事例から学ぶストーリー作成のポイント|社会課題解決系プロジェクト

 

ストーリー作成のポイントを実例から学ぼう!

 

クラウドファンディングのプロジェクトページでは、具体的な活動のイメージがつき、活動内容や必要性を理解してもらえることがポイントです。

 

今回はこちらのプロジェクトを参考に、伝わりやすいストーリー作成のポイントを解説します。

 

・全国のこどもたちに、自分のままでいられる居場所を届けたい

 https://readyfor.jp/projects/danro-children

 

 

 

支援者像を整理しましょう

 

あなたのプロジェクトを支援してくれる人はどのような人になりそうでしょうか?

支援者像を整理したうえで、ストーリーの構成やリターンの検討を行いましょう。

 

<社会課題解決系の支援者例>

・団体の既存支援者
・団体メンバーの身近な人、すでにつながりのある人
・今回の資金使途である活動や、解決したい社会課題について、当事者であったり、身近な人に当者がいる人、過去に同じような活動に参加し関心がある人、同じ業界に属する人

 ・例:子どもに関することなら教育業界であったり、対象となる年齢の子どもがいるご家庭など

・特定地域での活動の場合は、その地域に住む人、ゆかりのある人など(地域の課題を解決したい、地域の環境や生活をより良くしていく活動に賛同する人)

 

課題によっては想定される支援者が年配の方が多く、インターネットでの支援が難しい場合もあると思いますので、代理支援(※)も検討しましょう。
※代理支援とは:https://readyfor.zendesk.com/hc/ja/articles/13259754968847

 

 

ストーリー記入のポイント

プロジェクトのきっかけ

<文字数>

2,000字〜2,500字が目安です。4,000文字を超えてくると文量的に最後まで読んでもらうことが難しくなります。

 

公開後に「活動報告(※)」機能で記事を足すこともできますので、ストーリーには支援を決断してもらうために大事な要素に絞り、残りは活動報告で書き足しましょう。

ページ再訪を促すための広報活動の一環にもなり一石二鳥です!

活動報告の投稿方法はこちら

 

<写真の活用>
活動のイメージが伝わるよう、写真を必ず入れましょう!(※各段落に1枚以上、計5枚以上推奨)
・活動の様子を写した写真
・できればメンバーのお顔が写った写真など

 (顔が見えることで、ページを読む方からのプロジェクトへの信頼性が高まり、支援されやすくなります。)

 

また「①明度は明るく、②高画質、③(人がメインの場合は)寄り」の写真を選びましょう。
暗い写真や画質が悪いと興味関心を寄せられず、ページへ訪問されづらくなってしまいます。

 

<内容>

以下の要素をプロジェクトページ内に盛り込みましょう。

ここからは、それぞれの要素について解説します。

 

①プロジェクトのきっかけ
 ①-1 団体のプロフィール、これまでの活動の紹介
 ①-2 どのような思いを持って活動してきたのか
 ①-3 今回のプロジェクトに至るまでの経緯や背景にある課題、事情

 ①-4 取り組んでいる課題について、当事者、関係者の具体的なエピソード・声

 ①-5 なぜクラウドファンディングで資金を集めるのか

 

②プロジェクト内容

 ②-1 今回のプロジェクト内容の詳細
 ②-2 今回の資金使途である活動がどのように課題を解決するものなのか、がわかるよう紹介する

 

③具体的な資金使途

 

④(長期的なプロジェクトの場合)スケジュール

 

⑤今後の展望、結びとして決意表明&支援の呼びかけ

 

ある程度文面が完成してきたら第三者に読んでもらい、内容が理解できるか、今回支援を集める理由として納得感があるかどうかなど意見をもらうことをお勧めします。

 

 

①プロジェクトのきっかけ

 

 ①-1 団体のプロフィール、これまでの活動の紹介

 

団体のミッションやこれまでの活動実績、現在の活動内容を紹介しましょう。

 

