私は、障がいを持たれている方も集う場所で育ちました。

 

両親が40年前より、地域に居場所のない方々とともに暮らす事業を行っていたためです。

 

ひとつ思い出深いエピソードがあります。

 

小学生の頃、ガンダムのプラモデルを作るのが好きで、コレクションを飾っておきました。

 

学校から帰宅した際、大切なプラモデルが全部壊されていました。

 

壊したのは知的障がいを持つ方でした。

 

混乱し、憤慨した私は両親に「なんであんなひとが一緒にいるの?」と質問しました。

 

すると父親は私に、

 

「彼のことを知っているだろう。知っているのにプラモデルをそこに置いておいたお前が悪い」

 

と言いました。

 

当時は小学生であったこともあり、その真意を受け止めることはできませんでしたが、いまになってみれば彼にとって私が一緒に暮らす空間は安全で安心が得られる場所であり、それは多くの理解者と応援者にあふれていたからにほかなりません。

 

プロジェクトを建てられた前川さんはこう書いています。

 

「障がいのある当事者たちが、援助を受けるだけでなく、自ら人の役に立つことに喜びを感じ、応援者との出会いを重ねるなかで、人生を切り開いていける社会を作ろう」

 

私はいまさまざまな困難を抱える若者、子どもたちを支えることを仕事にしています。現場でも、ただ援助を受けるだけでなく、自らの行動によって周囲によい影響を与えることで自己効力感を得て、人生を切り開いていく姿を、日々、目の当たりにしています。

 

社会を作ることは簡単ではありませんが、前川さんのような「気が付いたひとが行動する」ことは大きな価値があり、また、それを応援することも同じ価値を持っているものを考えます。

 

心より、本プロジェクトを応援いたします。

 

認定NPO法人育て上げネット 理事長 工藤 啓

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