【コラム:ハルのことだま】第2回 生産性と命の価値

みなさん、こんにちは。ハルです。
２回目となる今日のコラムでは、生きる意味について私の独断と偏見で語ろうと思います。
※注意書きです。今回のコラムには、知的障害者福祉施設に関する殺傷事件の内容が含まれています。この記事は、この事件での犯行の是非を問うものではありません。

2016年に、ある知的障害者福祉施設で、
施設の元職員だった人物によって当時入所していた障がい者計１９人が殺害されるという事件が起きました。
犯行に及んだ動機として「意思疎通のできない重度の障害者は不幸かつ社会に不要な存在であるため、重度障害者を安楽死させるべきだ」といった内容が世間に公表されました。
これを受けて、数年前に見たあるテレビ番組で「生産性と人の命の価値には関連性があるのか？」というような話が議論されていました。
その当時、このテレビ番組に出ていたインドのお坊さんが言っていた言葉がとても腑に落ちたので、今回はそちらをシェアしたいと思います。

＊＊＊

そもそも人間の命に価値などない。
人類というのは、原始時代の後に言葉が生まれ、言葉が生まれた事で「概念」が生まれ、
「概念」が生まれたことで他人と価値観を共有できるようになった。
「生産性」という概念は「命」の後に生み出されたもので、「命」は最初に、ただそこに存在していた。
「生産性」が低い/高いからと言って人の命の価値に順序をつけるのは、根本的な考え方として順序が間違っている。

＊＊＊

数年前に見た番組なので記憶がおぼろげですが、大体こんなようなことを言っていました。
私はこれを聞いた時、本当にその通りだなと思いました。
よく「人それぞれ違った価値がある」「価値がない人間なんていない」という言葉を耳にしますが、
私からすると、耳触りが良いだけで何を言っているのか良くわかりませんでした。
でも、最初から意味なんてなくて良かったんだ。
私たちは自分が意図しないタイミングで自然発生的に生まれ、大体は意図しないタイミングで亡くなっていくんだ。
ただの現象だったんだ。
と理屈で納得できたことで、ストンと腹落ちしたんです。同時に肩の荷も降りたような気がします。
「意味も価値もなく、ただそこに存在していい」と言ってもらえたようで嬉しかったです。
これは「生の圧倒的な肯定」だと思います。
だから、勉強や仕事で、あるいは休日の過ごし方においてまでも、「今日は生産的に過ごせなかったな」と思う日があるかもしれませんが、
そんな時は「生産性と私の命の価値は関係ない！」と唱えて自分を責めないようにしましょ。笑
死生観については色々な考え方があり、経験や状況によっても変化するものだと思います。
絶対的な正解・不正解はなく、私とは違う考え方もまた一つの正解だと思います。

みなさんはどんな死生観を持っていますか。
ではでは、また次回お会いしましょう。