【記入例】

はじめまして。DANRO CHILDRENの小原和花とNOAです。
 「対話の力で、孤独を防ぐ」をスローガンに掲げ、私たちDANRO CHILDRENは、2023年1月より活動をスタートさせました。
(略)
 もっと身近に、自分の話を聴いてもらえる場所を増やしたい。
主役になれる時間、自分を思いっきり表現する機会を届けたい。
そして、暖炉をともに囲むような心温め合える居場所をつくりたい。


そんな想いに共感してくれた約70名の仲間たちとともに、「自分のままでいられる居場所」を全国のこどもたちに届けるべく、プロジェクトを立ち上げました。

 

 

 ①-2  どのような思いを持って活動してきたのか

 

なぜ・どのような思いで活動されているのか、原動力はどのようなことにあるのか記入しましょう。

 

【記入例】

幼少期から、周りの顔色を伺って、知らず知らずのうちに
自分を表現することを遠慮して生きてきた人も多いのではないでしょうか。
そんな私たちも、自分の人生なのに、私が私として生きられないことへの葛藤、悔しさ、苦しさを感じていた一人でした。

幼少期の私たちが、”自分のままで存在していい”という安心感が欲しかったように、
自分たちが出逢いたかった居場所をつくりたいと思ったことが活動の原点にある想いです。

2024年の始まり、胸を痛めるニュースが飛び込んできてすぐ、チームメンバーと話し合いました。
「私たちにできることはないのだろうか」
 
私たちの答えは、今までもこれからも変わらずに「対話の力」を届けること。
身近に自分の話を聴いてもらえる機会や暖炉を囲むように心温め合える居場所を届けたい。メンバー全員、このプロジェクトをやり遂げる意味をより強く感じています。

 
「自分のままで進んでいける世界へ」
 
一人でも多くのこどもたちが、力強く自分を生きるきっかけを届けたい。
愛ある循環をともに広げていく仲間になってくれたら嬉しいです。

 

 

 ①-3 今回のプロジェクトに至るまでの経緯や背景にある課題、事情

 

取り組んでいる課題についての実情を、客観的な数字を交えて伝えましょう。

 

【記入例】

2022年、未成年の自殺者数過去最大を更新。
こどもの電話相談に寄せられる「雑談がしたい」という多くの声。
 
何かを解決するためじゃなく、ただ自分の話ができたり、聴いてもらえたり、そんな環境を求めているこどもたちが沢山いる。
こうしている今も、そんな場所が身近にないことや自分のままでいられる居場所を探しているなど、悩みや孤独感を抱えている子がどれだけいるのだろう。

 

 

私たちが今、できることはないのだろうか。
 

心が健康であるための予防策はないのだろうか。
 

「じっくり、ゆっくり」から「じっくり、急ぐ」に意識を変革し、全国メンバーとともに、プロジェクトを立ち上げました。

 

 

 ①-4 取り組んでいる課題について、当事者、関係者の具体的なエピソード・声

 

困っているというエピソードや、活動によってポジティブな変化があったエピソードがあれば、記載しましょう。

 

【記入例】

 

 ①-5 なぜクラウドファンディングで資金を集めるのか

 

今回なぜクラウドファンディングで資金を集めるのか、その背景や理由、込められた思いを伝えましょう。

 

例)
・寄付会員はいるものの、取り組むべき課題に対し常に資金が不足している。助けを待っている人のために活動を止めるわけにはいかない


・このクラウドファンディングをきっかけに活動をより多くの人に知ってほしい、参加してほしい


・このクラウドファンディングをきっかけに、社会全体で取り組むべき課題として、一緒に考えてくれる人を増やしたい
 

【記入例】

【DANRO PLACEを全国に届けたい】
心を温め合えるDANRO PLACEのような居場所を、より身近に日常にある世界にしていきたい。
私たちDANRO CHILDRENは、対話を通して孤独を防いだ先に、孤独がなくなるという社会に挑戦していきます。


【同じ志を持った仲間を作りたい】
身近な大人たちが、どれだけ自分のままでいられる環境があることの大切さを知っていて、こどもたちに選択肢として届けられるか。

同じ志を持った仲間たちと手を取り取い、一緒に届けていくことに意味があると思っています。

 

 

②今回のプロジェクト内容について

 

 ②-1 今回のプロジェクト内容の詳細

 

今回の資金使途となるプロジェクトについて、ページを読んだ人が「支援した場合どのようなことに自分のお金が活用されるのか?」がわかるように、具体的に記入しましょう。 

 

【記入例】

「自分が主役になれる経験を日常に」

 

 

目線も違う、個性も違う一人ひとりが捉える世界とは?

