ウィーログ2023終了報告書
1. はじめに
皆様、こんにちは。NPO法人ウィーログの織田友理子です。
2023年もWheeLog!は、「車いすでもあきらめない世界をつくる」ことをミッションに、様々な活動を展開しました。2023年に実施したクラウドファンディング「車いすでもあきらめない世界をつくる!WheeLog2023」では、WheeLog!のこれからに期待を込めて多くのご支援をいただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
2. プロジェクトの結果
皆様からのご支援を使用して、大きく3つのことを行いました。無事にアプリをアップデートすることができ、ユーザーの皆様からは「この機能があることで、今後外に出る時に心強い」といった嬉しい声をいただいております。
WheeLog!最新バージョンはこちら:
iPhone (iOS):https://apps.apple.com/us/app/wheelog/id1183054985
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.wheelog.app.rc&pli=1
アプリのアップデート内容
① 摂食・嚥下障害対応項目の追加
2023年のクラウドファンディングにより、食事支援、食形態の対応をしている飲食店や宿泊施設の情報をアプリ内に格納できるようになりました。
機能概要:
投稿検索機能: 摂食・嚥下障害に対応したメニューや飲み物を提供しているお店を、投稿したり、場所やキーワードで検索できます。
ユーザーレビュー機能: 利用者が実際に店舗を利用した感想をレビューとして投稿できます。
今回の機能追加により、対応店舗が簡単に見つけられるようになりました。投稿には事前予約が必要な情報や、美味しい料理の情報も含まれており、ユーザーが安心して訪れることができるようになりました。また投稿には情報にプラスして、実際に行かれた方の言葉が紡がれていることで、より安心してその場所に行けると思うことができます。
当事者団体からのメッセージ
一般社団法人mogmog engine
加藤さくらさん(右から2番目)永峰玲子さん(左端)
「Wheelog!に摂食嚥下対応可能な飲食店・宿の項目が増えたらいいな」とリクエストをしたところ、真摯に応えてくださり本当に感謝しています。
お子さんに摂食嚥下障害がある親御さんから「食形態に関する項目が増えて、嬉しくて、対応してくださるお店や、宿泊施設を投稿しました。願わくば、項目を検索すると、お店や宿泊施設がでてくると、もっとうれしいなあ~と思ってます!!」と喜びの声をいただいてます。
これまで外出に困難を感じていた方々がサクッとほしい情報をゲットできる世の中に向けて、Wheelog!の存在は希望です。引き続き一緒に育んでいきたいので、どうぞよろしくお願いします!
専門家からのメッセージ
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医歯学専攻
老化制御学講座摂食嚥下リハビリテーション学分野 教授
戸原 玄先生
いつも色々なご支援やご協力、本当にありがとうございます。嚥下が悪くても外食してもらいたい、そして外食を通じて外出につなげたいという思いから、食べやすいお食事を提供する飲食店を紹介するサイトを作りました。そしてその情報を車いすでもあきらめない世界を作るウィーログさんのマップ上に載せていただけることになり、本当にありがたく思っています。
嚥下が悪くても、車いすでも外出をあきらめることがない社会に、そしていろんな人にとってもっと優しい暮らしやすい世の中にするために少しでも貢献出来たらと思っています。どうかご意見等もどんどんいただきつつ、皆でそういう世の中を作っていけたらそれに勝ることはありません。
とろとろクリスマス会2023を開催しました!
