プロジェクト概要

お年寄りを町のみんなで見守れる仕組みを導入したい!

 

はじめまして、やす地域共生社会推進チームの岡本和秀と申します。滋賀県野洲市でITに関する仕事と共済事業を展開しています。

 

仕事をしていく中で、ひとり暮らしの高齢者から話を聞く機会がありました。とても気前のいい方なのですが、最近では耳もとおく、滑舌も悪くなり、昨日までできていたことが今日できなくなる…。そんな悩みがあり、老化の自覚もあるので、「周りに関わると迷惑をかける」と社会から離れぎみになっているということでした。私が住む野洲市にはそんな高齢者の方も多くいらっしゃいます。

 

そんな方々のために何か出来ないかと考えていたところ、IoTの力で町の人々みんなで高齢者を見守ることができるのではないかという話が持ちあがり、町の事業者、介護関係者、市議会関係者、地域の民生委員などから共感を得た30名ほどで「やす地域共生社会推進チーム」が立ち上がりました。

 

やす地域共生社会推進チームの会議の様子です。​​​​

 

今、そこで生まれ、実現されつつあるアイデアが「ボタン一つを押すことで様々なコミュニケーションをとることができる装置」です。これを高齢者の方の自宅に置き、ボタンを押していただくことで、普段の近況報告はもちろん、地域の方に頼ることができます。

 

野洲市だけではなく、これからの日本は超高齢化社会になります。そんな中、今やるべきことは高齢者にまつわるさまざまな問題を家族や近所にだけ任せるのではなく、「地域まるごと」で見守るやさしいまちづくりです。野洲市にまずこの仕組みと考え方を導入し、いずれは日本全体に普及させていきたいと思っております。どうか温かいご支援をよろしくお願いいたします。

 

昨年10月に地域の事業者様に向けた説明会も開催いたしました。

 

 

野洲市が抱える問題とは?高齢者が高齢者を見守る実情。

 

53年前に滋賀県野洲市で初めてできた新興住宅町「近江富士団地」には1945名が暮らしており、その内の855名が65歳以上の高齢者です。(2018年10月時点。)これは約44%となっており、一部の区画では高齢者率が53%を超えるところもあります。(2018年の日本の高齢化率の全国平均は27.7%。「内閣府HP:第1節 高齢化の状況(1)より引用」)

 

 

近江富士団地の高齢者は運転免許を返還している人も多く、買い物に行ったり、髪を切ったり庭の手入れをしたり日常生活そのものが大変な状況があります。高齢者を見守る方も高齢化が進んでおり、中には見守る側が認知症になってきているといった状況もあります。

 

つまりこの地域では高齢化が進むだけではなく、「高齢者を見守るのが高齢者」という深刻な実態があり、若い世代による介護分野の担い手不足が課題です。


現在は、一部の積極的な民生委員の方による訪問見守りが行われていますが、いつまで同様のことが続けられるかの見通しは暗いままです。また、近江富士団地で起こることは、今後滋賀県の別の地域でも起こる事が予想されます。


地域の高齢者の方の見守りを近所の方や、家族だけに頼るのではなく、地域のみんなで見守っていく仕組みを作ることはできないか?と考えた結果、IoT機器やLINEなどのSNSを活用し、町の事業者を巻き込んでいく方法を思いつき、実現の手前まできています。

 

 

 

地域まるごとみんなで見守る仕組みの全貌

 

地域の方々でどう高齢者の方を見守るのか。その仕組みをご説明いたします。

 

やす地域の高齢者宅に3つのボタンを設置いたします。それぞれのボタンを押すと対象者となる高齢者の方の身内と、民生委員、当チームで構成された各グループLINEにメッセージが届きます。以下がそれぞれのボタンとその後の流れです。

 

ボタン1「元気ですの連絡」

⇒毎日「元気であること」を知らせるボタン。押せば「今日も元気です」というメッセージが配信されます。逆に通知が届かないことが続けば、当チームが異変と捉え、チーム内連携のもと居宅に駆け付けることのできるサービスです。

 

ボタン2「コンシェルジュサービス」

⇒要望があるときに、出張サービスを提供している近隣業者に繋ぐボタンです。

例えば、「庭の手入れをしたい」という要望があれば、当チームを介して町の庭師や出張草むしりをしている業者に連携して、依頼ができます。また、連携先業者には高齢者の様子を報告してもらうよう義務付けます。これにより、特別な行動を起こすことなく、日々の業務の中で高齢者の方を見守ることが可能となるのです。

 

ボタン3「どうしよう連絡」(緊急連絡)

⇒急ぎで相談したい、変な人が来た、とにかくすぐ来てほしい。などの要望に応えるボタンです。これが押されると民生委員より早急にお電話が届きます。

 

サービスの概要図です。

 

試作段階のものではありますが、既に3軒の高齢者宅にこのボタンを設置し、インターネット環境も整えた上で、ミニマムスタートをしております。

 

*利用者様からはこんな声をいただいております。

・毎日押すことが習慣になり、押した後の音が楽しい。(70代・男性)

・押すと、いつも気にかけてくれている担当の民生委員が喜ぶのでやりがいがある。(80代・男性)

・自分ではどこに頼めば良いのか分からない依頼もできるので頼りになる。(80代・男性)

 

今回のクラウドファンディングでいただきましたご支援金は各高齢者宅に設置するボタン17台を制作し、設置するための費用として充当させていただきます。これまでのご家庭と合わせて合計20世帯の方々にまずはこのサービスを使っていただき、本格的な運用をしていきたいと思っております。

 

現在トライアルで使っているボタン。シンプルにしています。

 

 

町ごとをもっと元気に出来る仕組みを野洲から全国へ!

 

特別な行動をしなくても、地域に住む人が簡単に見守りに参加できる“見守りサポート体制”を構築することでその支援に携わる方の負担も減らし、高齢者の方とその周りの方も幸せに暮らしていけるサービスを目指します。

 

地域の企業や商店がこの仕組みに加わることは、新しいマーケットに進出していただくことも意味しており、その意味でもこのサービスは町をもっと元気にできる理想的な形であると信じています。

 

今必要とされているのは「地縁」です。町のみんなが目の前の人に真剣に向き合い、気にかけ、みんなで協力して支え合う。そんなやさしさあふれる町。そんな町を本気で実現したいと考え、今件の実施に至っています。

 

今後、日本は否が応でも高齢化し、特に地方はその傾向に偏りが見られるでしょう。今回の私たちの試みが同じような課題を抱えた地域の解決策としてモデルケースになれるよう全力で取り組んでまいります。

 

どうか皆様、温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします!