プロジェクト終了!ご支援頂き有難うございました。
Readyforを通じて支援してくださった皆様
この度は、私のプロジェクトSea To Seven Summitsの第四弾アコンカグア遠征を応援いだだき本当にありがとうございました。プロジェクトを終え、無事日本へ帰国しました。
皆さんのご支援のおかげで、南米最高峰への海抜ゼロメートルからの挑戦にチャレンジすることができました。登頂直後のご連絡内容に加えご報告がございますので、メッセージをお送りしております。
▶︎ 遠征結果ご報告
1月16日にチリの港湾都市ヴァルパライソを出発し開始した本遠征。
それから、22日後の2月6日午前11時半ごろ、無事に南米大陸最高峰アコンカグアの頂上を極めることができました。
遠征序盤は想像だにしていなかった程に苦戦。
当初の計画としては、登山口まで一週間で200km超を走り、アコンカグアから下山してくる三浦雄一郎さんとお会いする予定だったのですが、なかなか思うように行きませんでした。
初日に左足首を捻り、徐々に増してくる痛みを勘案し、Day3に大事をとって2日の休息日を設けました。前のめりな気持ちとコンディションの良い身体を前に押し進めることができないことに対して感じた大きなフラストレーション。チリ国内全ての雲を僕が心に取り込んでしまったせいか、外の天気は超快晴で、連日35℃以上の暑さの中、歩き続けなければならない状況になりました。
苦戦を強いられた序盤でも励ましとなったのは、現地の人々との交流です。出発前、現地の治安を心配してくれる方も沢山いらっしゃいましたが、田舎で会う現地の人々はいつも暖かく、身の危険を感じることはありませんでした。道中で会った人々に、スイカやみかんの差し入れをもらったり、Vamos ! と励ましの声をかけてもらったり、一緒にサッカーボールを蹴ったり、同じ木陰で休んだり。今回の遠征でも現地の生活を見せてもらい、色々なものを使わせてもらい、遠征をさせてもらうことができました。
Day8に山間の地域に入ってからは、急峻な上り坂も増え、高度も徐々に上がりました。自然と切れる息と上がる心拍数に心も体もリフレッシュ。遠く視界に捉えたアコンカグアの頂。序盤に休んだおかげで、激坂も力強く登ることができ、肉体的にも精神的にもコンディションが上がっていることを実感することができました。ぐいぐい高度をかせぎ、チリとアルゼンチンとの国境の山を越え、ついに登山口周辺に到達することが出来ました!出発から10日目のことでした。
多くの人に応援してもらう初めての遠征ということで、勝手に気負い、焦り、思うようにいかなかった序盤でしたが、大きな学びも得ることができました。怪我などのアクシデントが起きた時の対処の仕方、休むことに対する考え方、理想とのギャップやプレッシャーに対する気持ちの整理の仕方、など今後の遠征にも活かせる非常に大切な学びでした。
Day12に、いよいよアコンカグアへ入山。
そこに三浦登山隊はもういませんでしたが、苦戦しながらもこうしてアコンカグアに戻って来られたことに大きな喜びを感じました。一年前の記憶の糸を辿るようにして、初日は3300mのPlaza Confluencia、二日目は4300mのベースキャンプPlaza de Mulasに到達。1日のレストデイを過ごし、次の日からは、来るべきアタックに備え、高度順応をはじめました。
3日の昇り降りを経て5500m地点のNido de Condores (“Nido”)へ到着。ここまで、重い荷物に息はかなり切れましたが、高山病の症状もなく、かなりいいコンディションと感じていました。Nidoでは他のクライマーとの交流もあり、各国の山屋たちと美しい夕日を眺めながら語らい、情熱を共有。Nidoからの景色は今回特に印象深く、圧倒的な自然の造形美に心奪われました。
Nidoにはレンジャーがおり、最新の天気予報も教えてくれます。日々変わる予報に一喜一憂することなく、好天に向けて自分のコンディションを整えるだけ、と言い聞かせ、翌日からも高度順応を続けました。入山8日目(Day18)には6200m付近まで登り、Nidoへ戻る。Day19はレストデイ。二日後好天の可能性大という情報をもらい、Day20には6000m地点のCamp Coleraへ移り、翌日の山頂アタックに向けColeraで就寝。
翌午前3時に起きると風の音はなく、4時15分山頂アタック開始。5時すぎ6200m地点。6時ごろ6400m付近のIndependencia到着。アイゼンを装着し、朝焼けを背に、超強風の中、大トラバースを抜け、8時すぎ6600m付近の休憩地点である通称Caveへ到着。いいペース。高山病の症状もなし。必要最低限の荷物だけ持って、最後の難関、斜度平均40度以上の超激坂Grand Canalator に挑む。昨年は雪で覆われていて進みやすかったこの斜面も今年は雪が少なく、岩場と砂利で足を取られる。思うように登れない。苦戦して登っていると、体の冷えを感じ始める。指先と足先は大丈夫だが、体の中からの冷えを感じる。よくない。低体温症になり始めている。去年より外気は寒くないし、服装も適切。恐らくエネルギーが足りていない。気持ちは焦るが、頭はまだ鮮明。ちょうど日差しが斜面の一部を照らし始めていたので、少し高度を下げて、日なたに移動。行動食をむさぼり、頂上から下山する人にチョコレートももらい口に押し込む。これから進む道はまだ日陰だったので、その場で、ひたすら手、足、体全体を動かしまくり、とにかく体を温めることに専念。しばらくすると状況は改善され、行くさきも日に照らされてきたので、再び山頂を目指すことに。その後は、がれ場に苦戦しつつも、なんとか高度をかせぎ、頂上直下の最後の岩場へ。感じ始めた疲労を押しのけ、11:30ころ、遂に、南米最高峰の頂に到達。
雲一つない空、砂岩入り混じった頂の感触、眼下には出発地点の海。
その全てを噛み締めながら、その日のうちにBCまで下山しました。
22日間、278km x 6962mの冒険でした!
なお、本プロジェクト、遠征の様子を朝日新聞さんに取り上げて頂きました。
素敵な記事にして頂き非常に嬉しいです!
▶︎ご支援の使い道について
今回、遠征を成功させることができたのも、皆さんにご支援していただいたおかげです。
本クラウドファンディングでは、計92万2000円のご支援をいただきました。
頂いたご支援は、合計で約65万円分、以下の遠征費用に充当させて頂きました。
- 為替換算等の関係で概算にはなりますことをご了承ください -
・航空券機代..18万円
・遠征用具、食料等購入費…13万円
・遠征中滞在費(宿、食事等)...9万円
・登山関係ロジスティック費用…9万円
・入山料…9万円
・登山保険料…2万円
・ベースキャンプ滞在費(通信費等)...2万円
・下山後滞在費(宿、食事等)...3万円
皆さんのご支援のおかげで、”ケチらず”(もちろん贅沢せず)安全な遠征に必要な装備やロジスティックスなどの環境を整えることが出来ました。本当にありがとうございました。
残りのご支援は、プロジェクト第5弾の遠征費用の一部に充当させていただく予定です。
▶︎ リターンの発送予定について
皆様に頂いたご支援に対するリターンの発送予定についてもご説明させてください。
・3,000円のリターン:御礼のお手紙・プロジェクトステッカー
遠征地のポストカードに御礼のお手紙をお書きしました。プロジェクトステッカーが完成し次第、お手紙とともにご登録頂いた住所までお送りします。
3月中旬までには発送できる予定です。
・5,000円のリターン:限定フェイスブックページにご招待
今回遠征開始時に皆様を限定フェイスブックページにお招きしました。通信環境の関係からライブ更新できなかった山行記録の一部は、ページ内投稿としてアップデートする予定です。
万が一、グループページに招待されていない、投稿が見れない、等の状況がございましたら、大変お手数ですが、私までメッセージをお送り頂くか、Readyfor事務局までご報告ください。