イベントレポートはこちら: https://wheelog.com/hp/archives/28376
12月23日、クリスマスイブ前日に、東京日本橋の分身ロボットカフェDawnにて、摂食・嚥下障害への理解を深めるクリスマス会を開催しました。
美味しい食事とともに、摂食・嚥下食の体験を通じて、多くの方々と有意義な時間を共有できたことを大変嬉しく思います。この素晴らしいイベントを実現するためにご協力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。
このイベントを通じて、WheeLog!ユーザーのみなさまに新たな興味を持っていただき、摂食・嚥下障害への取り組みがさらに広がることを確信しました。特に、車いすユーザーの皆様にとっても多くの希望と可能性を感じることができました。アプリの機能拡充だけでなく、団体としての活動も広げ、問題解決に向けて積極的に取り組んでいきます。
② WheeLog!の情報をWeb検索可能に
より多くの方にバリアフリー情報を届けるために、WheeLog!にある情報をWebで検索できるようにしました。これにより、Google検索を通じてWheeLog!の情報にアクセスできるようになりました。
ただし、現時点では検索機能にまだ改良の余地があります。すべてのユーザーにとって満足のいく使い勝手にするため、今後も機能の改善を続けていきます。現時点では成果がまだ限定的ですが、引き続き努力し、より多くの方々に利用していただけるようにしていきます。
これからもWheeLog!の検索機能を向上させ、情報を提供できるよう努めてまいります。皆様のご支援とご理解をお願い申し上げます。
③ 最新スマホへの対応
年間で1万人を超える多くのユーザーにご利用いただきました。 ユーザーの皆さまの投稿によって、 バリアフリーのスポットや車いすの走行ログがたくさん集まりました。
毎年リリースされる最新のスマートフォンに対応するため、WheeLog!のアプリも継続的にアップデートを行っています。新しいOSに適応するための更新は、見えない部分での改良が多く、ユーザーの皆様には気付きにくいかもしれませんが、アプリの安定した動作を維持するために不可欠な作業です。
これらのアップデートは、みなさまからの温かいご支援があるからこそ可能です。ご理解とご協力に深く感謝いたします。
3.収支報告
皆さまからご支援頂いた資金8,218,400円は、クラウドファンディング手数料・ノベルティ製作・リターン配送費を差し引いた全額を、バリアフリーマップ「WheeLog!」アプリの開発のために使用させていただきました。
4.リターンに関して
ご支援をいただいたみなさまへのリターンは、すべて完了いたしました。万が一リターンを受け取られていない方がいらっしゃれば、お手数ですが「メッセージ」からお問い合わせください。
5.これからの活動について
外務省の第7回「ジャパンSDGsアワード」で、日本一となるSDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞を受賞
(詳細はこちら)
みなさまからのご支援のおかげで、アプリの新機能開発やサービスの維持を継続し、進化させることができています。リリースから7年が経過し、現在では多くの方々の情報が集まり、「バリアフリー情報のプラットフォーム」として誰でも利用できる信頼できる場所となりました。
クラウドファンディングでご支援いただいたみなさまには、深く感謝しております。皆様のご支援により、私たちのプロジェクトは成功を収めることができました。また、摂食・嚥下障害に対する対応も進めることができました。これもみなさまの温かいご支援のおかげです。
私たちの団体は前例のない取り組みを行っており、みんなで積み重ねてきた唯一無二の結晶です。これからもこの取り組みを守り、育てていきたいと考えています。
どんなに努力しても、劇的に世の中が変わるわけではないかもしれません。今も車いすに関する課題は完全には解決しておらず、新たな課題も発生しています。しかし、その課題をキャッチする鋭いセンサーを磨き、どこにいても安心できる居場所を作り、少しずつでも諦めずに解決への道標となる力をつけていきたいと思います。
これからも長くWheeLog!を続けていくため、2024年度にはアプリを大幅にリニューアルする予定です。そして、6月7日から始まる新たなクラウドファンディングへの応援も、ぜひお願い申し上げます。
今後も、皆様の温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2024年クラウドファンディング
みなさまと実現したいこと
①みんなで悩みを相談できる「車いす相談室」をつくりたい
・みんなで悩む車いす相談室『Q&A機能』の追加
WheeLog!には、経験豊富な車いすユーザーやさまざまな専門職種の方がたくさんいます。いま一人で悩んでいる人や、これから車いすになる人たちが誰でも相談でき、温かく親身になって解決し合えるプラットフォームをアプリ内に構築します。
②車いすで外出するための「地図」をもっと使いやすく
・システム全体の大改修
操作性と情報の見やすさを向上させ、外出をより安心できるようにします。
・情報取得のスピードアップ
情報を素早く取得できるようにして、情報を検索するストレスを減らします。
・バリアフリー情報の検索強化
自分が必要とする情報を検索しやすくして、外出の計画をサポートします。
みなさまのご支援により、誰もが想いを実現できる機能を実装し、誰もが外に出て社会と繋がる喜びを感じられるようにWheeLog!は進化し続けます。どうかお力を貸してください!
