【コラム：ハルのことだま】第6回 夢を見れない国

みなさん、こんにちは。ハルです。

今日は6回目のコラムです。

 

先日、youtubeで『風と共に去りぬ』を日本語に訳した翻訳家の鴻巣友季子さんの対談動画を見ました。

鴻巣さんはその動画の中で、

「私が"やりたいことが見つからない"とぼやいていた19歳の頃は1980年代で日本経済が良く、フリーターでちょっと仕事をするだけでも食べていけるご時世だった」

「今は経済も悪化しているし円も安いし、バックグラウンドのシビアさが私の頃とは全然違う」と言っていました。

 

最近の若者は夢を見なくなった、冷めている、悟り世代、という言葉をたまに耳にするけど、私は「現実しか見れない国」になったってことなんじゃないかなと思います。

「今はモノが溢れている」「なんでもある」「いい時代になった」という言葉を聞くたびに心がモヤモヤすることがあったのですが、鴻巣さんのこの言葉を聞いてやっぱり日本の経済は厳しくなってるんだな、と思いました。

 

これは日本だけではありません。

 

中国では、名門大学を卒業しても就職すら出来ない、公務員にもなれない、そんな頑張っても報われない若者たちの間で「躺平（タンピン）族」（寝そべり族）というネットスラングが数年前に流行りました。

卒業式の日に自分達が校庭に寝そべった写真をSNSにアップする人も続出しました。

中国ではデモの取り締まりや言論統制が激しく、政府に真っ向から反対することも出来ないために、「何もしない」ことで国へ意思を表明しているそうです。

 

また、韓国では、出生率が0.55%にまで下がり、このままだと人口減少で消滅する最初の国になると言われています。

子供を育てて苦労するならペットを飼うという若者も物凄く増えているそうです。

 

はたまたアメリカでは、私と同世代の人たちが「DOOMER世代」と呼ばれていて、出世・結婚・子育てなどを諦めて世界の終焉を願っている人たちだとされています。（これは数年前の流行ですが...）

 

私自身も日本で今を生きていて、「男女平等社会実現の末に女性の社会進出が可能になったんじゃなくて、男性が一馬力で家族を養える状況じゃなくなって労働者の総数を増やさなきゃいけなくなっただけなんじゃないか？」

「未婚子なしの生き方をする人への風当たりの強さが昔より穏やかになったのは、多様性とかではなく"産めばなんとかなる"社会が終わったからなんじゃないか？」と感じます。

 

日本で生活している20代以下の人たちは「景気が良かった時代」「バブル期」「頑張ればその分だけ何かが手に入った時代」を体感したことがないのではないでしょうか。

だから、大きな何か（夢や自己実現）を手に入れるために、自分の人生のうちの数年間を賭けても良いと思える人が少ないんじゃないんでしょうか。

 

だからこそ、誰でも軽率に夢が見れるような国になるといいな、そのような国にしていかないといけないなと思います。

この活動がその一助になれば嬉しいです。

 

今日も読んでいただきありがとうございます。

では、また次回のコラムでお会いしましょう！