4匹の猫に適切な医療を

▼自己紹介

 

こんにちは。はじめまして。

東京都府中市 飼い主のいない猫協力団体「せぴうるにゃん府中」代表の渡邉と申します。

東京都動物取扱責任者、第一種動物取扱業、愛玩動物飼養管理士取得済みです。

 

猫の保護・譲渡、TNR、ミルクボランティア、一時預かり、看取り、犬のシェルターのお散歩、掃除、撮影等のボランティアをしております。

過去に自宅で保護した動物は60匹、シェルターでお世話した動物は約50匹になります。

 

過去には首の骨が脱臼して全身不随の保護猫「カケル」のために100万円の募金を集めた経験と、傷病猫・老猫をケアするための資金を募るクラウドファンディングと、野良猫をおうち猫にするための資金を募るクラウドファンディングをReadyforで成功させた経験があります。

 

どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

 

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 

捕獲の様子と検査結果等は長くなるので、まずはきっかけについてお話しします。

 

2023年6月末「１ヶ月くらい前に子猫が2匹ほど産まれたようだがペット不可＆先住が猫嫌いで保護できない、他にも未避妊の猫が何匹かいるどうしよう」と連絡があり、代表の渡邉が捕獲に向かいました。

そこで保護されたのは「ホルネル症候群」を患った母猫と、生後1ヶ月の腎臓が悪い3匹の子猫。

1匹は炎天下の現場で既に息絶えており助けられませんでした。

その4匹にかかる医療費と飼育管理費を集めるべくプロジェクトを立ち上げました。

 

 

以下、捕獲の様子になります。

一部ショッキングな内容が含まれますので、ご注意ください。

 

 

2023年6月24日

 

夜中に団体さんから捕獲器を借り、朝万全の体制で出発。

現地に着くとまず、子猫も母猫も見当たらない。

あの辺で声がしたとか少し前までこの辺にいたとかの情報はあるけど一向に見つからない。炎天下。

仕方が無いので焼かつおを一切れずつ、目撃情報があった場所に置き、消えるか見ると同時に、いつもの餌場に捕獲器を設置。

入ってほしいのは2匹の子猫の母猫。

身を潜めて5時間、ガシャンという音が聞こえて「かかった」という掛け声と共に捕獲器の元へ駆け出します。

かかったのは、2匹の子猫の母猫。母猫に子猫を呼び出してもらおうという作戦です。

 

しばらくして近所で子猫の姿を探していた依頼者さんが「子猫の声がする」と。

慌ててそこへ向かい、録音してある母猫の声を流したところ、たしかに返事をする。

が、近隣住民のおうちの敷地内で、手が出せない。

しばらく敷地から出てくるように誘導しましたが無理で、仕方なく住民の方のお家へピンポンしに。

 

「猫の保護活動をしているわたなべと申します」と名乗ると「お前らが猫増やすから迷惑なんだよ！失せろ！！」とお叱りを受けることが多々あり、毎度ピンポンは怖いものです。

しばらく手を擦って顔をパチンと弾いた後、いよいよチャイムの前へ。

なんと「犬」マークが貼ってあったのです。

動物好きの方は、野良猫の本当の幸せを願ってくれる人が多い。保護活動に協力的なことが多い。経験則ですが。

これはチャンスとチャイムを鳴らし「猫の保護活動をしているわたなべと申します。〇〇さまのお宅の敷地内から子猫が出られなくなっているので、少しお邪魔してもよろしいでしょうか」と名乗ると「もちろんいいですよ！」と二つ返事。有難いことこの上ない。

しばらく捜索させていただいたのですが、子猫の声は目の前からするのに姿が見当たらない。

壁の中かなぁ、壁に穴あけないとかなぁとヒヤヒヤ。

家主の方が出てこられて「どのへんで声がしていますか？」「あー、そこならこっちから入り込んじゃったのかも。」「ちょっと物を退かすので待っていてくださいね。」「潰さないようにゆっくりやります。」と。

優しい家主の方に何度も頭を下げ、物を退かしていただき、いよいよ子猫の居場所がわかりました。

U字のブロックが下向きに置いてあり、3個繋がったところに、それを塞ぐように他のブロックが置かれ、どうやらそのU字のブロックの中に居る様子。子猫がちょこっと顔を見せてくれました。

退かす許可を取り、ブロックを退かし、ライトを当て、いよいよ捕獲…目の前にはバラバラになってウジが集った黒い子猫のご遺体が転がっていました。ボディブローを喰らったような。喉元まで何かが込み上げてくるような。

 

