日本で生きていく難民・移民ルーツの子どもに日本語学習の機会を!

支援総額

4,024,000

目標金額 3,000,000円

支援者
417人
募集終了日
2022年9月30日

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2023年10月09日 12:22

日本で暮らす道が開かれた子も、祖国に帰れず悩む子も、みんな。

NPO法人メタノイア代表理事の山田拓路です。

2022年8月から9月にかけて私どもが実施したクラウドファンディング「日本で生きていく難民・移民ルーツの子どもに日本語学習の機会を!」にご寄付いただき、誠にありがとうございました。

 

当初予定していたクラウドファンディングとしてのプロジェクト期間が2023年9月30日をもって満了したことにともない、現状の報告をさせていただきます。難民・移民ルーツの方々への支援は一朝一夕で終わるものではありませんが、人びとをとりまく昨今の情勢と、日々の活動の様子を下記のとおり共有させていただければ幸いです。

 

 

1.活動報告

 

クルド難民 日本語教室

 

開講場所:埼玉県川口市 (JR「蕨」駅近くのシェアスペースとカフェの2拠点で開講)
開講回数:142回 (2022年5月〜2023年9月/毎週月・木・土曜日に3〜4時間程度開講)
参加者数:86人 (幼児/小学生28人、中学生/高校生30人、成人28人)*上記期間中に1回以上参加した学習者数

 

上の写真は、毎週木曜日の教室の様子です。カフェの一角をお借りして教室を開いています。カフェは書店やイベントスペースにもなっていて、お客さんや近隣住民の方が頻繁に出入りします。少し騒がしいようなこの場所であえて教室を開いているのは、自然な形でクルドの子と地域の住民が出会ってほしいと考えているからです。

 

 

丁寧な学びの支援

 

さて、あるクルド人の小学生のケースをご紹介します。Aさんという小学校高学年の子どもは、算数が苦手です。小数や分数の計算を学校で習っていても、本当は1桁の引き算もうまく答えられないことがあります。Aさんは小学1年生の時に来日して、当時は日本語が全く分からず算数の授業がちんぷんかんぷんだったことが今になっても影響している可能性もあります。ただ、それだけでなく、発達に特性があるかもしれないと講師たちは見立てています。しっかりとした検査を受けたことはありませんが、ゆっくりと学んでいくタイプであることは確かなようです。

 

このように、日本語を母語としない子どもの学習は複雑です。第二言語で学ぶハンディ、発達の凸凹、色々なものが混ざり合ってその子の個性を形成します。そこに寄り添い、伴走する大人がそばにいることは、きっとその子どもにとって大きな力になることと思います。皆さまにいただいたご寄付で、こうした丁寧な支援を続けられることに改めて感謝申し上げます。

 

 

クルド難民と新たな「在留特別許可」制度

 

私たちが学習支援を行っている埼玉県に暮らすクルド人の子どもたちは、その多くがトルコなどの政府による民族迫害から日本に逃れてきた難民申請者の家族の子です。難民申請中は特別な在留資格(「特定活動」)が与えられますが、難民申請が不許可になった場合には正規の在留資格を失い、健康保険加入・就労・県境をまたぐ移動などが認められない不自由な身分(仮放免状態)となってしまいます。健全な育ちを阻害するそのような制度は子どもの最善の利益に反するばかりか、人権の侵害に当たると国内外から多くの指摘を受けてきました。


それを受け、日本政府は2023年8月、「日本で生まれ育った在留資格のない外国人の子ども」に対して在留特別許可を与える方針を発表しました。これにより、数十人、あるいはそれ以上のクルド人の子どもたちが安定した在留資格を得て、日本で暮らす道が開かれたことになります。多くの支援者らはこれを評価し、クルド人のコミュニティでも喜びの声が聞かれています。

 

一方、今回の在留特別許可に求められる要件に該当しないクルド人の方々や支援者からは、悲しみや抗議の声が上がっています。しかし、どのような人に在留特別許可が付与されるかについて、法務省・入管庁はまだ正確な情報を明らかにしていないため、色々な憶測も飛び交っているのが現状と言えます。下記に少しばかり要点を整理させていただきます。

 

 

◎ 「日本で生まれ育った」という要件がある。例えばトルコで生まれて0歳で来日し、その後10年以上ずっと日本で育ってきた子は含まれないかもしれない。

 

◎ 「子ども」は現時点の小学生・中学生・高校生のみを指すとされる。幼稚園・保育園に通っている5歳以下の幼児や、18歳になったばかりの大学生は含まれないかもしれない。

 

◎ 「親に看過しがたい消極事情がある場合」は対象外とされる。具体的には、親に複数回の犯罪歴があったり、在留カードを偽造したことがあったりする場合とされている。

 

 

 

以上のような機械的な線引きにより、きょうだい間、あるいは親族間で、在留資格を得られたり得られなかったりする残酷な差が生まれてしまうことが懸念されています。場合によっては肉親が離別させられる危機もあり得ると考えられます。
 

