、2日に1回当直をして産婦人科医としての腕を磨くことができました。

 

結婚して父親にもなりました。

 

父がいつも夜に出かけて帰ってこなかったのは、もしかすると飲みに行っていたのではなかったのかという疑いを持つようになりました。

 

 

広島大学　産科医局長時代

 

広島大学では臨床と研究に多くの時間を費やし、多くの同僚に支えられ産科医長として多くの患者さんの治療にあたりました。

 

死の淵に立つ妊婦さんを助けることができたこともありました。

 

多くの出会いで産科医としてさらに成長することができた、そんな時代でした。

 

 

 

16歳の妊婦さんから「先生なんで男なのに産婦人科しとるん？スケベなん？」と聞かれ、男の産科医の肩身の狭さを感じましたが、退院の時に「占部先生が担当で良かったょ」とお礼を言われたのは嬉しかったです。

 

 

東広島医療センター時代

 

東広島医療センターに赴任した年に新型コロナウイルスが感染拡大し、お産を取り巻く環境は大きく変わってしまいました。

 

 

 

妊娠健診や立ち合い出産、産後のお見舞いや育児など、人生の大事な瞬間にご家族や周りの方が寄り添うことができなくなりました。

 

これまで当たり前だったことが失われてしまったことに深い悲しみを感じ、コロナ前の出産を取り戻したいと考えるようになりました。

 

 

 

私が産婦人科医になってからも、少子化は留まることを知らず、産科医の減少も進み地方の周産期医療は崩壊寸前となっていました。

 

そんな中で、感染症対策を施して安全に出産ができる施設を作り、自分の経験や技術を地域の産科医療に生かしたいと考え、産科分娩施設の開業を決意しました。

 

東広島市は学園都市でもあり、人口増加率と出生率が高い全国でも珍しい地方都市で、産科医にとって広島県内で最もやりがいのある場所です。

 

 

 

巨額の借り入れをしてリスクのある分娩を新規開業で取り組むことに「無謀すぎる、気でも違ったのか」とも言われたりしました。

 

しかしながら、私の開業への思いが揺らぐことはありませんでした。

 

そして、多くの方の励ましと応援もあり、祖父の医院が閉院して50年の節目に占部産婦人科を再興するに至りました。

 

 

 

 

 

当院は新型コロナ禍での開業であり、感染対策を念頭に入れた施設を作り上げてきました。

 

待合室を分散させ、24時間持続換気する高機能空調網を院内に張り巡らしています。

 

またF-CON（FUTAEDA）という遠赤外線の輻射効果を利用した無風・無音の冷暖房システムを、外来診療エリアと新生児室に導入しました。

 

 

 

F-CONは常に快適な温度をキープすることができ、従来の空調のように風を発生させないためハウスダストやウイルスの巻き上がりも起こすことはありません。体の冷えやすい女性や赤ちゃんにも優しい環境で過ごしていただけます。

 

2023年になり日本もアフターコロナに向けて動き出し始めています。5月8日に新型コロナの感染症法上の位置づけを5類に引き下げることにもなりました。（出典元：https://www.mhlw.go.jp/content/001046570.pdf）

 

それに伴い、当院でも新型コロナ感染の妊婦の対応ができるように更に設備を整えていく必要があります。

 

そこで、新型コロナ感染の妊婦さんに対応できるようセントラルユニ社の簡易陰圧装置（ABHU-15）を分娩室と手術室に導入したいと考えています。

 

 

 

この装置は抗ウイルス抗菌仕様を備えたHEPAフィルターが内蔵されており（CDCガイドライン準拠）、これにより新型コロナに感染した妊婦さんまたは濃厚接触者の診察や経腟分娩、帝王切開などが院内でも感染リスクを恐れずに行うことが可能になります。

 

もちろんここまで設備を整えなくても産科分娩施設としての開業は可能です。

 

しかしながら、今までの産科医としての歩みの中でコロナの影響により不安なお産を余儀なくされる妊婦さんの姿や、人生でも非常貴重な時間を家族と共有できず悔しい思いをしている姿を見てきたからこそ、この設備を整えたいと強く思っています。

 

密にならない待合室、院内持続換気空調システム、F-CONそしてコロナ対策陰圧空調機のABHU-15があれば、コロナ前のようなご夫婦での妊婦健診受診、立ち合い出産、産後のお見舞いや付き添い、産後ケアも再開が可能になります。

 

東広島市で出産をする妊婦さんが1人でも多く、幸せなお産ができることを願います。

 

ABHU-15の導入のため、皆様ご支援をお願いいたします！

 

 

 

 

橋井康二（はしいこうじ）

医療法人ハシイ産婦人科　院長　

母体救命システム普及協議会　理事
　　　　　　　

 

 

糸賀誠（いとがまこと）

マイライフ株式会社 代表取締役　

 

 

 

入江寿美代（いりえ　すみよ）

助産師・広島国際大学助産学専攻科准教授（2023年3月末退職）/ 日本助産師会理事

 

 

 

村上まゆこ（むらかみ　まゆこ）

虹いろ助産院　院長 / 竹原市議会議員