生存している子猫は奥の方に逃げてしまったので、母猫に呼び出してもらってすかさず捕獲。

「首のところをしっかり押さえて、もう片方の手で下半身を包み込むように持って、先に部屋に戻っていてください。」と依頼者さんに伝えました。

家主の方に「子猫が一匹死んじゃってます。腐敗がかなり進んでいるので、回収するために手袋とかビニールとか持ってきますので、お待ちください。」とお伝えしました。

すると「うちに全部あるんでちょっと待っててください！」と。

ショックで素早く動けなかった私は家主の方のお言葉に甘えてその場に立ち尽くしていました。

 

救えなかった。

 

１ヶ月猶予があって。

 

救えなかった。

 

捕獲器の中で鳴く母猫に「ごめん、赤ちゃん助けられなかった」と声をかけると同時に涙が溢れます。

無理やり拭って、家主の方が用意してくださったビニールと紙袋でご遺体を回収。

手を合わせて「ごめんなさい。助けられなくてごめんなさい。人間のことは許さなくていいです。私のことは憎んでいいです。お母さん猫のことだけ、許してあげてください。」と伝えました。

手にあたる骨の感触。毛皮、肉、ウジ虫か這い回る感覚。心を無にして回収を終えました。

家主の方に本当にご迷惑をおかけして申し訳ありません。近隣の猫はできるだけ避妊去勢しますので。お手数をお掛けいたしました。ありがとうございました。とお伝えしたところ「お姉さんが悪いんじゃないんだから、どうか謝らないで」と優しいお言葉が。

何度も頭を下げ、依頼者さんのお家へ。子猫をキャリーに入れ、猫が入った捕獲器2台と捕獲セット、黒猫ちゃんのご遺体を車に乗せ帰宅。

 

保護した子猫。名前は「こと」。

 

母猫の名前は「ベガ」。

 

 

黒猫ちゃんは後日火葬しました。

 

 

2023年7月3日

 

もう2匹子猫が見つかったと連絡がありました。

 

 

2023年7月4日

 

黒白の子猫はちょこちょこ姿を現すのですが、三毛の方はなかなか姿さえ見られず…

本当は黒白に三毛を呼んでもらいたかった(黒白に三毛がくっついてくるのを待っていた)のですが、黒白は我先にとご飯を食べ尽くすので、仕方なく満腹になる前に黒白を捕獲。

上手く首根っこを押さえられず、抱っこする形で捕獲したので「ギャオオオオオ」と近所に響き渡る音量で絶叫くっつき虫(植物の種)の中に居た子猫を捕まえたので、私も全身くっつき虫まみれ。

近所の人たちが何だ何だと窓から姿を現し、見守ってくださっていた方も家から飛び出し、捕まった？良かった！！と。

三毛は姿を消したので、くっつき虫を取れるだけ取って黒白だけ連れて帰りました。

 

星座関連が良かったので、冬のダイヤモンドから「リゲル」と名付けました。

 

もう1匹は昨日、明日絶対捕まえる！！絶対死なせない！！と気合を入れて、保護した時の名前を冬のダイヤモンドから「カペラ」に決めました。

 

名前を決めたからには保護して幸せにすると気合いを入れて挑んだ2023年7月5日、カペラの姿は昨日の場所には見えず。

朝から声もしないとのこと。

警戒心が強いので手での捕獲は無理と考え、昨日居た場所の近くに遠くから扉を閉められる設備を取り付けた捕獲器を設置しました。

録音してある母猫の声を流すこと数分。

 

遠くの方から返事が聞こえました。

同じお家の敷地内ではあるものの、お家を挟んで向こう側に居る様子。

母猫の声と子猫の声を交互に流し、あたかも数日前の日常が戻ってきたかのように演出。

するとわさわさと茂った雑草の中から、手前の方に走ってくる音が聞こえました。

すかさず捕獲器から離れ、遠隔装置の方へ。しかしまた声が遠のいていきます。

 

それを繰り返すこと2時間半。雨が降り出した頃、とうとう子猫がひょこっと顔を現しました。

そこには既に焼かつおを設置済み。お腹を空かせていたのでがっつきます。

それからまた奥の方に戻り、また録音してある音声を流し…

しばらく繰り返すと今度は体ごとドーンと現れました。しかし私の姿を見てパニックに。車の下に走って逃げます。

音を立てないように捕獲器を車の近くに移動。気付いた子猫は近くの茂みに逃げます。

また車の下に戻るに違いないと判断して、あまり車の近くに置くと捕獲された時のパニックで暴れて車に傷がつくので、少し離して置き、車の下から点々と焼かつおのカケラを置きます。

遠隔装置のところに戻って、また音声を流します。するとやはり車の下に走ってきました。

 

しばらーく音声を流したり種類を変えたりしながら待ち、数十分が経過したところで、子猫が点々と置いてある焼かつおに気が付きました。

がっついて食べ、目の前にもう1個あるので前に進んでがっついて食べ…それを繰り返し、いよいよ捕獲器の餌皿に気が付きました。

そっと中に入り、踏み板を踏んだ瞬間、今だと遠隔装置を作動。

ガシャンという音と共に、子猫は捕獲器に閉じ込められました。

やはりパニックになり暴れるので、すぐ回収して洗濯ネットを捕獲器の上からかぶせます。

 

