皆さま, 新着情報をご覧いただきましてありがとうございます。

本日は, 研究室紹介第2回目です。今回は大学院生による紹介です。

最後には本人からの熱いメッセージもありますので, ぜひ最後までご覧ください。

 

獣医臨床病理学研究室

博士課程3年 伊賀瀬 雅也 獣医師

 

私たちの研究室では、

「Clinic to Bench, Bench to Clinic「基礎的研究と臨床現場の橋渡し」

という目標を掲げ, 基礎的研究で得られた発見から, 実際の小動物臨床の現場に応用可能である新規治療薬の研究を行なっております。

水野拓也 教授, 根本有希 助教のご指導のもと, 犬の腫瘍を対象として, 新規治療薬(新規化学療法、腫瘍溶解性ウイルス療法、抗体療法、免疫細胞療法)について,

研究を進めております。

 

近年, 犬の腫瘍の発生は, 獣医療の発展によるペットの高齢化により, 急激に増加しております。一般的な腫瘍の治療法として, 外科手術, 放射線療法, 化学療法が用いられますが, 再発・転移などの進行した腫瘍に対しての効果は低く, 問題となっています。

その問題点を解決すべく, 上記に述べた既存の治療法に代わる全く新しいアプローチによる新規治療薬の研究が行われています。

私たちの研究室では, 様々な種類の新規治療薬の研究を行っておりますが, 

今回はその中から, 私が学部生の時より一貫して研究を続けているテーマであるレオウイルスによる腫瘍溶解性ウイルス療法についてご紹介します。

 

腫瘍溶解性ウイルス療法は, 腫瘍細胞特異的にウイルスが感染・増殖し, 細胞傷害を引き起こすことを利用した治療法です。医療では, すでに, 様々なウイルス(アデノウイルス, ヘルペスウイルス, レオウイルスなど)を用いた臨床試験が実施されておりますが, 獣医療では検討されておりませんでした。

そこで私たちは, 本治療法を獣医療に応用できないかと考え, レオウイルスを用いた腫瘍溶解性ウイルス療法の研究を始めました。

まず, 犬の腫瘍の培養細胞株を用いた実験により, 犬のどの腫瘍に対してレオウイルスが効果を示すのかを検討しました。その結果, 肥満細胞腫, 組織球肉腫, 悪性メラノーマ, リンパ腫など様々な腫瘍に対して, 効果を示すことが明らかとなりました。

 

次に, 臨床応用を見据え, 実際の腫瘍に罹患した犬に治療としてレオウイルスを投与する前臨床試験を本学附属動物医療センターにて実施致しました。試験の結果から, 本治療法が, 安全かつ効果的に犬の腫瘍に対して使用できることが分かりました。

 

現在は, 医薬品として市場に出すために, 大規模臨床試験を計画しております。

基礎的研究を始めてからすでに5年以上が経過しておりますが, 認可された医薬品として, 多くの症例に投与できるようになるまでには, まだまだ時間が掛かってしまう現状です。しかしながら, 一つ一つデータを蓄積していくことにより, 近い将来, 多くの腫瘍に罹患した犬のもとに、薬を届けたいと願っております。

 

このように私たちの研究室では、臨床現場で実際に使用することのできる薬の開発を目指した研究を行っております。そして大学院生として, 基礎的な研究から臨床応用までのステップを自分で経験することができる研究室は非常に少なく, 貴重な学びの場を頂いております。

 

研究室HP:  http://web.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~vintmed/mizuno/index.html

Facebook: https://www.facebook.com/vetclinpathol.yamadai/

 

 

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