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ウィーログ活動報告
みなさまからいただいたご支援をアプリに活用させていただき、アプリを中心に活動を広げることができました。2022年8月から2024年3月までに実施した活動についてご報告させていただきます。
《バリアフリー環境の調査・改善》
① 公園バリアフリー調査改善提案18件
公益社団法人東京都公園協会様より依頼を受け、東京都多摩市にある桜ヶ丘公園でバリアフリー調査を行いました。調査は東京都福祉のまちづくり条例に基づいて行い、車いすユーザーと歩ける調査員が現地を訪問して、園内のアクセシビリティについて確認しました。調査結果はレポートにまとめて東京都公園協会様に報告しました。(詳細はこちら)
② アムジェン株式会社での地域社会貢献活動
10月13日に医薬品の開発、製造、販売を行っているアムジェン株式会社様で、WheeLog!アプリを活用した地域社会貢献活動が行われました。当日は全国15都市で一斉に調査を行い、500名以上の社員の方々が参加し、バリアフリー情報691件が投稿されました。(詳細はこちら)
③ 旭川調査
11月に車いすで北海道の旭川を訪問し、旭川市やANAが進めるUniversalMaaS(何らかの理由により移動にためらいのある方々が快適にストレスなく移動を楽しめるサービス)の調査を行いました。羽田空港から出発し、旭川空港、旭川駅前、そして旭川エリアの観光地を車いすでめぐりながら、「一括サポート手配」の検証と、市内の観光地のバリアフリー調査を行いました。調査内容は記事にまとめ、WheeLog!公式サイトに公開しました。(詳細はこちら)
④ サンシャインシティ調査
株式会社サンシャインシティ様よりバリアフリー調査の依頼をいただきました。WheeLog!は2020年より調査に携わり、今回は池袋サンシャインシティの飲食店並びにトイレ、展望台の調査を行いました。また、サンシャイン劇場で車いす対応について調査し、合理的配慮のための研修とご提案を行いました。調査結果は「サンシャインシティバリアフリー情報サイト」及び「サンシャイン劇場」の公式サイトで公開されています。(詳細はこちら)
▼アンケート調査
・車いすのお困りごとアンケート: 大型施設を利用する際の「車いすのお困りごと」についてアンケート調査を行いました。合計で309件の回答をいただき、トイレやエレベーター、駐車場、飲食店、宿泊施設等における「車いすユーザーの課題」を明らかにできました。この結果を踏まえて、課題解決のためのプロジェクトに着手しています。(詳細はこちら)
・簡易スロープ事例募集: 飲食店などでの「可動式の簡易スロープ」導入を促進するために事例調査のアンケートを実施しました。頂いた事例をもとに、自治体で可動式の簡易スロープを普及促進するための要望活動を行なっています。(詳細はこちら)
《心のバリアフリーの醸成》
車いす街歩きイベントの実施
車いす街歩きでは、車いすに乗ったことのない人や車いすユーザーが一緒に街に出かけ、街中にあるさまざまな「バリア」を知り、そのバリアを一緒に乗り越えていく、そんな体験を通して「心のバリアフリー」を育んでいます。まちづくりや地域活性、観光、教育など、さまざまな分野で取り組みを広げていて、企業や学校などでも実施されています。2023年度は、札幌や東京、神奈川、大阪、神戸、徳島などで開催し、WheeLog!初となる海外での車いす街歩きイベントも実施しました。1年間で計15回のイベントを開催し、約580人の人が参加しました。
医療・福祉分野での街歩き
日本臨床作業療法学会学術大会 with WheeLog!(詳細はこちら)
高校生との街歩き
SeDaTuNa with WheeLog! in 徳島(詳細はこちら)
