
一人息子(29歳)が知的障害を伴う自閉症スペクトラムと分かったのは小学3年生の時でした。それまで拘りの強さなど不思議には感じつつも障害とは考えてもいませんでした。障がいではないことを証明するために始めた勉強は、まぎれもなく自閉症だと確信せざるを得ない結果ばかりでした。当時私は一人親として子育てをしながら、精神科病院で勤務していました。今よりもっと社会復帰が難しかった患者さんたちの様子に最初は息子の将来を悲観もしましたが、彼らの穏やかで温かい人柄は、私に勇気と希望を与えてくれました。
その後私は、将来息子が一人ぼっちになった時に安心できる社会になるために、微々たる働きをしたいと思うようになりました。働きながら社会福祉士、精神保健福祉士の資格を取得し、障がい者やホームレスの人の自立支援、生活困窮者や引きこもりの人の支援などをしました。現在はフリーの成年後見人を受任しています。