「世界平和の祈りinパリ」来年に向けて

パリから帰国して10日が経ちました。やっと後処理の目途が立ちました。
渡航中は無我夢中だったため、一つ一つを噛みしめる余裕はありませんでしたが、リポートを作成しながら、いろいろなことに気づきました。

まず8月26日を軸にして開催したことは大正解でした。
この日はフランス人権宣言が採択された日です。天皇誕生日や建国記念日を知らない日本人が多いように、私が会ったフランス人でもこの日を知らない人がほとんどでした。

ですから敢えてイベント開催には本来不向きな、バケーション・シーズンを選んだ理由を、人権宣言を採択したフランスに敬意を表するためと説明すると、多くのフランス人は自分たちがそれを知らないことを恥じ入ると同時に、私たちの趣旨に感激して下さいます。

2番目は各宗教施設でそれぞれの教えを、書家に揮毫してもらったことも大正解でした。
ユダヤ、キリスト、イスラムの教えの中には、その宗教の信者でなくても、万人に共通の尊い教えもたくさんあります。
それを私たちがクローズアップして揮毫する取組に対する感謝の気持ちは、三大宗教を結ぼうとする私たちへの信頼にもつながっているということです。

そして、3番目。全くの中立の立場で、宗教とは異なる書道という分野で、ヨーロッパから遠く離れた日本人書道家たちが、それぞれの教えを学び、揮毫し、そのことで三大宗教を結ぼうとするイベントは、彼らにとっては想像以上に、前例のない斬新な企画だったようです。それがさまざまな連鎖反応と未知への期待感と高揚感を生みました。
その結果、蓋を開けてみれば、三大宗教のパリで最も大きな施設で一民間グループが、予想外の丁重な扱いを当日に受けることになりました。