柳下 和夫

私は原子力発電をやりたくて電機会社に就職したが「当社はウエスティングハウス社と加圧水炉(PWR)の技術提携をしているので、発明は必要ない」という教育を受け特許とは無縁だった。定年後、腰痛になり「腰痛予防服(アルキメデス・スーツ)」を発明し特許出願した。会社に在職中に南米に工場を建てるにはどこがよいかを数か所を現地調査し、ブラジルのアマゾン川の中流のマナウス市がベストだと決め、そこに工場を作った。唯一の問題点は河口のベレン市からマナウス市まで川を遡るのに4~5日もかかることだった。ところが定年後、船の航行速度ではないが、エンジンもスクリューもなしに川を上れる「無動力河川遡上船(ボルガ)」を発明し特許出願した。
問題は2件とも特許出願中に買い手を見つけたかったが、販売実績がないどころか、試作品もない原理特許を買ってくれる企業は国内外ともになかった。

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