RDD 明星 2024 with WheeLog!(詳細はこちら)
ゴールドスポンサーと街歩き
あいおいニッセイ同和損保 × WheeLog! in 神戸 2023(詳細はこちら)
Fujitsu × WheeLog! in 川崎 2023(詳細はこちら)
海外での街歩き
WheeLog! in Helsinki 2023(詳細はこちら)
企業・団体とコラボ街歩き
トーク&車いす街歩きイベント札幌市(詳細はこちら)
東京マラソン財団主催セミナー(詳細はこちら)
運営委員企画街歩き
車いす街歩き 2024 by WheeLog!(詳細はこちら)
福祉医療機構社会福祉振興(WAM)助成事業
令和5年度独立行政法人福祉医療機構社会福祉振興(WAM)助成事業として、「車いすで安心して外出できる地域支援体制のモデル構築事業」を実施しました。本事業では東京都の墨田区と町田市で夏と秋にそれぞれ街歩きプログラムを実施し、医療・介護関係者、地方自治体関係者、企業、車いすユーザー、学生など、合計 152人が参加しました。また、東北大学大学院と協力し、車いす街歩きプログラムの効果についてアンケート調査を行い、検証しました。 (WAM助成事業レポートはこちら)
《代表講演/登壇》
講演会
フジテック株式会社(社内研修) 詳細はこちら
株式会社 QVC ジャパン(社内研修) 詳細はこちら
富士通株式会社(社内研修) 詳細はこちら
関西福祉大学(オープンキャンパス) 詳細はこちら
すくすくすてっぷ(オンライン講演会) 詳細はこちら
イベント登壇
Next Fashion Designer of Tokyo 2024(東京都・審査会/トークショー) 詳細はこちら
歩行空間 DX 研究会(国土交通省・シンポジウム) 詳細はこちら
MyData 2023(MyData・国際会議) 詳細はこちら
第3回 MBT映画祭(審査会) 詳細はこちら
《バリアフリー制度の推進》
国土交通省観光庁より「観光施設における心のバリアフリー認定制度」に関する事業を受託し、業務を実施しました。(詳細はこちら)
《運営委員会 2023》
2023年度、 個人サポーターとしてご支援いただいている方々と「運営委員会」 を結成し、 様々なイベント活動などに取り組みました。
サポーター交流会2023春(5月) 詳細はこちら
リアル運営委員会(8月)詳細はこちら
戦略室ミーティング(10月) 詳細はこちら
とろとろクリスマス会(12月)詳細はこちら
月一回の定例会
《受賞》
2023年度、私たちは3つのアワード・助成プログラムに選ばれるという大変光栄な成果を収めました。中でも、「ジャパン SDGs アワード」は、2017年から毎年挑戦したいと思っていた憧れのアワードでした。この度、私たちの活動が評価され、日本一となるSDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞を受賞することができました。この栄誉は、ひとえに皆様の温かいご支援があったからこそ実現できたものです。心より感謝申し上げます。
外務省「ジャパンSDGsアワード」 詳細はこちら
デロイトトーマツウェルビーイング財団 詳細はこちら
FITチャリティ・ラン2023 詳細はこちら
マンスリーサポーター募集
現在、WheeLogでは継続的に活動を支援していただけるマンスリーサポーターを募集しています。あなたのご支援で車いすユーザーの生活が変わります。引き続きWheeLogの活動を支援したい!と思ってくださる方は、ぜひご支援いただけますと幸いです。
▼マンスリーサポーターのお申し込みはこちら(READYFORのアカウントで申し込みできます)
https://readyfor.jp/projects/wheelog_supporter