【コラム：ハルのことだま】第3回 見なくていい過去もある

「見なくていい過去もある。それよりも君には未来がある。」

 

みなさん、こんにちは。ハルです。

今日は3回目のコラムです。

今日は私と同じサバイバーの方(逆境体験がある方)向けに書いてみたいと思います。

 

突然ですが、冒頭の文章、素敵な言葉だと思いませんか。

昔観た「わたしを見つけて」というドラマに出てくるセリフです。

 

私はこのセリフを聞いた時、何か救われた気がしました。

よく「あの時があったから今がある」という言葉を耳にしますよね。

トラウマに関しては、一概には当てはまらないと思っています。

経験しなくて済むなら、経験しないほうがよかった。そうじゃないですか？

肯定なんて出来なくていい、誰にも言わなくていい、見ることすらしなくていい、意味を見出したり前向きに捉えたり出来るレベルのことじゃない。

悔しいけどこれが現実だと思います。

 

でも、トラウマ的な出来事自体を肯定できなくても、それを抱えたまま生きている自分を誇ることはできます。

 

私は少し前からカウンセリングに通っていて、トラウマ治療に取り組んだことがあります。

トラウマについてカウンセラーに話すときは、必ずそのセッションの最後にやることがあります。

思い出した記憶を頑丈な鉄の箱の中に入れてテープでぐるぐる巻きにして、地下深くに穴を掘り、そこに埋めて二度と出てこないようにする想像をするんです。

こういう治療法みたいです。

トラウマ記憶が日常生活の中で勝手に出てこないようにするためでしょう。

 

ただ、私はこれが物凄く苦手で、どんなに地下深くに埋める想像をしても勝手に出てくる気がしてなりませんでした。

結局、その時の私には負担が大きすぎて一旦トラウマ治療は中断しました。

 

見ることもできなければ、見ないようにすることもできない。

なんて厄介なんでしょう。

こんなものを自分の責任に関係なく、勝手に誰かに背負わされた私たち(サバイバー)は本当によくやっていると思います。

(正直言って良い迷惑ですけどね...笑)

サバイバーはその名の通り、毎日存在しているだけで、「生き延びる」という偉業を達成しています。

「自分が生きていること」に違和感や、自責の念や、疑問を感じずに生きてこれた人たちにとっては、生きていることは当たり前のことかもしれません。

でも、「もしかしたら死んだ方が楽かもしれない」という中で、常に「生きる」方の選択肢を選び続けるのは大変なことです。

誰も褒めてはくれませんが、自分はその大変さを知っているので、たまには自分を褒めてあげたいですね。

 

もしこれを読んでいるあなたが過去に辛い思いをして、そのことを誰かに打ち明けた時に

「その経験があったから今の君があるんだね」なんて言ったとしたら、そしてそれにあなたが少しでもモヤッとしたなら、私が代わりに怒りに行きます！

もしくは愚痴大会を開いて一緒に怒りを爆発させましょう！笑

 

少し荒れてしまいましたが(笑)、今日も読んで頂きありがとうございます。

ではまた次回のコラムでお会いしましょう。