・10,000円のリターン:体験報告会へご招待
体験報告会は、3月10日(日)15時ごろ~を予定しております。多くの方がいらっしゃるということもあり、日時はこちらで指定させていただきますことをご了承ください。
場所は、私が学生時代にアルバイトをしていた池袋のスポーツバーで調整をしております。
報告会後には、同会場で、食事交流会も企画する予定です(*申し訳ありませんが、食事会の費用はご負担いただきます)。時間と場所が確定し次第、正式にご案内の連絡をしますので、その際に体験報告会参加の可否、交流会参加希望の有無を私までお伝えください。
なお、3月10日に来られない方向けに、3月24日(日)15時ごろ~にも体験報告会を行いたいと思っております。3月10日がメインの報告会ですので、同日ご予定が空いている方は、3月10日の会にお越しくださいますようお願いします。
両報告会ともに、遠方の方向けに、スカイプ等で会場とお繋ぎすることも考えておりますので、ご希望の方はお声がけください。
・30,000円のリターン:オリジナルフォトブック
今回の遠征で撮った写真を整理し、まとめている段階です。プロジェクトページでも触れましたが、「Sea」から「Summit」に至る道のりを追っていくような構成にしたいと思っています。
今回の遠征でも良い写真が沢山撮れたと自負しておりますので、どうぞお楽しみに!
3月下旬までにはお渡しする予定です。
・50,000円のリターン:現地からのお土産
現地特産のワインとマテ茶セットを購入しました。お土産を選ぶのはいつも難しいですが、今回も例外ではなく、メンドーサ中を探しまわりました。メンドーサは生産量世界5位のアルゼンチンでの最大のワイン産地。街に溢れる数あるワインの中でも、本遠征のリターンにふさわしいものを選びました。また、マテ茶はアルゼンチン/アンデス社交文化の象徴的存在です。特殊な容器にお茶っ葉を入れお湯を注いで回し飲みする姿はまさに、南米版飲みニケーション。ローカルの文化を象徴するものなのでお土産としてチョイスしました。
現地からのお土産はご支援いただいた方に直接お渡しする予定です。
・100,000円のリターン:講演会へ登壇
講演会のご依頼を頂き次第、登壇致します。まずは神保町ボンディで一対一講演会を行います。
▶︎ 次なる挑戦!
南米最高峰アコンカグアの遠征をもって、Sea To Seven Summits プロジェクトもいよいよ折り返し地点を迎えました。
次なる挑戦の舞台は北米大陸。
その最高峰であるデナリ(旧:マッキンリー)の海抜ゼロメートルからの登頂を目指します!
遠征時期は今年5月初旬で、出発地点は州都アンカレッジ。海風を感じながらまずは200km強、アラスカの大地を疾走します。デナリ国立公園に入ってからは、トレッキングとクロスカントリースキーでデナリの麓にアプローチ。その後は本格的な雪山登山モードに切り替え、高所順応をしながら、北米最高峰の頂を極めます。
エアタクシー*を使わないルート開拓、道中でのクマ・雪崩・クレバスに対する対策、高山病や凍傷のリスクに対する判断、など、やるべき準備も沢山あります。いよいよ”本格的に”「水平x垂直の冒険」になってきたな、とワクワクしております!
*デナリ山麓までのアプローチに通常利用される小型飛行機
その後、プロジェクト第6弾では、Tim McCartney-Snape氏の偉業から30周年の年に、エベレストへのシートゥーサミットに挑みます。そして、プロジェクトの最後は、植村直己さんが憧れ続けた地南極大陸での、水平x垂直の大冒険。海抜ゼロメートルからの南極最高峰ヴィンソン・マシフの登頂を目指します。
これからの挑戦、ますます難易度も増してきます。登頂後のご挨拶でもお伝えしましたが、皆様に引き続きお力添え頂きますと大変大変心強いですので、今後とも温かく力強い応援のほど、どうぞ宜しくお願いします!!
ご支援頂き本当に有難うございました。
吉田智輝