物心つく前に離れた祖国の記憶もなく10年以上ずっと日本で育ってきたある子どもは、日本を「故郷」と思っているそうです。そこから追い出してしまうことは、子どもたちの育んできた可能性にふたをし、心の育ちに暗い影を落としかねません。私たちは子どもの最善の利益を守り切る社会でありたいと強く願います。

 

来日して約10年がたつクルド人小学生のノートです。幼少期から日本の学校で教育を受け、日本語で日本のことを学んできています。その積み重ねを無視して日本から強制的に追放するよりも、このまま日本で幸せに成長してくれることを応援したいと願います。

 

 

 

 

ウクライナ難民 日本語学習支援

 

開講場所:埼玉県・東京都・オンライン
開講回数:167回 (2022年6月〜2023年9月/随時)
参加者数:13人 (幼児/小学生4人、中学生/高校生3人、成人6人)*上記期間中に1回以上参加した学習者数

 

ウクライナからの避難者である方々への日本語学習支援は、今年度に入ってからは主に対面の家庭教師スタイルで実施してきました。上の写真もその様子をとらえたものの一つのです。

 

 

高校進学にまつわる葛藤

 

あるウクライナ避難者の中学生Bさんは、現在2年生です。すでに1年近く近所の公立中学校に通っていますが、友だちをつくって楽しめるほどの日本語はまだ身についていません。お父さんいわく、Bさんは中学校に行っていても「孤独で幽霊のよう(isolated and like a ghost)」に感じると言っているとのことでした。そしてお父さんはこのようにもおっしゃいました。「ウクライナが戦争に勝利したら、EUとの経済連携が行われると見込まれる。EU経済圏で働くために英語で教育を受けた方がいいと考え、インターナショナルスクールに興味をもっている。」戦争に将来を大きく左右される10代の避難者とその家族の揺れ動く気持ちが伝わってきます。


しかし、今は中学2年生なのでまだ決断を焦る必要はなく、広く可能性を模索するべき時期です。そのことはBさん親子もよくご存知で、インターナショナルスクールを含む進学先の積極的な情報収集をしながら、日本の公立高校に進学する(それしか取るべき道が残されていない)場合のことも想定して、Bさんは日本語の学習も意欲的に継続しています。今年12月に行われる日本語能力試験にも挑戦しようと、私たちとの学習時間を10月から増やしました。
 

学習者本人の希望にできる限り沿うようなレッスンを組みながら、それだけでなく、進路や生活にまつわる一つひとつの相談に、支援現場に立つメタノイアの日本語教師・コーディネーターはきめ細やかに対応しています。いつ終わるとも知れない戦争に翻弄される子どもと家族の悩みと夢を聴きながら、これからも長く歩みを共にしていきたいと考えています。

 

上の写真の小学生は日本語の習得が早く、日々楽しく公立小学校に通えています。年齢・性格や、たまたまおかれた環境によって、日本社会に統合されていく困難度は本当にケースバイケースだと感じます。

 

 

ウクライナ避難者は「準難民」として定住可能に
 

日本政府は、ウクライナ等紛争地からの避難者を「準難民」として認定し、一時的な避難者対象の在留資格から安定した在留資格(「定住者」)に切り替えられる新制度を今年12月から始める方針を発表しました。これにより、将来的には「永住者」として日本で暮らしていく道も開かれることとなります。

 

上記Bさん家族のように終戦後は帰国したいと願いつつもいつになるか分からないという方もいれば、すでに故郷の街は破壊されて家は跡形もなく、もはや日本で暮らしていくしかないという方もいます。いずれにせよ、一時的な避難者という立場から、この日本社会に一市民として定住していくということが見通せるようになりました。そこで、いよいよ日本語の力を本格的に身につけ、より良い仕事を得たいと考え始める保護者も増えています。家計が安定し、教育に投資できるお金が増えれば、子どもの取りうる進路の選択の幅も広がるため、これからは一層家族の支援にも力を入れていきたいと考えています。

 

 

 

 

 

2.収支報告

 

昨年のクラウドファンディングで皆さまからいただいたご寄付は、2023年9月30日までに、下記の取り組みのために活用させていただきました。(金額は暫定値です。)

 

 

952,977円 クルド難民の日本語教室運営費(日本語教師謝金、教室賃借料、教材費、保険料など)

589,559円 ウクライナ難民の対面/オンライン個別レッスンや相談支援にかかる費用(日本語教師・コーディネーター謝金、Zoomアカウント使用料、教材費など)

111,870円 広く移民等のルーツをもつ子どもの既存教室の受入れ枠拡大費用(追加発生する日本語教師謝金、教室賃借料、教材費など)

531,168円 Readyfor 手数料(受取金額の12% +税)

 

支出合計 2,185,574円
寄付合計 4,024,000円
残り資金 1,838,427円

 

 

皆さまのご寄付とともに、いくつかの民間助成金を受け取れることとなり、それらを併用して活動を継続して参りました。助成金では到底足りないきめ細やかな支援を実践するため、皆さまのご寄付を活用させていただきました。改めて感謝申し上げます。