諦めがついたのか、静かになった子猫と一緒に依頼者さんのお家にお邪魔し、子猫をキャリーに移します。

幸い手を出してくる様子も無く、首根っこを捕まえてキャリーに移せました。

キャリーを洗濯ネットで包み、帰宅。

 

 

現場のリアリティをお伝えするべく詳細に書かせていただきました。

 

 

 

 

 

▼プロジェクトの内容

 

まずは子猫3匹の腎臓のお話を。

 

 

2023年7月10日

 

ことがリスク5段階のうちの3で緊急入院しました。

先天性または感染性の腎盂腎炎で、腎臓の形がどう見てもおかしい。左右ともボコボコ。

 

腎エコーの画像。

※撮影、掲載は許可を取っています。

 

体温が徐々に下がってきていて、前日に点滴したのにもう脱水になっている。

腎機能に異常があるので1週間以内に退院を目指して入院になりました。

今後良くなったら、無菌状態で検査するため穿刺(せんし)で採尿して、先天性なのか感染性なのか外注の検査に出します。

感染性の場合はどんどん腎臓の組織を壊していくので早急に対応が必要。

残りの子猫2匹も先生がいる日にエコーすることになりました。

 

 

2023年7月12日

 

エコーの結果、カペラは腎臓が綺麗。

※今後2匹のように進行してくる可能性あり

リゲルは正常な腎臓と、ことの異常な腎臓の間くらいとのことで、今のところ低体温も無く、とりあえず静脈点滴と強制給餌と必要なら投薬をしていただいて、入院することになりました。

 

もし3匹のうち誰かが亡くなってしまったらの話もしてきました。

いくつか怪しい項目を決め打ちで検査して、もしそれでどれにも当てはまらなくて、先天性のものでもなかった場合。

つまり未知のウイルスや細菌で感染性の腎盂腎炎を起こしている場合、為す術なくどんどん腎臓の組織が壊れていって、亡くなってしまうだろうと…

先天性だろうと感染性だろうと、今後大変なことには変わりないです。

一生、腎臓の機能低下と付き合っていかなければなりません。

 

もし亡くなったらの話…

その場合は、生きている間より詳しい腎臓の組織の検査が出来るかもしれないので、剖検を望みますと先生に伝えました。

亡くなったことで、剖検することで、生き残った2匹の腎臓の異常への対処の仕方がわかるならば、兄妹のためになるのならば、亡くなった子も少しは報われるだろうと…

 

中学生時代、保護していた兄弟猫の一匹が亡くなった時、シェルターの代表に「もう一匹のために剖検しなさい」と言われました。

私はご遺体に亡くなってまで傷をつけるのが怖くて、悲しくて、自分の感情を優先して、目の前に残ったひとつの命をおざなりにしてしまいました。

「そのままではいつか絶対剖検しなかったことを後悔する日が来る。保護活動をするならば、命を預かるならば、それまでに絶対克服しなさい。」と強く言われました。

亡くなった場合の剖検を希望出来たのは、その時の苦い記憶があったからです。

 

 

2023年7月14日

 

こととリゲルが退院しました。

2日に1回の点滴を続けて、7月19日に再度エコーと尿検査をすることになりました。

3匹とも再会を喜ぶようにはしゃぎまわって、お昼ご飯を食べて、その後は安心しきった姿でお昼寝していました。

 

 

2023年7月19日

 

ここからが最新の検査の結果です。

 

外注の検査の結果、考えられる感染性のウイルスはどれも陰性。

まだ先天性のものなのか感染性のものなのか判断がつかない状態です。

 

エコーの結果、ことの腎臓はもうこれ以上組織を破壊できないくらいの状態なので前回と変わらず。

リゲルは腎臓が少し腫れて状態が悪くなっていました。

 

尿検査の結果は念の為にやったカペラも含め3匹とも潜血あり。

不純物が混ざっている可能性もあるし、腎臓から出血している可能性もあるとのことでした。

ことの尿だけ明らかに薄い。比重も低い。

点滴や食事内容が関わっている可能性があるので、一週間後に穿刺(せんし)で採尿して外注の検査に出すことになりました。

 

体重はことが1.0㎏。

リゲルが1.5㎏。

体格差が明瞭に出てきました。

 

 

 

ここからは母猫の「ベガ」のお話です。

 

 

2023年6月29日

 

リターンまで預かっていただく予定だったのですが、依頼者さんから「快適な家の中を知った後、また過酷なお外生活に戻すのは怖い」とのことで、検査＆駆虫＆ワクチンを済ませてきました。

