毒親アートフェス＆トークライブ

泣きたかったけど、泣けなかった。

怒っているのに、言えなかった。

こわいのに、黙ってがまんした。

子どもの私たちはそれを箱につめて、

しっかりと封印しました。

そして、大人になりました。

 

ある人は、箱の隠し場所を探すのに必死でした。

ある人は、箱をながめては自分と世界をのろいました。

ある人は、箱を忘れさせてくれる酔いを求めました。

そうやって、今までなんとかやってきたのです。

 

秘密の箱を、そっとあけてみます。

閉じこめた思いがあふれて、私たちを圧倒しそうです。

 

でも、怒りの嵐は絶望ではありません。

悲しみをこえていきたいという叫びです。

涙は悲しみを増すのではありません。

悲しみの結晶をとかしてくれるのです。

 

残った箱の中に、小さな子どもがいます。

その子をよく見てください。

箱の中で私たちが気づくのをじっと待っていた、

ぴかぴかの魅力にあふれた子どもです。

 

ようこそ！

こんなところにいたんだね！

ずっと気がつかなくてごめんね！

あなたが見つかって、どんなにうれしいか！

やっと会えたんだね。ほんとうの私に！

 

引用

発刊：アスク・ヒューマン・ケア

アダルト・チャイルドが自分と向き合う本