 

自然の中に繰り出し、心動く瞬間シャッターを切る。写真を通して自分を表現し、対話を通して自分や相手を知る。親子の関係性を深めるだけでなく、自分以外の人の作品や感じ方を見聴きすることで、もうすでに持っている感性や多様性を発揮できる体験(機会)を届けます。

 

 

 ②-2 今回の資金使途である活動がどのように課題を解決するものなのか、がわかるよう紹介する

 

「プロジェクトのきっかけ」パートで説明した「課題」「現状」に対し、 今回の活動がなぜ、どのようにそれを解決したり変えていくものになるのかを伝えましょう。

 

今回初めて皆さんの活動を知る人が読んでも、「この活動は必要だ」と思ってもらえる内容になっているかを意識しましょう。

 

【記入例】

DANRO PLACE=自分のままでいられる居場所。

 

幼少期から、自分を思いっきり表現できたり、嬉しいも悲しいもどんな感情もまるごと感じきることのできる機会を届けたい。
大人・こどもの垣根なく、人と人とでつながれる環境をつくりたい。

また多様な生き方に触れることは、可能性に溢れるこどもたちの選択肢が広がることにつながると考えています。


 

 

こういった積み重ねや身近に自分のままでいられる居場所があることは、混沌とした時代を生きるこどもたちにとって、力強く自分を生きる自信や勇気に変わると信じています。

 

 

③具体的な資金使途

 

自分のお金がどのように使われるのか?は、支援するかどうか判断する上で重要なポイントです!できるだけ具体的に記載しましょう。

 

【記入例】

 

 

④(長期的なプロジェクトの場合)スケジュール

 

クラウドファンディング実施後、資金を使っての活動が完了するまでが長期間になる場合は、今後のスケジュールを紹介しましょう。

 

【記入例】

2024年4月20日の東京開催を皮切りに「写真×対話」イベントで全国27カ所をまわり、
10月には全国のこどもたちがひとつの場所に集まる「ダンチルフェスティバル」を開催します!

 

 

 

⑤今後の展望、結びとして決意表明&支援の呼びかけ

 

今回のプロジェクトが実現したら、どのようなポジティブな変化がありそうですか?

また、さらにこの次に実現したいことは何ですか?


支援者に対して、今回の支援によってどのような未来に繋がっていくのか、今後の展望を伝えましょう。

改めて、絶対に達成させたいという想いを伝え、支援のお願いをしましょう!

 

【記入例】

「対話の力で、孤独を防ぐ」決して簡単なことではありません。
でも、難しいことでもないと思っています。
 
こどもに関する様々ニュースが流れてくる中、「小さくても、自分たちにも何かできることがあるんじゃないか」そんな一心でただ目の前のこどもたちに、自分のままでいられる体験を届けてきました。
 
もちろん私たちの活動の先に届けられる子どもたちはいるけれど、みんなで力を合わせることで、救える可能性が広がり、目指す世界になる未来だって近づくと思っています。
 
孤独を防ぐということは、隣の人が隣の人にできること。
一人ひとりが持つやさしさや思いやりを活かしていくことで、世界を変えていくことだってできると信じています。
 
「自分のままで進んでいける世界へー」
一人でも多くのこどもたちが、力強く自分を生きるきっかけを届けたい。
愛ある循環をともに広げていく仲間になってくれたら嬉しいです。 

 

いかがでしたか?「ストーリー」は、プロジェクトを知ってもらい、支援するかどうか判断してもらうための大事な顔です。長い文章を作成するのは大変な作業ですが、「ストーリー」を通じて応援してくれる人とつながることをイメージして、ぜひ思いの丈をぶつけていただけたらと思います。


過去の類似事例もこちらから参照可能ですので、チェックしてみましょう!:こちら