 

…のですが、どうもベガの右目、瞳孔の大きさや位置がおかしい。

もしかしたら視神経がやられているのかもしれません。

猫のことを考えたらリターンしなくて正解だったと思います。

けどキャパと経済状況的に厳しい道程になりそうです。

かかりつけの神経科と眼科の先生が揃うのが最短で7月5日(水)とのことなので、その日に予約を取りました。

 

 

2023年7月1日

 

急を要する可能性があるとのことで、7月5日を待たず神経科の先生に診てもらいました。

 

診断としては、ホルネル症候群の可能性が高い。

 

本格的な治療は基本的に万単位になる。

とりあえず今は2週間ほど症状が改善するか悪化するか見守る。

 

原因は

 

・中耳炎、内耳炎

・鼻咽頭ポリープ

・体質的なもの

 

のどれか。

 

 

〇中耳炎、内耳炎

 

体の外側から内側に向かって外耳、中耳、内耳とあるうちの中耳または内耳に感染性の炎症が起こっている場合。

 

①一般的な広く効く抗生剤を飲ませる(治ってから再発の可能性あり)。

②一般的な広く効く抗生剤が効かないなら、野良猫は耐性菌を持っている可能性が高いので、何の抗生剤が効くか外注の検査に出して、効くものを飲ませる(治ってから再発の可能性あり)。

③上記+感染源となっているものを取り除くために鼓膜を破って更に中の方を耳洗浄。

 

治ってからもまた何らかの原因で再発する可能性があり完治は見込めない。

 

 

〇鼻咽頭ポリープが出来ている

 

発達は悪性腫瘍等に比べはやいのが特徴。

耳の方〜喉の方までどこにあるかは画像診断をしないとわからない。

耳の方に出来たものはレントゲンではあまり写らない。

喉の方に出来たものは比較的写る。

 

そして声がかすれたり出なくなったりする。

が、仮にレントゲンで喉の方に存在を確認しても、どちらにせよ麻酔下で切除するにはCT、MRIによる画像診断が必要。

体質的にポリープが再発する可能性があり完治は見込めない。

 

 

〇体質的、突発的なもの

 

アレルギーやてんかん等と同じように、ストレス、気候、気圧等の様々な原因で体質的に持ち合わせているものが一時的に発症している場合がある。

良くなったり悪くなったりを繰り返す、波があるのが特徴。

この場合も完治は見込めない。

あまりにも悪化するなら対処療法をする。

 

 

☆今できること

 

他の原因の可能性を排除していくか見守るしかない。

・中耳炎、内耳炎の抗生剤+耳洗浄をやってみる。ダメならポリープか体質的なもの。

・レントゲンを撮ってみる。ポリープが確認出来たら中耳炎、内耳炎や体質的なものの可能性は低いが、切除するにはCT、MRIが必要。

・発症してから時間が経っていると治療しても症状が治らない可能性あり。

 

 

☆今後悪化してくると…

 

・声がかすれる。声が出なくなる。

 

・以下の3つの場合、めまいを伴う。

・頭が傾いたまま戻らなくなる。

・よろけながら歩くようになる。

・同じ場所をグルグル回る。

 

 

☆問題点

 

いずれの原因でも完治することはなく再発の可能性があること。

一生付き合っていかなければならない病気だということ。

治療費、通院費が万単位になってしまうこと。

 

現時点でわかっているのは以上になります。

 

 

 

▼プロジェクトの展望・ビジョン

 

4匹に適切な医療を施し、ある程度状態が良くなったら、出来ることなら理解のある里親さんに繋ぐ。

 

 

＜ご支援にあたっての注意事項＞

▶︎ 1. ペット保険について
①ペット保険による補償の有無：無し

 

▶︎ 2. 万が一の場合の代替の資金使途について

 

万が一、4匹の猫に何かあった場合、いただいたご支援金につきましては、返金せずこれまでの治療費に当てさせていただきます。

 

▶︎ 3. 問い合わせ先について
本クラウドファンディングに関するお問合せは以下までご連絡ください。
連絡先：watcan.photo@gmail.com

 

▶︎ 4. 掲載している資料について
ページ上に掲載している診断書や診療明細書などの資料は全て動物病院から掲載の許諾を得ております。

 

▶︎ 5. 治療方針などが変更になった場合について
プロジェクト実施完了までの間に、治療方針や治療の要否に変更が生じた場合、支援者の皆様、READYFOR事務局に速やかにお伝えします。

 

▶︎ 6. READYFOR事務局からのご連絡
ペットの治療費用を集めるクラウドファンディングに関しては、以下のガイドラインもご確認ください。
【ペットの治療費用を集めるクラウドファンディングに関する当社の考え】
https://legal.readyfor.jp/guidelines/launching_project/pet_care/