知的障がいのある方の自立のためのコインケース開発

支援総額

3,624,000

目標金額 1,000,000円

支援者
371人
募集終了日
2022年1月14日

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2021年12月08日 07:00

認知機能からみた買い物考(1)

こんにちは.今回はこのコインケースの開発に至った,一番最初のアイデアがどのように生まれたのかを解説致します.担当は「よむかくはじく」の外山です.

 

私は東京の四谷で発達凸凹や知的障がいのある子供達に勉強を教えたり認知機能を高める取り組みをしています.生徒さんのなかには自分で買い物ができないと言う人も多いです.あるお金持ちの家の子は何を買うにも万札でポンと買っていました.「レジで代金のお金を出す方法がわからないけど,とりあえず万札なら大抵のものは買えるんだ」とその人は言っていました.しかし,「お釣りが正しいかわからない.もしかしたらお店の人に騙されているかもしれない」と不安な気持ちが消えなかったそうです.

 

ユメソダテのアンケートでも分かったことなのですが,「数字として金額の大小」は分かるのに「実際にお店でものを買うことができない」人がとても多いのです。指定された金額の硬貨を財布から取り出すことは,この文章を読んでくださっている方の多くは当たり前のようにできることと思います.一体彼らにとって,何がそんなに難しいのでしょうか?この問題を考え,その解決策をつき詰めた結果,今回のコインケースの開発に至ったのです.

 

では,代金の金額のコインを財布から出すことは一体どのような思考を経てなされるのか,これから考えてみましょう.

 

あなたはコンビニである買い物をしたとします.仮にレジで代金が387円と提示されたとしましょう.あなたは財布から金額分の硬貨を取り出して店員さんに渡します.さて,以上のような行動を次のように3段階に分けてみましょう.

1.レジで提示された代金の数字を見る.

2.見た数字から,金額を判断する.

3.財布から金額分のコインを出す.

そして,それぞれの段階でさらに分析をしましょう.なお,5円玉,50円玉,500円玉の扱いは難しいので,財布の中には1円玉,10円玉,100円玉だけしか入っていないとします.店員さんから発される「さんびゃくはちじゅうななえんです」という音声情報ももちろん頼りになりますが,今回はそれに対する分析は割愛させてください.

 

1.レジで提示された代金の数字を見る.

左から順に数字を読み,3つの数字の位置関係を捉えます. 3がいちばん左,真ん中が8,いちばん右が7ですね.逆にいうと,順序よく位置関係を把握しないため738などと間違った順序で数字を捉えてしまう人もいます.

 

2.見た数字の金額を判断する.

ここは位取りをするというステップです.ここがいちばんの難所かもしれません.数字の一番右は1の位,次は10の位,その次は100の位というように数字の位置関係をもとに位取りするわけですね.図のような桁表(これは小学校2年生の算数で習います)が桁の考え方の全体像を与えてくれます.

 

100円玉を3枚,10円玉を8枚,1円玉を7枚財布から出せばいいことがわかりました.これで次の段階,すなわち財布からコインを取り出す段階での行動計画がたちました.

 

この段階では100円玉の「100」と3枚の「3」という2種類の数字を混同せずに同時に考えることをしないといけません.そのためには「〜円玉」と「〜枚」とを分けて考える(いい分ける)ことがコツです.さらに,桁表が(たいていの場合)目の前にないでしょうから,それを頭の中でイメージする必要があります.

 

3.財布から金額分のコインを出す

このステップもなかなか侮れません.財布の中のたくさんあるコインを金種に分類する必要があるのです.この時に使うのが比較です.「これは茶色いから10円玉に違いない」と考えるときは色という比較基準を使っています.「これは銀色だから1円玉かもしれないし100円玉からもしれない.けれど側面にギザギザがあるし,隣の銀色のものよりもちょっと大きめだから100円玉だろう.」そのように考えながら100円玉3枚を選んでいきます.10円玉と1円玉についても同様です.

 

財布の中はちょっと薄暗いし,狭い中にコインがぎっしり入っているでしょうから,よく注意します.10円玉は黒ずんだものもあれば銅色に輝いているものあります.そういった見かけの違いに惑わされないようにしないといけません.焦らずおちついて計画通りに行動しましょう.

 

以上のように,(財布の中に1,10,100円玉がそれぞれ10枚あれば,)1,110円以下の金額の買い物はこの方法により必ず可能となります.このように分析していくと,指定された金額をコインで出す方法がわかりました.そして,どこでつまずくかもしれないかも洗い出されました.

 

このような分析を助けてくれるのがフォイヤーシュタイン発案の認知機能と認知地図です.実は,以上の文章で下線が引かれた箇所が全て認知機能なのです.次回はその認知機能についてご紹介いたします.

リターン

3,000


1つ使ってみたい

1つ使ってみたい

感謝の気持ちを込めてメッセージをお送り致します
進行報告
完成したコインケースx1個(ご自宅にご送付します)

申込数
195
在庫数
9
発送完了予定月
2022年4月

5,000


全力応援コース1

全力応援コース1

感謝の気持ちを込めてメッセージをお送りします
進行報告

申込数
57
在庫数
24
発送完了予定月
2022年1月

3,000


1つ使ってみたい

1つ使ってみたい

感謝の気持ちを込めてメッセージをお送り致します
進行報告
完成したコインケースx1個(ご自宅にご送付します)

申込数
195
在庫数
9
発送完了予定月
2022年4月

5,000


全力応援コース1

全力応援コース1

感謝の気持ちを込めてメッセージをお送りします
進行報告

申込数
57
在庫数
24
発送完了予定月
2022年1月
1 ~ 1/ 13

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