残り資金は引き続き、2023年10月以降の同様の活動の継続・発展のために活用させていただきます。緊急支援的な助成金が今後は減ってくることが見込まれ、皆さまのご寄付が活動を続けるうえで非常に心強い支えとなっています。

 

 

 

3.おねがい


皆さまにいただいたご寄付は、上記のとおり主に現場で活動する教師の人件費など事業運営にかかる経費に使わせていただいています。一方、事業の屋台骨を支える組織管理は、ほとんどボランティアで行っています。しかし、その部分に負荷が多くかかり、法人としての安定した運営や活動の展開が困難になっています。


皆さまから既にいただいたご寄付の残り資金を豊かな活動現場のために有効に使わせていただきつつ、今後も長きにわたりこうした活動を継続するため、メタノイアの法人組織基盤の強化に「マンスリーサポーター」としてどうかお力をお貸しいただけませんでしょうか。毎月の固定額のご寄付が、組織を強くし、より多くの難民・移民ルーツの子どもたちに学びとつながりの機会を届ける新たな活動を生み出します。


上に述べさせていただいたような制度変更により、日本で暮らす道が新たに開かれた子もいれば、戦場となった祖国にいまだ帰れず悩む子もいます。メタノイアは、そんな子どもたちと更に多く出会い、よりきめ細やかに寄り添っていられる団体でありたい。そう願っています。マンスリーサポーターとして、ご一緒にその道を歩んでいただければ幸いです。
 

 

毎月の寄付でメタノイアを応援する

〈マンスリーサポーター〉

 

 

お手間のかからないクレジットカード自動課金システムを活用しています。

 

 

毎月1,000円(1日33円)からのご寄付で活動をお支えください。

よろしくお願いいたします。

 

 



 

 

 

 

 

 

 


 

 

リターン

3,000+システム利用料


alt

3千円コース(1人分の日本語テキスト代)

■活動報告(メールにて2023年4月までにお送りします。)
■寄付金領収書の発送(寄付金領収書は、2023年1月にメールにてお送りします。)

支援者
184人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

5,000+システム利用料


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5千円コース(1人分の日本語レッスン4時間分)

■活動報告(メールにて2023年4月までにお送りします。)
■寄付金領収書の発送(寄付金領収書は、2023年1月にメールにてお送りします。)

支援者
110人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

10,000+システム利用料


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1万円コース(1人分の日本語レッスン8時間分)

■活動報告(メールにて2023年4月までにお送りします。)
■寄付金領収書の発送(寄付金領収書は、2023年1月にメールにてお送りします。)

支援者
102人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

30,000+システム利用料


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3万円コース(1人分の日本語レッスン24時間分)

■活動報告(メールにて2023年4月までにお送りします。)
■寄付金領収書の発送(寄付金領収書は、2023年1月にメールにてお送りします。)

支援者
13人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

50,000+システム利用料


alt

5万円コース(1人分の日本語レッスン40時間分)

■活動報告(メールにて2023年4月までにお送りします。)
■寄付金領収書の発送(寄付金領収書は、2023年1月にメールにてお送りします。)
■日本語教室の視察にご案内(東京都または埼玉県、オンライン対応も可)*ご希望の方のみ 〈有効期間:1年以内〉

支援者
5人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

100,000+システム利用料


alt

10万円コース(1人の日本語レッスン1年分)

■活動報告(メールにて2023年4月までにお送りします。)
■寄付金領収書の発送(寄付金領収書は、2023年1月にメールにてお送りします。)
■日本語教室の視察にご案内(東京都または埼玉県、オンライン対応も可)*ご希望の方のみ 〈有効期間:1年以内〉

支援者
4人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

300,000+システム利用料


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30万円コース(3人の日本語レッスン1年分)

■活動報告(メールにて2023年4月までにお送りします。)
■寄付金領収書の発送(寄付金領収書は、2023年1月にメールにてお送りします。)
■日本語教室の視察にご案内(東京都または埼玉県、オンライン対応も可)*ご希望の方のみ 〈有効期間:1年以内〉

支援者
1人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

500,000+システム利用料


alt

50万円コース(5人の日本語レッスン1年分)

■活動報告(メールにて2023年4月までにお送りします。)
■寄付金領収書の発送(寄付金領収書は、2023年1月にメールにてお送りします。)
■日本語教室の視察にご案内(東京都または埼玉県、オンライン対応も可)*ご希望の方のみ 〈有効期間:1年以内〉

支援者
1人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

1,000,000+システム利用料


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100万円コース(10人の日本語レッスン1年分)

■活動報告(メールにて2023年4月までにお送りします。)
■寄付金領収書の発送(寄付金領収書は、2023年1月にメールにてお送りします。)
■日本語教室の視察にご案内(東京都または埼玉県、オンライン対応も可)*ご希望の方のみ 〈有効期間:1年以内〉

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

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