フランス語版企画書に感謝が絶えません

パリへ向かう飛行機の中で、ふと両親のことを思い出しました。旅好きだった二人は、国内旅行をよくしていました。でも海外へ出かけることは全くなく、そのまま人生を終えました。

だから、自分がこうしてパリに向かっていることが、何だか不思議なことのように急に感じられたのです。

英語もおぼつかないのに、フランス語はさっぱりです。縁もゆかりも、知人の一人もパリにはいませんでした。

それなのにどうしてパリのキリスト教チャーチ、ユダヤ教シナゴーグ、イスラム教モスクで、平和揮毫を毎年開催しようなどと、突拍子もないことを思いついたのだろう。しかも思いついただけでなく、それを実現させるために、今こうしてパリへ向かっている自分がいます。今ここでやめたからといって、生活に何の不便もありません。

でも、その一方で今回、シナゴーグのラビ（ユダヤ教聖職者の名称）に会うにあたり、たくさんの方々が仲介して下さり、しかもラビが英語を話さないということで、急遽、英語版の企画書を、麗子さんが身内と手分けして仏訳して下さいました。

こうした皆様からの感謝に絶えないご厚意が、ふと冷静になり、未知の事に対して、怖れを感じていた自分に力を与えてくれます。